「怪盗ジャンヌもうにげられないよ」
ジャンヌは名古屋邸地下牢に捕われていた。座ったままの状態で両手は頭上に縛り上げられている。そして目の前には最愛の人、名古屋稚空の父親、名古屋海生が立っていた。
「い、いや…来ないで」
大きな瞳一杯に涙を浮かべ懇願するジャンヌを嘲笑うかのように海生はジャンヌの襟元を掴み、一気にはだけさせた。
「いやああああっっ!!」
和服の下に下着はなく、形の良い胸がそのまま見えている。海生はその胸に赤ん坊のように吸い付く。
「ふぅ…っ!やめっ」
「思った通りだ。色も、形も、味もね」
「いやぁ…」
ジャンヌはこの現実を否定するかのように頭を振り、涙をこぼす。片方の胸は揉みしだかれ、もう片方はぴちゃぴちゃと音を立てて嘗め回されていた。
なんとかこの状況から抜け出そうと手の中に武器のリボンを出現させる。
「ああ、悪い子だな。そんな恰好で攻撃できると思ったの?」
海生はやすやすとリボンを奪い取る。そして暫くそれを見つめていた。
「はっ…はあ。おね、お願い!返して!」
「そんなに言うなら返してあげてもいいけどね。さっきから反抗的な態度多すぎるよ?」
海生はジャンヌのポニーテールを掴んで匂いを嗅ぎ、まっすぐジャンヌの瞳を見ながら噛み付くように口づけた。
「!んふぅっ…あ、ふあぁやあ…んむっ」
それは稚空のキスよりもだいぶ技巧的なものでジャンヌは頭の中が白くなるのを抑えるので精一杯だった。
ぴちゅ…という音と白い糸をお互いの舌に絡ませながらようやく二人の唇が離れる。解放された気がしてジャンヌはあらわになった肩を上下させて呼吸する。「はあっはっ…」
「凄いね。こっちはまだ触ってないのに。ジャンヌの恋人よりは僕の方がキス上手なのかな?」
いつのまにか赤いスカートは捲くられ、そこから覗く白い下着からはじんわりと女の香が立ちのぼっていた。
稚空とよく似た顔なのに、その最愛の人から与えられる快感とは比べものにならない。ジャンヌはその事を本能では感じながら、頭の中ではそれを理解する前に飛びそうな意識を必死に繋ぎ止めていた。
ゆっくりと下着を下ろされるが、もうジャンヌに抵抗する余裕はなかった。
「まだ若いね。色が綺麗なままだ」
海生はそう言うと手にしていたリボンの握り手の部分をジャンヌのそこへ押し当てる。
「っあ!」
「ほら。こうやって動かすと気持ちいいでしょ?」
「ひゃっあっああっ」
「もしかしてもうこれ位なら入るんじゃないかな」
海生は縦に動かしていた握り手をぐっと中へ押し込む。
「ふあっ?あああっいたっ」
ぐぷっじゅちゅちゅと粘液独特の音を響かせて穴の奥へ確実に入っていく。
「持ってないとすぐ出て来ちゃうね。全部入れちゃえば大丈夫なんだろうけど」
「親父!ここにいるのか?」
突然、稚空の声が地下に響いた。海生はそれを合図のように握り手を無理矢理全て埋め込んだ。
「うっああああっ!!」
「まろん!?」
稚空は今ここで聞く筈のない彼女の悲鳴を聞いて、戸惑いながらも足を進める。一歩一歩、父親と怪盗のいる牢へ近づく。角を曲がった正面の牢の戸が開いている。その中に、スーツの後ろ姿がしゃがみ込んでいるのが見えた。
「親父?」
恐る恐る声をかけてみる。すると、そのスーツ姿がすっと立ち上がり、一歩横にずれて稚空の方を向いた。
「稚空くん」
いつもと変わらぬ笑顔の父親の向こうには、足の付け根から赤いリボンを生やし、上半身に赤い華を点々と咲かせた少女。
「まろ…っ。ジャンヌ…!」
「あ…ちあ、き」
体の中の異物感に耐えながらも涙目で頬は上気していたジャンヌは驚愕の表情を浮かべて彼を見ていた。
「父さん!なんで、なんでこんなこと!ジャンヌ、今両手をはずすからな」
稚空がジャンヌの両手首を縛っている縄を力まかせに引き千切るのを海生は黙って見ていた。
「あ…やだあ…ちあき、見ないでぇ」
自分の恥態が稚空の視界に入るのに耐え切れず、ジャンヌは顔を両手で覆って泣き出した。
「もう大丈夫だからな。すぐ安全な所に」
稚空がジャンヌを抱き抱えながら言いかけたとき、カツンという音がした。
「稚空。正義のヒーロー気取るのもいいけどね、そんな物入れたままで大丈夫なんてよく言えるね」
海生は二人を冷ややかな目で見下している。
稚空がジャンヌの股間に手を滑らせてみると、そこにはさっき床に当たって音を発したものが突き刺さっていた。
「ちあきぃっ!いやあっ」
「お前、まさか。これ…」
体外に出ている、握り手から伸びた細い棒の部分を掴み、確認するように赤いリボンに目を走らせる。
「と、とにかく抜くぞ。いいな」
いいな、と言うと同時に稚空はぐっと棒を引こうとする。
「ふぅうっ!ふあっあっきゃああっ!」
想像していたよりもずっと大きく、なまめかしい嬌声に稚空は思わず手を離してしまった。
「ごめん、なさ…っはあっ…お願いだかっらっ…早く、抜いてえ?」
稚空はこれ以上ジャンヌの鳴き声を聞いて正気でいられる自信がなかった。仮にリボンを抜いたとしても、すぐに別のものを埋め込んでしまうだろう。
「我慢できなくなるからやめるの?優しいね稚空くんは。代わりに僕が抜いてあげようか?」
ジャンヌの顎を持ち上げ、海生は極上の笑みで問い掛ける。
「うあっはっ…早くっお願いっ」
抜いてもらえば逃げられると考えたからか、それともただ快感に耐え切れなくなったからかはわからないが、僅かに震えながらジャンヌはそう答えるしかなかった。
「でもタダではやってあげないよ。どうしても抜いてほしいなら稚空くんを気持ち良くしてあげてくれるかな?」
「きもちよく?」
「何言ってんだよ!なんでそんなこと!」
海生は稚空のズボンの膨らみを指差した。
「なんでって、そんなにしてたら苦しいでしょ」
カチャカチャとジャンヌは稚空のベルトを外し始めた。
「なっ…やめろっ」
「だってしょうがないじゃないっ。稚空が抜いてくれないから。私だってこんなこと…」
立ち尽くしている稚空に膝まずいてジャンヌは白い手袋をしたまま稚空自身を取り出す。漫画や小説とは違う生々しさに、うっと躊躇するが海生に顎でさあ、と促され、目をぎゅっとつぶる。舌をいっぱいに伸ばしてほんの一瞬稚空に触れた。
「うっ…」
ぴくん、と稚空が反応する。海生は相変わらず黙って二人を凝視していた。ジャンヌは溢れてきた涙を両手の甲でごしごしと拭うと、稚空を見上げた。
「ジャンヌ…」
もう彼が自分を止めてくれる事はないんだと悟り、深く息を吸い込んだ。そして、一瞬だけ稚空に無理矢理作った笑顔を向けると勢い良く稚空自身を頬張った。
「うあっジャンっ」
何も考えないように激しく頭を動かす。じゅっじゅぼっじゅぼおっ。唾液と粘液が混ざり合って卑猥な音が辺りに響く。もちろん海生の耳にもしっかりと届いていた。
ジャンヌの大きな紫色の瞳にはまた涙が溢れてきて、瞬きをする度にぽろぽろと涙の粒が零れ落ちる。
今や全身を動かして奉仕する彼女から生えた赤いリボンは時折シュル、シュルと音を立てる。その半分程までが濡れて色が濃くなっていた。
「くっ…あ…ジャンヌ離せ…」
稚空に言われてジャンヌが離れるとすぐに稚空は精を放ち、ジャンヌを抱き寄せた。
「はあっはあっ…ちあき、ちあき!」
「…っ…親父、約束だろ」
「しょうがないか。約束しちゃったからね。じゃあジャンヌをこっちへ渡してよ」
稚空は海生の要求に首を振り、更に強くジャンヌを抱き締めた。
「困った子だな。本当は顔見ながら解放してあげたかったんだけどね」
海生はリボンを掴むとゆっくりと引き抜き始めた。
「あっああっあふっ…あああああっ!」
ジャンヌは稚空の首にしがみついて快感に耐えている。
「あっあっやっはっ…あああーっ!!」
一番太い部分が外に出るとあとはもうずるんと抜くことができた。抜いた後に一度、ジャンヌの下半身がひくんっと痙攣した。
「はあっ…うっちあき!ちあき!ちあきっ!」
解放感からか泣き出したジャンヌの頭を稚空はぽんぽんと叩いてやった。
「あーあもう時間切れだ。稚空くんのせいで不完全燃焼だよ」
海生は少しも悪びれずに病院に戻ろうと牢から出た。
「待てよ。何でこんなことしたんだよ」
稚空の低い声に振り向いた海生は穏やかに笑って言った。
「母さんに似てたからだよ」
稚空はジャンヌの衣服の乱れを直していた手を止めた。
「だったら尚更何でこんな酷いことしたんだよ!大体どこが似てるって…」
「稚空やめて、聞きたくない、こんなこと忘れるんだから…!」
「そう。そんな風に気高い所がそっくりだよ。だから今度こそなくさないように捕まえておきたかったんだ」
「どんなに似てたって母さんはもういないんだよ!だから母さんを大切にしててほしいんだ!」
「うん。でもね、わかっててもそう思っちゃうときがあるんだよ」
海生は背を向けてそう言うと病院へ戻っていった。
そして数年後。二人はフィンの生まれ変わりに「魚月」という名をつけた。どんなに似ていてもフィンも、あの魚月も、アクセスも、そしてジャンヌ・ダルクももういないのに…。