薄暗いマンションの一室に荒い息遣いが響いていた。
「んっ…はあっはあっ…はっんっ」
ベットに潜り込んで満月は一人でイケナイ事をしていた。
どうしよう。私、変態なのかな?12歳なのにこんな事してるなんて…。
「んんっはうっ!」
びくっと大きく反応してから、だらんと手足を投げ出す。ハアハアと肩で息をしながら虚しさがこみあげてきた。
「英知くん…っけほっゲホッゲホッカフッ」
「満月っ!どうした!?」
バンッと乱暴にドアを開けてタクトが部屋に入ってきた。
「ケホケホッ…はあ。もう大丈夫だよ」
「何だ、また12歳のまま歌歌ったのか?」
「うっ!?うん」
まさか喘ぎすぎたとは言えなかった。服も下着もつけたまましていた為、タクトには気付かれていないらしい。しかし、咳込んだ為でなく潤んだ瞳、紅潮した頬、ほつれた髪の毛。何よりついさっきまでそんな事をしていた空間でタクトは何かを感じ取った。
あれ?やばいぞ俺。目の前にいるのは満月なのに。
タイミングの良いことにめろこはさっきどこかへ出掛けてしまっていた。
死神にとって性欲は食欲と同じでなければないで済むのだがおいしいものは食べたくなる。
「タクトどうしたの?何か変だよ」
「俺っ居間にいるからなんかあったら呼べよ」
このまま満月といたらタクトは満月に何かしてしまいそうだった。なのに。
「じゃあ私も行くよ」
満月は何も知らずに無邪気に言ってのけた。
「だめだっ!お前はここにいろっ!」
「何でそんなこと言うの!?ここ私の家なのに、ひどいよタクト!」
「ひどいのはお前だろ!それともお前俺に犯られてもいいのか!?」
叫んでしまってからタクトはハッとする。満月はきょとんとしている。
「や…?て。タクト?」
タクトはがしがし頭をかいて観念したように言った。
「だ〜か〜ら〜。俺は今そういう気分だから近寄るなってことだよ」
まさか満月にこんなことを言わなければならないなんてタクトは思ってもみなかった。気まずい沈黙が流れ出した所でタクトは部屋を出ようと満月に背を向けた。
「タクト、私と、したいの?」
突然の満月の言葉にタクトは立ち止まる。
「あのね。私、いいよ?」
その言葉にタクトはカッとなる。
「お前英知が好きなんだろ!好きでもない奴に抱かれて嬉しいのかよ!」
「嬉しいよ。私、タクト好きだから」
満月はベットから降りてタクトの正面に立つ。
「だって、英知は」
「タクトは私を大人にしてくれたよね。だからタクトにもっと大人にしてほしいんだ。タクトが好きだからこう思うんだよ」
「満月」
タクトは満月を抱き締めた。
本当は。一番好きなのは今でも英知君。だけどタクトを好きなのも嘘じゃないから。それに、英知君はもう…。
タクトの顔が近づいてきて、満月はそっと目を閉じる。優しい、唇が触れるだけのキス。
そのまま満月はベットに寝かされる。息苦しくて少し口を開くとタクトの舌が入ってくる。
「…っふっん…」
優しく歯列をなぞられて、舌を絡められる。満月もタクトにたどたどしく応えようとする。
「ーっ。ぷはっ…」
長い口づけからやっと満月は解放される。顔が赤いのが自分でもわかった。小さい子供のように着ているものをタクトに一枚一枚脱がされるのを満月はおとなしく眺めていた。
「肌白いな」
「ずっと部屋に篭ってたからね。タクト達が来なかったら外の世界知らないまま終わっちゃうとこだった」
「ち…っ…」違うだろ。俺達が来なかったらお前はもっと生きられるんだぞ。とタクトは言いたかったが、やめた。そんな事言ってもどうしようもない。
じっと見つめられて恥ずかしくなった満月は上半身だけを起こした。英知君にもらった、お月様のペンダントだけを身につけている。満月はそうっとタクトの猫耳帽子に手を伸ばした。
「脱がせてもいい、かな?」
立て膝をついてタクトの帽子を掴んでいる 満月の胸がタクトの目の前にあった。
「好きにしろよ」
なんとなく意地を張った言い方をしてしまうが自然とタクトの顔が緩んでしまう。それを隠すようにタクトは目の前の小さな胸を撫でた。
「あっ…タクトッ」
驚いた満月は帽子を取り落とす。
「脱がせてくれるんだろ?」
タクトの声に今度は上着に手をかける。その間もタクトは手を休めない。膨らみを確認するようになぞり、頂点を指で押す。
「はふっはあっ…なっんかっあっへんっ」
パサ、パサとなんとか上着を全部脱がし終わると満月は手を止めた。
「えっと…」
満月の視線は残ったズボンの膨らみ。をなるべく意識しないようにベルトに注がれている。胸の感触を楽しんでいたタクトは視線に気付いて手を離す。
「ああ、こっちはいいよ」
言って満月の鎖骨の辺りに強く吸い付く。
「んんっ」
チュッと音を立ててタクトの唇が離れると、満月の体がぽんっと煙に包まれてフルムーンの姿になった。
「うあっ。あれ?」
「途中で倒れたりしたら困るからな」
「心配してくれるんだ…」
きゅ、と満月はタクトにしがみついた。成長した胸がタクトに押し当てられる。
「!あふっ」
いつのまにかタクトの手は、さっきよりも濃くなった茂みへ移動していた。そこはまるで源泉のように次から次へと温かいものが湧き出していた。
「すげ…みつき…」
タクトの太い指が2本来ても満月はスムーズに受け入れる。
「あっあっあーっ!たくとっ」
指を入れたまま満月を俯せに寝転がすと足を広げさせ、腰を持ち上げた。
「ひうっあったくっとぉ。はずかしいっはっんっ」
「もっとでかい声、出していいぞ?いつも我慢してんだろ」
「ひゃあああっ!だめえっばらばらにっ動かしちゃっああっ」
「初めて…にしちゃ感度いいな…」
満月はぎくっとした。もしかしたら一人でしすぎて普通の子よりも感じやすくなったのかもしれない。タクトに何か気付かれたらどうしよう!
しかしその不安は次のタクトの言葉に掻き消された。
「ったく。最近のガキは。満月が16歳は大人って言ったのも間違ってなかったんだな」
タクトが指を引き抜くと満月は、はふぅっと切な気な声を漏らした。
「満月、仰向けになって」
「うん…」
満月は仰向けになると次にタクトにされることを予想して固く目をつぶる。初恋は英知君。ファーストキスも英知君。そして初体験は。
「あっやっタクト!いたいっ!」
「力、抜けって」
ぐっぐっとタクトが満月に押し付けられる。「まってっんんっ無理いーっ!あっかはっあっあああっ!?」
「はっはっ…満月大丈夫か?」
タクトに滲んできた涙を拭われ、満月はコクコクと頷いた。
「タクト、好き」
「ああ」
タクトはゆっくりと突いてみる。
「たっタクトすき」
「ああっ」
タクトは満月の方足を自分の肩にかけて激しく腰を振る。
「たあったくとっひっああっすきいっひいあああっあっあはああっ」
タクトには満月が
英知君が一番好き
と叫んでいるように聞こえた。
金色の髪を白いシーツの上で踊らせてはしたなく大きな声を上げる満月。もっと大きな声が出ることを教えてやりたくてタクトは何度も満月の最奥を突いた。
「あああっ!あっ!あっあっあっあっああっ!…ああああっ!」
ふ、と満月が目を開けると鼻と鼻がぶつかる距離でタクトがこちらを見ていた。ぼーっとした頭で満月はタクトの頭をなでた。
「みつき?」
「いつか、ここに猫耳が生えるんだよね」
それからタクトの背中をさする。
「ここに羽根」
そして尾てい骨まで手を滑らす。
「みっ…!」
「ここからしっぽ」
「寝ろよ。お前ただでさえ体力ないんだから」
「うん。…タクトの生耳触りたかったな」
満月はそう呟いて、また深い眠りに落ちていった。