いつからだろう。  
あなたの笑顔を守りたいと思うようになったのは。  
 
僕は確かにまろんさんが好きだったはずなのに。  
気づけばいつも、君の笑顔に魅せられてたんだー‥  
 
「ちょっと水無月っ! ついてこないでよ!!」  
 
あぁ、僕ってやっぱり下僕体質なのかも。。  
毎日こんなあしらわれ方してるのに、何故かとても嬉しいんだ。  
「一緒に帰るぐらいいいじゃないですかぁー」  
「だったらもっと離れて歩いてくれるっ? 背後霊みたくくっつかないでぇっ!」  
僕の気持ちを伝えてからというもの、以前に増して僕に冷たくあたる都さん。  
照れてるのかなぁ? ‥かわいい‥かわいすぎる。。  
と勝手な思い込みに没頭している僕を現実に連れ戻す出来事。  
ーポツッー  
おでこに冷たい一滴。   
「げぇっ雨降ってきたよ、早く帰らなきゃ!」  
いつのまにか走り出し、もうずっと先の方に見える都さんの姿。  
「ま、待ってください!!おいてかないでぇ〜!」  
 
「あ〜あっ、水無月が遅いせいなんだからねっ!」  
とほっぺを膨らませ僕に罵倒を浴びせる僕のお姫様、というより女王様。  
「すいません‥」  
結局僕らの足より雨脚のほうが早かったため、近くの公園で雨宿りをすることにした。  
「制服ぐちゃぐちゃ‥早く帰りたい‥」  
ご機嫌斜めの女王様。 でもその姿は僕にとって心もカラダも上機嫌になる絵だった。  
ぴったりとはりつき肌を透かしなんともエロティックなYシャツ。  
濡れた髪をかきあげる彼女の仕草。  
ここが公園でなければ僕は理性を抑えられなくなっていたかもしれない。  
いつも内気な僕が思わず両手で彼女の手を握ってしまったほど。  
「都さんっっ!」  
そんな僕の切羽詰った雰囲気を察して彼女も慌てる。  
「ちょっ!やめなさいよっ!!」  
彼女が強引に手を離そうとしたとき、彼女の肘が僕の眼鏡にあたり、僕の理性とともにふっとんだ。  
「あっごめっ!」  
そう言いかけた彼女を肩に担ぎ、立ち上がった。  
「やっ何するのっ?!」  
「どーせもう濡れたんだから。」  
と言い俺は自分家の向かって歩きだした。  
「どこ行くのよっ!ねぇったら!」  
足をばたばたさせ、時折俺の顔をひっぱる。  
そんな彼女にはお構いなしに、俺は自分家の門をくぐた。  
「お帰りなさいませ坊ちゃま。 お客様ですか?」  
「あぁ、濡れてしまったので彼女の服の替えを用意しておいてくれ。」  
そう言い放つと、俺は自分の部屋へ向かった‥。  
 
「‥風邪、ひきますよ。」  
都さんにバスタオルをかける。  
「シャワーそこなんで、使ってください。」  
普段と雰囲気の違う俺の言葉に不安を覚えた彼女は、従うほかなかった。  
少し迷ってから「‥覗かないでよねっ」  
と言い残し、都さんはバスルームに消えていった。  
 
彼女がバスルームでカラダを流している間、俺は濡れた服を脱ぎ捨て、ベッドに座りボーっとしていた。  
緊張とか、そんなのは一切なかった。 むしろ、心は穏やかで、ただただ都が愛しかった。  
彼女を幸せにしたと思った。彼女のいろんな顔が見たいと思った。   
普段は怒ってる都の顔を、まろんさんに向ける笑顔のように、俺に向けて欲しかった。  
早く、でてこないかな‥  
 
かちゃっ  
 
都がバスルームから顔を覗かせた。  
 
「‥シャワーありがと。 水無月も早く入りなよ、風邪ひいちゃうわよ‥」  
俺の服を着て、だぼだぼの裾を踏みながら歩きにくそうにこちらへ向かってくる。  
顔を赤らめ、少しゆがんだその表情を見たとき、俺は都の腕もひっぱり、抱き寄せていた。  
「み、水無月っ!やめなさいよっ! やぁ‥」  
きつく抱きしめた。 きっと都は苦しかったろうと思う。 でもそのときはそんなこと考えてる余裕なんかなかった。  
「都‥俺のこと、キライか?」  
少しの間の沈黙。 困ったようなか細い声で彼女が沈黙を破る。  
「き、嫌いでは‥ないけど‥」  
「じゃぁなんでいつも冷たいんだよ‥」  
また少しの沈黙。 彼女なりに言葉を選んでいたのかもしれない。  
「べ、別に意味はないけど‥ただ‥」  
「ただ?」  
「‥水無月があんなこと言うから‥」  
あんなこと‥ あぁ‥ 俺が気持ちを伝えたことか。  
「俺はただ都に自分の気持ちを知って欲しかったんだよ。 あの時は答えを求めないつもりでいたけど、  
今は都の気持ちが知りたい。」  
俺は半ば強引に都に答えを迫った。  
「なぁ? 俺、大切にするよ。 絶対都のこと守るから‥ 俺は名古屋くんみたくは強くないけど、  
俺にできる限りがんばるから‥」  
哀願するような俺の声。 眼鏡がはずれているっていうのに、地が出たんだろうか。  
「‥水無月のこと‥嫌いじゃないの、でもね、自分の気持ちがわからなくて‥」  
わからない? 俺はその意味がわからないよ。  
「まだ名古屋くんが好きってこと?」  
「違うの。 稚空は‥もういいの。 私、最近おかしいの‥   
あんなにいつも冷たくしてるのに、内心水無月が後ろのいてくれるとほっとするの‥」  
都‥ それって‥  
 
「愛の告白?」  
「違うっ! わからないって言ったでしょっ‥」  
俺は身体が増して熱くなっていくのを感じた。  
「都‥」  
強く抱きしめていた腕を緩め、俺は都の顔を俺の顔に近づけるように彼女のあごに手をそえた。  
少し見つめあって、ゆっくり顔を近づけていくと、寸前で都の顔が左にそれた。  
「恥ずかしいでしょっ‥」  
耳まで赤くしている都の顔を、有無を言わさず俺に向け直し、そのまま強引に唇を奪った。  
「んふっ‥」  
最初は苦しそうな顔をしていた彼女も、少しずつ俺に唇を許す。  
俺は一際激しく彼女の唇を貪ると、そのまま後ろのベッドへ押し倒した。  
 
しばらく都の唇を堪能したせいで、俺の欲望はまた一際大きくなる、それは痛いくらいに‥  
顔を少しずつ下げて、首や胸を服を脱がさずに優しく愛撫する。  
初めは少し抵抗を見せたが、そのたびに唇を塞ぎ、彼女をなだめるようにほっぺやおでこにキスをした。  
Tシャツのなかに手を入れると、俺の手から溢れんばかりの胸の上に  
小さく、いや、普段よりは大きく存在を主張する乳首。  
そうだ。 下着は濡れたからつけてないのか‥  
このまましばらく時間をかけるつもりだったけど、もう服を脱がさずにはいられなくなった。  
さすがに下に手をかけると「やぁ‥」なんて可愛い拒否もしたが、構っている余裕などそのときの俺にはなかった。  
 
都を一糸まとわぬ姿にし、俺の興奮はさらにたかまる。  
彼女の初めて見るそこは、少しだけ濡れていたと思う。  
そして理性の壺だと思った。 壺を指で満たしてやると、溢れ出る愛液。 「んんっ‥」  
身をよじって壺を、いや、理性や本心までも隠そうとする都。  
愛撫も早々に、俺は欲棒、もとい欲望が抑えられなくなった。  
「都‥いい?」  
「‥」  
都は恥ずかしそうにこくり、とだけうなずいた。  
 
俺は彼女のそこにあてがい、少しずつ、互いの気持ちを確かめるように一つになった。  
途中都は苦しそうに俺にしがみついたが、中断を口にすると彼女自身の口から  
「いいの‥ 早く‥」  
という夢のような台詞が聞けたりした。  
都を気遣いゆっくり動いていた俺は、少し余裕があったので彼女の反応の一つ一つを楽しんだ。  
痛みで顔をくしゃくしゃにしている都。 少しずつ俺を迎え入れる都。 俺にしがみつく都‥  
そんなことを考えていたら腰の速度が無意識に速まってしまい、再び都の顔がゆがんでしまっていた。  
しばらくゆっくり動いていたけど、そろそろ俺自身も限界だった。  
「ねぇ都。 少し早くしていい?」  
都はうんいいよ、と言って俺にしっかりしがみついた。  
だいぶなれたのか、時折「はぁあっ」「はっんん」と甘美な声もあげるようになった。  
そんな声出したら俺すぐいっちゃうよ‥とか思いながら、都の普段聞けないような声を記憶に焼き付けた。  
その後眼鏡有の俺がネタにつかったのは言うまでもない。  
 
「都、そろそろ‥」  
限界だよ、と耳元で囁く。  
「ん‥」  
と言う答えを聞き、さらにスピードを速める。  
「あんんんっ!!」  
都の声のトーンも徐々にあがっていく。  
「都っ!」  
俺は彼女の白いおなかに見た目は白い、欲望の液をはきだした。  
 
‥しばらくベッドで抱き合っていたが、都が  
「お風呂、入らなくていいの?」  
と言い出した。  
すっかり忘れてた‥  
‥「一緒に入る?」  
「「「‥うん。」」」  
END  
 
 

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