灰音は皇帝私室のカーテンのうらに座り込んでいた。
(マオちゃんと、ケンカしちゃった・・・)
まおらは男だった。そんな事実を知った灰音は、まおらを避けるようになってしまった。
閑雅はまだ来ていない。5時限目をサボったからだ。
ギイ・・・
(だれか来た!閑雅様だわ!)
灰音は息を殺した。見つかったら絶対に嫌われる。
(?だれかもう一人いる・・・?)
潮だった。2人はカーテンのすぐそばの書斎の机に腰掛けた。
(あれ?潮、皇帝私室に来る事なんて滅多にないのに・・・。)
「灰音はどうなんだ。」
(ええ!?私!?何かしたっけ〜!?)
潮の凛とした声。
「あいつとはまだだ。」
「私は練習台か?」
「そう言うことになるな」
「フン・・・いいだろう。」
(はっ!もしやシンデレラの劇の練習かな?もしかして閑雅様、私と練習するのが恥ずかしいとか!?)
バタッ。
閑雅は書斎の机に潮を押し倒した。
(はにゃ!?あんなシーンあったっけ!?)
「紫陽花の君。適当にいやがれよ。」
「わかった・・・」