月のない真っ暗な夜
シンプルな作りの広い部屋に押し出すようなか細い声が響いていた。
「ん…っあ…」
重なり合っている大きな影と小さな影
真っ白なシーツに小さな体を埋めている少女の名前は香宮灰音…いや正確に言うと今は“乙宮”灰音である。
まだあどけなさの残る少女はつい最近養女として乙宮樹、少女の上で律動を繰り返している男に引き取られたのだ。
融資を受ける代わりに…灰音の父が何を思い養女にしたのかはわからない。
しかしまだ10歳の灰音の心に大きな傷を残すには充分な出来事には違いなかった。
そんな傷心の灰音を始めは優しく接していた樹だが日を追うにつれ徐々に牙を剥き始めた。
一緒に眠るだけだったのに、段々と灰音の体に触れてゆく樹、灰音自身は気のせいか自分が過剰になっているだけなのだと思い気にしないよう心掛けていた。
いや、本音は認めたくなかっただけなのかもしれない。
自分を引き取ってくれた優しい人が本当は悪魔だということを…
そしてある晩唐突に体を引き裂かれた。
成長しきっていない未熟な体は酷く男を拒絶する。しかし樹はそれでもやめようとはせず荒々しく灰音の体を犯してゆく。
つづきます