「潮…、大好き」  
灰音はずっと言いたかったことを潮に伝えた。  
「私もだ…灰音」  
抱きしめあい、すごくいい雰囲気になっているふたり。  
「灰音。…しよう」  
灰音はとても驚いた。まさか、そんなことを言われるとは思ってなかったから。  
「えっっ!?ちょっ、ちょっと潮!私たち、女の子同士だよ?いいの?」  
「それでもいい。私は、灰音が好きだから」  
灰音は躊躇した。確かに、自分は潮が好きだ。でも、安易にしていいのか迷う。  
少し、少しだけ、高成への未練も残っている。だけど、その未練を断ちきれるのなら…。  
「いいよ、潮。しよう」  
「灰音…」  
痛くでも、つらくてもそれでもいい。潮が好きだから。  
 
そして、灰音は潮に優しく押し倒された。ふわりと口づけをする。  
甘い甘い蜜の味。とても幸せ。初めてではないけど、「特別」な口付け。  
この幸せがいつまでも続けば良いと灰音は幸せの中で思った。  
                            つづく  
 
 

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