600年前、敵同士でありながら恋に落ちた火の一族の勇者天神と、地獄の暗殺者水貴…。
しかし、水貴は姉の樹里の手にかかり、愛する天神の中に封じ込められてしまったのだ。
それからというもの、天神は心を閉ざし悲しみと憎しみを抱え、未だに水貴を忘れられずにいたのだった。
そして現在、天神は復活した地獄のニニギを倒すため、同じ火の勇者、火眼と昴とともに旅をしている。
満月の夜。天神はひとり、水貴を思う。
のどかで、村人達の活気が溢れる昼と違い、今は月明かりだけがうっすらと、誰もいない闇を照らしていた。
火眼とスバルが傍らで寝息を立てている。
「水貴…」
水貴のことを想わない日は、600年間一度たりともなかった。
水貴の裸体を思い描き、欲を満たすのが天神の密かな日課だった。
しこしこしこしこしこしこしこしこしこしこ………
こすこすこすこすこす…
声を出さないように夢中で行為にふける。
「うっ…」
ぴゅっ
どぴゅっ
「はああああ…」
服を直し天神は何事もなかったように床につく。
アグニ「私はすべてを見ていました」