凛鈴は、将軍の墓へと足を踏み入れていた。  
地上にはよみがえった死体たちが暴虐の限りを尽くしている。  
盗掘犯が墓を荒らしたために成仏できない魂が魔物へと変貌したのだろう。  
また、この墓には、かの悪名高き血霧邪尊が身を隠しているという情報もある。  
身寄りのない凛鈴を引き取り、15年間慈しみ育ててくれた義父のためにも早く名をあげたかった。  
しかし、普通に考えて年端もいかない小娘が立ち向かえる相手ではない。  
だが、情報屋の真影が言うには血霧邪尊は正派の手だれの者に深手を負わされここへ逃げ込んだらしい。  
虫の息の者を捕らえるのはいささか良心の呵責を覚えないではなかったが、手っ取り早く名を上げるには仕方あるまい。  
明るい陽光の下に出てきた僵屍たちはむしろ滑稽でさえあったが、薄暗く静まり返った墓内部は不気味そのものである。  
<P>義父のためになろうと幼き頃から剣の修行は欠かさなかった。力は男にはかなわぬものの、生まれ持った身のこなしで  
同年代の少年たちとも同等に渡り合えた。女子供と甘く見られぬために短く切った髪と勤めて作った無表情のために男女とからかわれることもあった。  
だが、いかに男顔負けの女剣士もやはり暗闇とオバケは怖かった。  
「血霧邪尊さんいますかぁ〜・・・」  
 
勇ましく乗り込んだもののやはり怖い。生きている人間ならば悪逆非道と恐れられた血霧邪尊でさえも旧知の友のように感じられるだろう。 
朽ちかけた通路の両側には沢山の石像が置かれている。 
どうやらここに弔われている将軍の生前の姿を模したもののようだ。 
丈たかく立派な体格で、洛陽の師範といい勝負だろう。 
腰には立派な装飾の宝剣が下げられている。 
「!!」 
何者かの気配がして振り返ったが背後の闇には何の変化もない。 
おおかたネズミか何かだろう。 
あまりに神経過敏になりすぎているおのれに一つため息をついて前方へと視線を戻した。 
「っっ!!」 
目の前が暗闇とは違った闇に包まれた・・・ 
 
 
頭が痛い。ずきずきとして涙がにじむ。どこかに頭をぶつけただろうか・・・  
と、その時冷たい感触に我に返った。  
凛鈴は生まれたままの姿になっていた。  
何故?腰の辺りに冷たい感触がある。首をめぐらして見るとそこには・・・  
一糸まとわぬ少女を抱えていたのは将軍の石像であった。  
どういうこと??  
暗闇に目を凝らすと他にも何体もの将軍像が動き回っているようだ。  
そして娘は見てしまった。将軍像の腰あたり、猛々しいものが屹立しているのを・・・  
娘とて男性器を見るのは初めてではない。一つ屋根の下男も女も区別なく暮らしているのだ、何かの拍子に見てしまうことも少なくなかった。個人指導と称して師範に無理やり犯されたこともあった、兄弟子たちの暇つぶしに輪姦わされたこともある。  
しかし・・・  
将軍像のそれは今まで見た中でも群を抜いて巨大だ・・・  
下半身に冷たく硬いモノが当る感触に我に返った。そして、唐突に将軍像の目的を理解した・・・  
「いやっ!そんなの無理っ・・・」  
逃れようと身をよじったその時、巨大なモノは肉を割って進入してきた。  
「ひ、ぎゃぁっ!!」  
石鎚で頭を強打されたような衝撃・・・娘の秘所は巨大な石の塊を受け止めきれずに裂けたようだ。太ももを生ぬるいものが伝う・・・  
「嫌っ!痛いっ痛いぃぃ〜〜」  
容赦なく突き上げられ涙が出た。どんなに酷く犯されようとも、涙だけは見せずに来た。弱みを握られるなんて真っ平だった。犯されて、モノのように扱われても勤めて平気な顔をしてきた。  
犯されて歓ぶ女だと噂を流され、洛陽の兵士たちをはじめ、洛陽近くに巣食う山賊や義兄弟だちにも毎夜のように犯された。いつしか、凛鈴の身体は犯されることに慣れ、本当に犯されて快楽を感じるようになっていた。  
 
石像には一切の慈悲も感じられない、ただ機械的に凛鈴を犯している。それなのに、巨大なごつごつとした石塊が秘所を穿つたび、子宮を激しく突き上げるたびに娘の口から漏れるのは悲鳴ではなく官能のあえぎ声だった。  
「うん・・・あっ!・・・はぅ んぁぁああ〜〜」  
身体が熱い。自らの身体を引き裂く石塊の冷たさが心地よい。凛鈴は幾度となく絶頂を迎えていた。それでも石塊は硬度を失わず、凛鈴を犯し続ける。  
よだれを垂れ流し、ただ快楽を求め自ら腰を振る女にはすでに武林人の心は無かった。  
四つんばいなり背後から人ならぬものに犯され、自らの手で、胸や秘部を慰める、ただ貪欲に快楽を求める牝と成り下がっていた。  
 
「女とは哀れなものだな。どれほど武人の心を鍛えようとも体は快楽を求める獣でしかない」  
静まり返った墓所に娘のあえぎ声と秘所を穿つ濡れた音以外の声が響く。  
声の主は初老の男だった。墓所の石壁に体を預けている。  
「血霧邪尊・・・?」  
 
「いかにも私が血霧邪尊だ。お主正派のものだな?私を捕らえにきたのか」  
男はくっくっとのどの奥で笑う。深手を負って身を潜めていると聞いたが、それでも男の眼光は鋭く、まったく隙が無い。  
「たかが石像ごときにそのような痴態を見せているようでは、私を捕らえることは出来ぬよ」  
男は自らの衣の裾を捲りあげると、屹立したものを露出して見せた。  
「私を捉えたくば、速やかにここから立ち去り、役人でも呼んでくるがいい、だが、私とともに来るのならば今以上の快楽を約束しよう」  
男は猛々しく天を向いたものをこれ見よがしに見せ付ける。無論、将軍像よりは小ぶりではあるが、成人男性としてはかなり大きいほうであろう。冷たく無機質なものに犯され続けていた凛鈴にとってその肉棒は甘美に思えた。  
石像に犯されながらも獣のように這いずり、血霧邪尊のモノを口に含む。  
グロテスクな男性器を愛おしげに愛撫する。  
「血霧邪尊様・・・」  
娘の瞳は妖しく輝き、正派であった時の表情は欠片も見えなくなっていた・・・  
 
 
 

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