誰もが寝静まる丑三つ時。  
しっとりと冷たい空気に包まれた青葉城の片隅で、月明かりに照らされて動くは、大、小二つの影。  
 
「やっ…やめて…」  
「聞こえないな。」  
必死で抵抗する姫を後ろから抱きかかえ、成実はするすると器用な手つきで姫の着物の帯を解いていく。  
「それに…本当に嫌だったら、もっと大きな声で助けを呼べる筈だ。違うか?」  
そう言うと、成実はにやりと笑って、姫の首筋に顔を埋めた。  
成実の長い黒髪が、さらりと落ちて姫の顔を掠める。同時に、ふわりと薫る男の匂いに、姫の意識は遠くなる。  
「そんな…意地悪な…」  
身を捩じらせて成実の腕から逃れようとする姫だったが、自分より一回り以上大柄な成実に抱きすくめられてしまっては、成す術はなかった。  
それに、夜這いをかけてきた成実に恐怖を感じつつも、強引で凛としたこの男に、少なからずの好意を感じていたのも事実だ。  
恐る恐る顔を上げ、背後にいる成実の顔を見上げる。  
月明かりに照らされて、うっすらと見える成実の顔は相変わらず綺麗だ。その意地悪に笑った切れ長の瞳に、姫の心臓はドキリと大きく脈を打ち、思わず目を伏せる。  
 
「力を抜け。」  
壁際に手をついて耐えている姫に、成実は背後から覆いかぶさるように体を屈ませ、乱れた寝着の隙間からするりと指をしのばせる。  
骨ばった指先が胸の先端の蕾に触れると、  
「ひゃぁっ」  
突然の甘く鋭い快感に、姫は思わず悲鳴をあげた。  
「良い声で鳴くじゃないか。…そそるねぇ。」  
姫の反応を見て、嗜虐心に火が付いた成実は、満足そうに桃色の突起を弄ぶ。  
同時に、姫の太ももの間に自分の膝を割り込ませると、膝をぐっと立てた。  
「あっ」  
成実の脚に押されるようにして、姫の腿はぐいと開かれる。  
背後から、胸を弄られ、脚を開かされた姫は、羞恥心と胸元の快楽が交じり合って思わずため息を漏らした。  
そんな姫の太ももに、成実の指先が容赦なく絡みつく。  
「ひゃぁっ」  
寝着をたくし上げるように、成実は下から上へと、姫の脚を撫で上げて行く。  
そして、そのまま、指は蜜壷へ。  
「ぁん…」  
先程からの愛撫により、十分に蜜で溢れ返ったそこは、成実の指の侵入を容易に許してしまった。  
ちゅぷっ…  
「ゃ…あっ…」  
少々強引な成実の指の動きも、その全てが快楽に変わる。  
がくがくと震える足腰に、姫は自分の体を支えきれなくなり、体重を壁に預けた。  
「感じている顔もまた、美しい。」  
太ももと胸を襲うぴりりとした快感に耐えようと、壁に爪を立てて小さく震えている姫の顔を覗き込むと、成実は満足げに微笑んだ。  
姫の白い肌は桃色に蒸気しており、大きな瞳はしっとりと濡れている。  
先刻成実の口付けによって攻め立てられた唇は紅く、溜息の漏れるままに、僅かに開いていた。  
「俺以外の男に、そんな表情を見せるなよ?」  
色気のある低い声。  
囁かれるだけで、背中からぞくっとした甘い痺れが襲う。  
「全身で、愛してやろう。お前に極楽を見せてやる。」  
そう言うと、成実は蜜壷を弄っていた指をすっと引き抜くと、  
じゅぷ…  
ゆっくりと、自分の腰を姫の中に沈めた。  
 
 
「!!!!!」  
突然の、引き裂くような痛みに、姫は体を反り返らせ、声にならない悲鳴をあげた。  
内側を抉るように侵入してくる成実のそれは気が遠くなるほと大きい。  
「っ!」  
痛みに耐えかねて、再び悲鳴をあげそうになり開いた姫の唇に、  
「んんんっ」  
成実は姫の口元を片手で抑えると、強引に自分の人差し指を唇の中に突っ込んだ。  
「声を出すな。すぐに良くなる。」  
耳を甘噛みしながら、成実が囁く。  
上からも、下からも。  
成実に侵入され、支配された姫は、その屈辱的な格好に恥かしさを覚えながらも、次第に痛みが快感に変わってくることを認めざるをえなかった。  
「んんっ…んー…」  
口に指を含まされて喋れない姫の首筋から、うなじ、肩へ。成実はゆっくりと口付けをする。  
姫の体が自分のそれを受け入れられるまで、成実は腰を打つことはせず、もう片方の指で、姫の胸の蕾と、秘球をくりくりと弄ぶ。  
その指先はとても優しく繊細で、先程までの強引な男のそれとは思えない、優しい手つきだった。  
 

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