※このネタには、微量ながら近親相姦な空気があります。苦手な方はスルーでどうぞ。
「やっほ〜!ただいま、詩月!」
ああ、明るい笑いを振りまいて階段を上がってきたね、姉さん。そろそろだと思っていたよ。
「うん。おかえり」
すぐに笑顔で返す。きっと力なく見えるだろうが、少しでも元気な風に見せないと、
この人はすぐに心配そうな顔をしてしまう。そんな顔は見たくない。
それに、僕が笑顔で返せば、
「よっし、元気でよろしい!!」
こうやって、精一杯の笑顔を見せてくれる。それが嬉しい。
「いやぁ、今日も特訓が辛かった!でも、どんどん強くなってるのがわかるよ!なんとなく」
体を僕と反対に向け、顔だけこちらに向けたまま、服を脱ぎだす。
毎度ながら驚く。僕も男なのに、そんな魅力的なサラシ姿を、見せないでくれ。
「伽月、サラシちょっと緩いよ」
「え?あ、ほんとだ。…でもどうせ汗かいたからー…あ」
なんとかサラシを解こうとする手を押さえた。姉さんは、僕が急に立ち上がって驚いたみたいだ。
手、細くはないけれど、凄くすべすべしている。指だって、グローブなんかつけるから、
余計殴っちゃうんじゃないか。小さい頃は僕より細かったのに。傷が幾つも付いてる。
「はあ…、伽月の無い胸なんか見たくないよ?」
「なっ…!こらっ!詩月!今のは聞き逃せないぞ!!」
「ゴホッごほっ…暴れないでよ、伽月。」
少し、埃が舞った所為で咳がでた。おとなしく布団に戻ると、途端に姉さんが申し訳なさそうな顔をする。
「あ…、ごめん。…大丈夫?」
そう言って、膝をついて布団の横に四つん這いになって僕の顔を覗きこむ。
「大丈夫だよ、多分。…それより、伽月どっかいくんじゃないの?」
そっぽを向きながら聞いてみる。さっきから妙に嬉しそうだった。
「え?あ、うん。イナミンで遊んでくる」
「いってらっしゃい」
僕は姉さんが好きだけど、きっと姉さんの心は別の人に注がれているんだろう。
ばらっ・・・伊波君だろうなあ…。