「なんか、天気悪くなってきたね」  
僕らは映研の合宿を終え、伊達先輩主催のオリエンテーリングの真っ最中…なのだが…  
由紀の言う通り、天気が少々悪い。  
「山の天気は変わりやすいからね…このまま雨にならなきゃいいけど…」  
「だねぇ〜。…そういえば、私達何かと一緒に行動する事多いよね〜」  
言えない。クジいじって一緒になるように仕組んだなんて言えない  
「私、一人の時以外は草凪くんといる時間が一番長いかも…どうかした?なんか目が泳いでるけど」  
「な、なんでもないよ!?アハハハハ…」  
「そう?ならいいけど…」  
そう言うと、七瀬さんは『なんか怪しいんだけどなぁ』と言いつつも追求するのを止めてくれた。  
――二人で山道を歩きながらたわいもない話をする――  
月光館に来てからと言うものの、退魔に始まり、体育祭、天照への帰省、今回の映画撮影…  
休む暇なく動き回っていた僕にとっては、この時間はすごく癒される。  
ふと、隣を歩く七瀬さんの顔を見つめる。  
少し垂れた瞳と、特徴的で思わず触れたくなる唇。栗色の柔らかそうな髪。  
いつも見てるはず…だけど、改めて見ると七瀬さんはすごく…  
 
「??どうしたの?私の顔じ〜っと見ちゃって。あ!さてはみとれてたな〜」  
「うん…綺麗だな…って思って見てた」  
満面の笑顔で僕をからかおうとしていた七瀬さんの顔が一瞬呆けたような顔になる。  
その直後、火を噴くかの勢いで真っ赤になる七瀬さん。  
「ず、ずるいよっ。いきなりそんな事言われたら照れちゃう…反則っ」  
そう言って唇を尖らせてる姿も可愛くて、思わず笑みが溢れる。  
「もうっ、あんまりからかわないでよねっ」ポタッ  
「ん?」  
ポタ…ポタポタポタッ  
「ヤバい、雨降って来た!雨具持って来てないし…七瀬さん、次の神社までどのくらいある?」  
「う〜ん…地図だと……今ちょうど前の神社と次の間くらいの所にいるから…結構かかっちゃうね」  
戻る訳にもいかない。しかしここで考えてる間にも雨足は強まる一方…どうにかしないと…  
「草凪くん、あれ!」  
七瀬さんが示した先には、雑木林に隠れて殆ど見えないが小さな洞窟のような物が見えた。  
「よし、一先ずあそこで雨足が弱まるまで雨宿りしよう。」  
「うんっ」  
 
――ザアアアァァ――「ふうっ…草凪くん大丈夫?ここに入るまでに随分濡れちゃったね」  
「だね…こんな急に降るなんてね」  
 
「だねぇ…あ、そういえば私タオル持ってるや。草凪くん、使って」  
「いやいや、先に七瀬さん使ってよ。借りた上に僕が先に使ったら悪いじゃん。」  
「いいよー。それに…あの…使った後の私の汗とか…気になるし…ね?」  
なるほどね。女の子はやっぱりそういう事気にするもんな。  
「でも…その……目のやり場に困るからさ……」  
そう。今、七瀬さんの制服は雨に濡れて若干透けている。  
透けている訳だから当然見えている。ピンク色の可愛らしい下着が…  
しかも濡れている事により、制服が肌に張り付いてより扇情的な光景になっている…  
「???」  
だが七瀬さんはまだ分からないようだ…正直口に出すのは憚られるが…  
「あの…下着が透けて見えてて……」  
「!!!?やだっ!草凪くんのエッチ!」  
バッ――すぐに手で胸を覆い隠し、顔を真っ赤にしながら僕を睨んで、その顔のまま聞いてくる。  
「……先にタオル使っていい?」  
ああ、やっぱり可愛いなぁ…そんな風に思ってる事は臆面にも出さず、僕はもちろん快諾した。  
「身体拭きたいから…ちょっとだけ後ろ向いててくれる?」  
「うん、いいよ」  
「…絶対後ろ向いててね?」  
「分かってるって」  
 
僕はどこぞのエロゲー主人公ではないので大人しく後ろ向いてますよ。ええ。  
シュル…シュルシュル……  
……欲望には負けない子なんです…!ここで振り向いたらダメなクラスメイト確定だ、耐えるんだ…!  
「キャアアア!!」  
「どうした!?」  
僕は即座に振り返る。…不可抗力だ、あくまで不可抗力。異論は認めない。  
そこには上半身は下着だけの七瀬さん(当然だが)と…天魔!?  
すぐに頭を切り替え、今にも七瀬さんに噛みつこうとしている天魔と七瀬さんの間に割って入る。  
GAAAA!!  
天魔の牙が僕の太股に食い込む。  
その痛みを無視してそのまま術法に移る。  
「千紫っ!!!」  
自分を中心とした比較的小さな範囲、しかしその分高密度で、鋭利な枝葉が天魔を切り裂く。  
一瞬にして天魔は消え去った。暗がりの中での出来事だ、七瀬さんも何が起こったかは分からないだろう。  
「…もう大丈夫なの?」  
後ろで七瀬さんが不安そうに座りこんでいる。  
突然の事だ、いきなり襲われて驚いたんだろう。  
「また助けてもらっちゃったね…」  
「気にしないで。これが男の務めですから。……っ!!」  
――まずい  
「!!八雲くん!脚怪我してる!」  
 
ばれてしまった…。  
花見の時も実力不足から七瀬さんに心配させてしまって、今回も心配をかけてしまった。  
「僕の傷はいいから、早く服をき…」  
「良くないよ!…私のために怪我しちゃったのに……ほっとける訳ないじゃない…」  
そう言って、上だけ下着姿のままかけよってくる。  
気遣ってくれるのは嬉しいけど…まずい、そんな姿見せられたら……  
「八雲くん、傷口見せて。さっきの蛇、もしかしたら毒あるかもしれない」  
「だ、大丈夫!毒とか感じないしそのっ!」  
「何恥ずかしがってるの?とりあえず消毒とかしないと!ほら、脱がすよ?」  
無理矢理横にされ、強制的に脱がされる。  
「あ……」  
七瀬さんのズボンを脱がす手が止まる。  
あぁ…見られてしまった…七瀬さんの下着姿を見て欲情してる自身を…  
最悪だ……軽蔑されるんだろうなぁ…  
絶望にうちひしがれながら無言の空間で天を仰いでいると七瀬さんが口を開いた  
「……八雲くん、私の下着姿見て興奮してるの……?」  
「うん……ごめん」  
「………傷口、消毒するね。」  
そう言って七瀬さんは僕の股の間に顔を埋め、傷口―僕の太股―を舐めた。  
突然の感覚に驚き七瀬さんを見る。  
「な、なな何やってるの七瀬さん!?」  
 
七瀬さんはいつもより何倍も赤くなった顔で、僕を見上げながら小さく『消毒…』と呟いき、  
僕の下着の上から、僕自身に舌を這わせ始めた。  
「もういいよっ…!だから止めて…!ね?」  
「……八雲くんは、私じゃ嫌??」  
顔上げて、どこか悲しそうに尋ねてくる。ん…?なんかおかしい…?――『八雲』くん?―― 「いつから僕の事名前で呼ぶようになった?」  
「さっき怪我見つけた時…ホントはね、体育祭終わった後から名前で呼びたかったの…  
でも、タイミング掴めなくて…どさくさに紛れて呼んじゃった…ごめんね?」  
「や、名前で呼んで欲しかったからそれはすごく嬉しいけど…」  
「ホント!?」  
「う…うん……。だけど、いきなり人が変わったみたいに、その、やらしい事するから… どうしたの?」  
「…助けてくれたからお礼にと思って…」  
「それで好きじゃない人にもそんな事したの?」  
「違うもんっ!………私、八雲くんが好き。…だから、初めてで全然分からなかったけど、したの…」  
顔を真っ赤にして、恥ずかしいのかうつむきながら喋る七瀬さんを抱き寄せる。  
「幸せだね……好きな人と相思相愛になれるのって…」  
「え?それってつまり…」  
 
…いざ言うとなると照れるな…でも七瀬さんも言ったんだから僕も言わないとね。  
「……うん。僕も七瀬さんが…好きだよ………。」  
輝かんばかりの笑顔で、七瀬さんが僕の上ではしゃぐ。初めてこんな姿見たや。  
一通りはしゃぎ終わった七瀬さんが、ふと思い出したように呟いた  
「『七瀬さん』じゃなくて『由紀』って呼んで…?」  
「…由紀…大好きだよ……」  
「ん…」  
どちらからともなく、僕らは唇を重ねていた。  
「んっ……ぁ……ふぁ……」  
由紀が上に乗ったまま、僕が由紀の口腔をゆっくりと、探るように舐める。  
由紀も初めてながら、チロチロと僕の舌を舐めている。  
「ぁ…ふぅ……ぁ…」暫くして、慣れてきたのか僕が舌を入れると懸命に自分の舌を絡ませてくる。  
お互いの唾液が混ざり合い濡れた由紀の唇と、恍惚に染まった顔を見て更に興奮が高まる。  
「ゃん……やくもくんの、が………したでうごいて……る」  
名残惜しいが舌を抜いて由紀を見つめる  
「好きな人とキスしたら当然こうなっちゃうよ」  
「そうなんだ…ねぇ、さっきの続き、していい?」  
 
「いいけど……無理にしなくていいよ?」  
「無理にじゃないからいいのっ」  
そう言って僕の上に寝そべった体制から、そのまま下に降りて行く。  
「パンツ脱がすね……うわっ、おっきい……あとちょっとくさい…」  
「ホント無理しないでも…」  
「だから大丈夫だって。…好きな人のだもん。したいくらいだよ…」  
そう言って、恐る恐る舌で茎を舐め始めた。「ん…気持ちいい?」  
「うん、気持ちいいよ…。出来れば先端の方も舐めてくれるかな?」  
「ここ?うん…いくよ…」  
ピチャ…ピチャ…  
猫が舐めるようにする姿は男の劣情を刺激する。  
そして何より上半身は下着だけ、下半身は制服のスカートのままと言うアンバランスな姿も  
僕をより興奮させた。  
「ぁん…またおっきくなった……んっ……ぷぁ……はぁ……はっ…ん」  
グチュ…グチュ……ジュ…最初のただ舐める行為から、先端をくわえ、拙いながら徐々に上下に動き始めた由紀は、この行為に没頭しているようだった  
「やくもくん……きもちいふぃ…?」  
「うん…!ヤバ、ちょっと限界かも…!」  
「ん……だしていいひょ?んっ、ん……ふ…!?んんんんっ!!」  
由紀の口の中で、許可をもらってすぐ果ててしまい、結果由紀に飲ませてしまった…  
 
「けほっ…けほっ!……う〜…苦い」  
「ごめんね?なな…由紀」  
「もーっ。飲ませた事は…飲んでみたかったから許すけど、今度七瀬さんって呼んだら怒るからね?」  
「ごめんごめん、つい癖で…」  
「だーめっ。……罰ゲームだっ」  
チュッ――こんな罰ゲームなら大歓迎だ。  
僕もお詫びに、今度は由紀を下に寝かせる。勿論、下は岩肌なので僕の制服を下に敷くけど。  
「…全部脱がすね……」  
「……うん」  
一糸纏わぬ姿の由紀は、顔は真っ赤に染まっているが、肌は陶磁器のように澄んだ色をしている。  
「由紀…胸の手、どけて……」  
「う、うん…」  
そこには手に収まる程度のちょうどいい大きさの胸があった。  
もちろん、男としてすべき事をする。  
「やっ…!ぁ……ふぁ……あたし…いまやくもくんにっ……!胸……んっ…揉まれて…るっ…!」  
白く、触れるだけで壊れそうな由紀の胸…自分の手の色とのコントラストが、今由紀を抱いていると実感させる…  
僕に胸を揉まれて喘ぐ由紀が愛しい。寒さでより敏感になった肌も、興奮からかしっとりと汗ばみ、僕は更にエスカレートした…  
「んあぁ!…な、めちゃ…や…あぁん!…ぉ…かしくなっちゃ…うんっ…!」  
 
「いいよ…おかしくなって……僕に由紀の恥ずかしい姿見せて……」  
「やっ、やっ、や…きちゃ…きちゃう……あぁん!」  
スパートをかける。右手で右胸を、舌は左乳首を、左手でクリトリスをいじっていく  
「やっ!あっ!あぁ…はっ、は、やっ!ゃ…きちゃ…ああああぁぁ!!!」  
ビクッビクッ!  
由紀の身体がのけぞる。イッたのだろう…いつもとろんとしている瞳が更に艶やかに潤っている  
「やくもくんで…イッちゃった……」  
「由紀……今度は一緒に……」  
「うん…来て……ちょっと怖いけど」  
舌を出して冗談めかしても、やはり怖いらしい――  
「…優しくするから……」  
「ん…信じてるから大丈夫……入れて?」  
先ほどの愛撫で、由紀の秘部は十分濡れそぼっている  
僕は由紀の股の間に入り由紀に覆いかぶさり、俗に言う正常位の体位になり  
緊張しつつ初めて女性の秘所に自身をあてがい由紀の顔を再度見つめる  
「いくよ…」  
「うん…」  
ズブ――  
「くぅぅ!」  
「だ、大丈夫?」  
「だ、だいじょうぶだから……いいよ」  
長引かせて苦しめたくない。その一心で、一気に貫いた  
「あああぁあぁ!!?」  
目をぎゅっと瞑り、目尻には涙を溜めて我慢している姿を見て僕は自然と由紀の涙を舐めとっていた。  
 
「僕達、一つになったんだよ…」  
「うん…嬉しい……」ちゅ…唇が一瞬触れ合うだけのキス―けどそれは最も大切なキス―  
そうして僕らは暫くつながったまま抱き合っていた。由紀の痛みが引くまでは、と。  
「やくもくん……もう大丈夫だから…その、動いて………」  
真っ赤になった顔を横にそらし、おねだりする。正直僕も我慢の限界だった  
「なら、いくよ」  
「うん…あっ!やっ!いきな……っ…んあぁ!はげし、ぃよ……!ぁん!」  
ズチュズチュズリュ―  
淫隈な音が岩場に響き、下手すれば山道まで聞こえるかと思わせるような大音響だ  
「や…ぁん!ゃらしぃおとがぁ……はずかしっ……!んんんっ!」  
「由紀……!由紀のやらしい声…もっと聞かせてっ…!!」  
「ぅん…うぅん!うぁ!やくもくぅん!もっと…はぁん!……もっとちょうだい!」  
「うぁ…締め付けが…すごっ…!」  
このままだと先にイッてしまう。そう判断して僕は由紀の弱点である胸を鷲掴んだ  
「やぁぁん!?むねっ…はっ……ぁ!ゃ、や……イッちゃ…う!…イッちゃうよぉ…!」  
「僕も…イくよ…!」  
「ぅん…!いっ、しょに…!イッちゃ……あ、あぁ…あ!もっともっともっと!!」  
 
「イく…!」  
「イ、イッちゃ…あああぁあ!!!」  
ドク…ドク…ドク…ドクン  
「いっぱい…ふぁ…出てる………」  
「………はっ、はっ…」  
「………八雲くん…大好きだよ」  
「俺も…大好きだ……」  
その時僕らは、自然と抱き合っていた…  
 
 
<完>  
 

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