桔梗は悩んでいた。  
階段の目の前にはバナナの皮  
ふんずけてスッ転べば、ベタなギャグに爆笑間違いなし・・だが場所が悪い。  
階段の上に置いてあるバナナの皮をふめば高確率で怪我をする  
「困りましたね」  
普通なら避けて通るか、危ないのでごみ箱に捨てるのどちらかだ・・・しかし  
ここで無視するのもなんとなく後悔しそうな気がする・・  
「・・・よし」  
意を決っしてふんずけることにしよう。怪我を恐れて笑いがとれるか!  
バナナの皮をふみ思いっきりすべった。  
 
「桔梗さんいないね」  
「どうせ道にでも迷ってんないか」  
八雲は総代に頼まれて結崎と一緒に時間になっても執行部の集まりに  
顔をださない桔梗を探しに校内をうろついていた。  
「上の階も探す?」  
「そうだな、片っ端から探したほうがいいだろうしな」  
八雲が先頭に階段をのぼっていくと  
「や、八雲さま!あぶな・・・」  
「え?桔梗さ・・・んっ!?」  
桔梗が落ちてきた  
「「うわぁあああああああ!!」」  
桔梗は八雲を巻き込み転がっていった  
「うわっと!あぶねー」  
そしてちゃっかり避ける結崎  
八雲と桔梗は二人仲良く転げ落ちていった  
 
「あら、理緒さん」  
「あ、南宮さん」  
「桔梗見なかったかしら?」  
「水間谷さん?さあ見てないけど」  
「そう、やくもん達にも頼んで探してるんだけど・・まったく桔梗たら一体どこに  
いるのかしら」  
「?階段のほうに人が集まってるみたいだけど・・・」  
「行ってみましょうか」  
               *  
「な!!やくもんが・・・」  
「やくもんと桔梗が・・・」  
「「キスしてる!!?」  
階段から一緒に転がった勢いで八雲は桔梗に覆い被さるように桔梗の唇を奪う  
形にてしまっていた  
「「!!?」」  
「わ、ご///、ごごごごめんなさい」  
すぐに慌てて桔梗から離れた  
「い、いえ・・・こちいらこそ」  
桔梗も顔を真っ赤にしてすぐに距離をとった  
「うわーうらやましいぞチクショー」  
「な!べ、別に今のは」  
からかう結崎に反論しようとしたら後ろから鬼王レベルの殺気を感じた  
「別に・・・なにかしら?」  
「公共の場で・・なにしてんのよ!」  
美しい鬼王二人発見  
「いや、あの・・今のは事故というか・・って事故だよ!事故!」  
「「問答無用!!」」  
「ひいぃーーー!」  
 
 
次の日から大変だった。学校中で噂になるし、結崎にはからかわれるし  
女性陣から最低呼ばわり・・・事故なのに  
でも一番問題は  
「「あ」」  
「あ、あの」  
「わ、私用事を思い出したのでこれで」  
「え、ちょっと桔梗さん」  
こんな感じでロクに顔をあわせて会話が出来ない状況が続いていた。  
このままじゃよくないよな  
意を決して桔梗さんとしっかり話し合わないと  
そのためには桔梗さんを呼び出さないと、でもどうやって・・・そうだ  
「で・・・俺が変わりに伝えろと・・・」  
「うん、お願いね剣持くん」  
「フン、くだらない・・お前の問題だろ自分でなんとかしろ」  
予想通り帰ろうとする剣持  
だがここであきらめるわけにはいかない。  
対剣持用秘密兵器をとりだした  
「写真」(にっこり)  
「貴様・・・毎度毎度・・・最低だぞ」  
「場所は終わった後のSGコースの教室でよろしくね」  
「・・・・いつか殺す」  
 
放課後SGコースと執行部の合同訓練が終わり  
みんな帰宅の準備を始めている  
「八雲帰りラーメン食ってから帰んねーか」  
「あ、光もいくーね、ミッチー」  
「いや僕は・・・」  
「あ、僕は用があるから道文といってきて」  
「えぇー!ちょ、八雲くん」  
「えーわかったじゃあね、ダーリン」  
「そっかじゃ、寮でな」  
「放せ二人とも僕はいかないーーー」  
叫びむなしくつれていかれる道文に笑顔で手を振りながら横目で剣持を見た  
(外に出た時によろしくね)  
(なんで俺が・・・)  
(写真)  
(おのれ・・・)  
剣持と目で会話する  
その間0.2秒  
 
みんなが帰ってから約30分ほどしてから桔梗は教室にやって来た  
「あ、八雲さま」  
階段での事故のことを思い出してか頬をほんのり赤くして桔梗は  
八雲の近くまでやって来た  
「あの・・剣持どのから話があると聞いたののですが・・」  
「う、うん、えっと・・・」  
やっぱり事故とはいえキスしてしまったことを思い出してしまい  
体温が高くなるのを感じる。  
今の自分の顔も赤くなってることだろう  
「実は、この前のことなんだけど」  
「そ!そのことでしたら・・・あの・・忘れましょう」  
「・・・え?」  
「い、いえ元々悪いのは私のほうなんですから八雲さまはなにも悪く  
ないのですからお互い忘れて今までどうりに戻るのが賢明かと・・・」  
恥ずかしさからか顔を背けながら桔梗は言った  
確かにその通りかもしれない・・・けど  
「そんなこと・・・出来ないよ!」  
「な、なぜです?悪いのは元々私ですし八雲さまが気にする必要なんて  
ないじゃありませんか」  
「気にするよ!だって桔梗さんのこと好きだもん」  
「!!?」  
 
しまった動揺しすぎてつい本音が・・  
「い、今のは、えっと、あの、なんていうか・・・」  
必死に誤魔化そうとするがいい言葉がででこない  
「・・・・・本当・・・ですか?」  
「え?」  
聞き取るのがやっとなほど小さな声で桔梗は言った  
「そ、その・・私を好きかどうかなんて・・・」  
こうなったらもう腹をくくるか  
「本当だよ。結構前から僕は・・桔梗さんのこと好きだったよ」  
「っ///」  
急に真剣な表情で言われ桔梗は赤面した  
「ご、ごめん気まずくならないように呼んだのに・・」  
「・・・駄目です許しません。困るだけじゃないですか」  
「うっ!えっと・・どうすればいいのかな?」  
どうすればいいのかわからず思わず桔梗に聞いてしまった  
「そうですね・・・ではそこにお座りください」  
言われた通り近くの椅子に座った  
「それではよろしいですか?」  
「あのー一体なに・・・をッ!?」  
 
目の前には桔梗さんの顔があり唇には柔らかい感触がこれって  
「んっ・・・ぷは」  
桔梗の唇が八雲から離れ耳元でささやいた  
「これが私の答えです」  
言い終えると恥ずかしさを隠すように桔梗は背を向けた  
「桔梗さん」  
「はい?」  
油断している桔梗を机に押し倒し唇を奪った  
「!・・・ん、ん」  
桔梗の口の中に舌をいれた  
桔梗も自らなのか抵抗なのかはしらないが舌をからませ  
長く深い口ずけを交わした  
「ん・・・・お返し」  
「・・・・・」  
怒っているのか桔梗は黙ってこちら睨んでいる  
(嫌われたかな・・・)  
「じゃあ・・僕は帰るから・・・・ごめんね」  
立ち上がって帰ろうとしたら制服の裾を掴んでいる手に気ずいた  
「桔梗・・・さん?」  
「謝っても許しません・・・最後まで・・して・・ください」  
 

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