「じゅう…ぞぉっ…」  
無表情の重蔵を見下ろす双葉。  
双葉の白く美しい体の曲線が、蝋燭の灯りで妖しく照り出されている。双葉が身体を動かす度に、重蔵と結合している場所から艶めかしい水音がし、ふくよかな双丘が揺れた。  
「あっあんっ…い…いく…!!」  
双葉がそう叫ぶと、きりきりと重蔵を締め上げて、果ててしまった。双葉が前のめりに倒れた後、少ししてから、重蔵が自身を抜き、精液が双葉の顔に吐き出される。  
双葉は荒げた息を整えてから、精液を拭って、無言で着物を着て部屋を後にした。  
 
 
 
双葉は重蔵の為に尽くしているつもりだ。だが、重蔵はいつも遠くを見ていた。  
 
双葉は、知っている。  
 
重蔵の視線の先にいるのは、双葉ではなく、凛であることを。  
 
 
 
「何であんな餓鬼が良いのよ…」  
双葉は一人部屋に籠もって、星が輝く夜空を眺める。私達黒屋が葉隠れの里を襲撃した日も、こんな空をしていた。  
「胸だって小さいし、美人でもない…なのに…重蔵…何で」  
 
 
 
双葉は、知っている。  
 
 
 
重蔵は凛の強さではなく、体を欲しているのだと。  
 
「あたしは只の代わりってわけか…」  
 
 
「凛に黒屋へ入れ、と言ってこい」  
まだ重蔵は、凛を引き抜こうと目論んでいるのだ。双葉は怪訝そうに重蔵を見遣った。続けて、重蔵は言う。  
 
「入りたくないと言ったら殺せ」  
 
双葉は目を見開いた。  
生かすのではなかったのか。  
しかし、生かす生かさないの問題より、双葉は重蔵の想いの変化に心が躍るようだった。  
「報酬要らないから、激しく抱いて」  
双葉は着物をはらりと脱ぎ捨て、重蔵に寄りかかる。押し飛ばされるのを覚悟したが、重蔵は服を脱ぎ始めた。  
双葉は重蔵の反応に驚く反面、嬉しかった。やっと気持ちが伝わった、と心の中で叫んだ。  
重蔵は双葉を押し倒して、白い双丘を揉みしだく。  
「あ…っ…」  
悩ましげな表情を浮かべ、双葉は重蔵に揉まれる心地よさを感じた。重蔵は妖しく笑むと、指を双葉の中に滑らせる。  
「やっ…ぅん…」  
中は既に熱く、ぬめりを帯びていて、潤滑に指は出入りした。  
くちゅ、くちゅと水音がたつ。  
「何だ、いやらしい体をして…」  
重蔵は指を少しずつ増やし、指を開いたり、曲げたりして刺激を与えた。  
「あん…じゅうぞう…っ…」  
身を捩り、少し抵抗する双葉。  
 
重蔵は指を引き抜いて、糸を引く指をじろじろと眺めた。  
「もうこんなにぬるぬるなのか?酷く淫乱だな、双葉?」  
重蔵が指を舐めてから、双葉の脚を大きく開いた。重蔵が双葉の濡れる穴をじっと見つめる。重蔵に見つめられている、と思うだけで、双葉の穴から愛液が溢れた。  
「水漏れを止めないとな…」  
重蔵は怒涛する自身を穴に押し当て、ぐっと腰を押しつけた。  
 
ずぶっじゅぷぷ…  
 
「はあぁ…っん!!」  
遠慮無く重蔵は双葉の中に侵入してくる。双葉の体中を痛みと快感が走り、双葉はびくびくと痙攣をした。  
一気に最奥部を貫き、直ぐ引き抜き、また貫き…ぱんぱんと肌がぶつかり合うぐらい、始めから激しく貫くのだった。  
「ぁんっあふっうんんっ…まだっ…もっ…あぁん…っ!!もっとぉっ!!」  
双葉は重蔵に指図してしまった。が、重蔵はにやりと笑うと、双葉の腰を掴み、  
 
ぐぷっ…  
 
「んぁ…あっ…!」  
自身を差し込んだまま、松葉崩しの体位にさせたのだった。  
「脚をこんなに開いて…全く随分と淫乱な女だ…!」  
重蔵は双葉の右脚を舐め回し、また激しく双葉の奥を貫き始めた。  
「じゅうぞ…っいいっ…ふあぁっ!!」  
 
ぱちゅっぱちゅっ  
 
「いやらしい…お前の淫乱さが音に表れてるぞ…っ」  
重蔵の煽り文句にも双葉は激しく興奮し、気付けば愛液が畳に染みを作っていた。激しさが段々と増し、水音も最高に艶めかしくなっていく。  
「はぁっ!も…駄目っ…いく…っ!!」  
「…っく…中に出すぞ」  
「早く来てっ…っあああぁぁぁ…」  
 
ぴゅぴゅ…っ!ぴゅっ…  
 
溢れた精液が双葉の左脚を伝い、畳についた。  
少し繋がり合い、荒い息を落ち着けてから、重蔵は自身を引き抜く。  
「重蔵…」  
夢の中のように双葉は呟いて、眠りについた。  
 
 
果たして凛に勝てるのだろうか。  
 
何時もあと少しのところで勝てない。  
 
いや、単葉がいるから大丈夫だ。  
 
あたしは…  
 
 
 
「重蔵ーーーー!!」  
 
 
 
一人じゃない。  
 
 
 
声がした。  
愛おしい、重蔵の声。  
 
 
 
「お前が凛に勝てるわけがない」  
 
「最後の望みに抱いてやっただけだ」  
 
「だが…本当は…」  
 
 
冷たい雨水の中、何故か温かい物が頬に滴り落ちてきた…気がした。  
 

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