「私は独立交易都市三番街、自衛騎士団所属セシリー・キャンベル! 武器を捨てて投降せよ!」  
 セシリーは街の市場で剣を振り回し、暴れている大柄な男に剣の切先を向け啖呵をきった。  
 男は声に気づくと、のそりとセシリーの方を向いた。疲れきった顔をしている。しわだらけの頬、空ろな眼、  
だらしなく開いた口からは涎が垂れていた。  
 だが手にしている剣、ボロボロだが身に着けている鎧から、男が元は騎士であったことが見て取れる。  
「……満たされないぃ、何故俺は満たされないんだぁ」  
 ブツブツと呟きながら剣を地面に這わせ、引きずりながらセシリーの方へと歩んでくる。  
「剣を捨てて止まれ!」   
 セシリーの制止の声。だが、まるで聞こえていないかのように無反応のまま近づいてくる。  
 
――くっ、なんなんだこいつは。  
   
 剣を握る手が汗ばみ、微かに震える。自衛騎士団所属とはいえ、セシリーはまだ実戦は未経験だった。  
 勿論日々鍛錬をこなし、それなりの自信はあるつもりだった。  
 だが、緊張で身体が震え、後ずさりをしている自分に気づく。  
 
――なんてザマだ! しっかりしろ! セシリー・キャンベル! お前は誇り高きキャンベル家の闘士だぞ!  
 
 心の中で自身を叱咤し気力を振るわせ、剣を握る手に力を入れなおした――その瞬間、男が間合いを一気につめた。速い。  
 一瞬で間合いを詰め、前かがみの体勢から剣の切先を地に滑らしながら、セシリー目掛けて振り上げる。  
 
 
 
 ○ 一方その頃 ○  
 
「えへへ、ルークがこんなお店でご飯食べさせてくれるなんて、珍しいですね〜♪」  
「まぁ……たまには、な」  
「うわーーー、このお肉、凄く美味しいですよぉぉ!」  
「おい、もっとゆっくり食えよ……」  
 
 
 
 咄嗟に後ろにステップを踏んだセシリーの鼻先を刃が走り抜ける。  
   
――よしっ、かわした! 胴ががら空きだ、いける!  
 
 空いた胴に突きを入れようとするセシリー。男の胴を貫いた――そう思った瞬間、後頭部に鈍く重い衝撃が走る。  
訳の分らないまま、崩れ落ちゆく身体をなんとかひねり振り向く。意識を失う間際、眼にしたのは振上げられたはずの剣のつかだった。  
 
「お、おい。やばいぞ」「他の騎士団はどうした」「ああ、セシリーさんが……」  
――んん、なんだ、騒がしいな……。それになんだか寒い……。  
 
 辺りから聞こえるざわめき、直接肌に当る風にセシリーは意識を取り戻した。  
 まだ朦朧とする頭を振り状況の把握に努めるも、すぐに異常な事態に置かれていることに気づく。  
 鎧・衣類を全て剥ぎ取られ手は後ろで縛られ、背後から足を抱えられる格好で持上げられて、股を大きく開かされていたのだ。  
 そして何よりもセシリーに大きな衝撃を与えたのは、人だかりができ大勢の市民の視線に囲まれている事だった。  
「な……ななな、何だこれは!? ええい、降ろせ!」  
 拘束から必死に逃れようとするが、凄い力で両太股を掴まれており、膝から先がぷらぷらと空しく動くだけだった。  
「見ないでくれ! みんな私を見ないでくれ! あ、あああ、こんなの嫌だ、頼む、見ないでくれぇ!」  
 市場の往来で裸にされ、股を開かされ大勢の市民に見られている。しかもここはセシリー担当の区域なのだ、顔なじみの人々も多い。  
 セシリーは羞恥で顔を真っ赤にしながら、振りほどこうと渾身の力を込めて抵抗するがやはり男の拘束はビクともしない。  
 そして男はぶつぶつと呟きながらセシリーの太股から腰へと手を移動させ、体を少し上に持ち上げ自身の一物が股の前にくる体勢をとった。  
「ひっ!」  
 股の間に現れた男のモノを眼にしたセシリーは思わず悲鳴をあげた。  
 男性経験などないセシリーにとって男性器を目にする事など、小さい頃父親と風呂に入った時以来だがそれでも今、目にしてる  
男の一物がありえない大きさであることくらいは分る。大きく反り返ったソレは、自分の腕よりも一回り大きく、長さも剣の刃  
ほどもあったのだ。  
 ――と、男はさらに大きく胸の辺りまでセシリーを持ち上げ、亀頭の先端を乙女の入り口にこすり付ける。  
「ひゃ! こ、こら、なな、何をするつもりだ!」   
 男の規格外でグロテスクな男根の大きな亀頭の表面には無数の吹き出物が出来ており、所々それらが破裂し、不気味な色の  
膿や液体で濡れそぼっていた。その汚らしい亀頭が、セシリーのまだ誰にも触れられた事のない割れ目を擦るたび、ドロドロの膿で  
汚されていった。  
 
「う、なんだあの男の物は……馬くらいあるんじゃ」  
「いや、そんなことよりあのぶつぶつみたいなのから垂れている緑色の液体、なんだあれ……」  
「しかも凄い匂いだぞ、あんなもの入れられたら、裂けるとかより病気になるんじゃ……」  
「うおぇっ、気持ち悪っ」  
   
 男根のあまりのおぞましさ、異常な臭気に周囲の街民から嫌悪の声があがり、幾人かは嘔吐していた。  
 そんな外野の声が、これから身に降りかかるであろう事、未だ経験したことのない行為を想像し恐怖していたセシリーを  
さらなる絶望に突き落とした。  
 そして……。ついに男が動いた。亀頭を擦りつける動作を止め、挿入しやすい角度へとセシリーを誘導する。  
 その動きに気づいたセシリーは、恐怖で震える声を振り絞り必死に懇願した。  
「ひぃ! や、やめてくれ! お願いだ、そんな物入るわけがない! それに私は初めてなんだ! キャンベル家の当主として  
初めては夫となるべき男でなければならないんだ! ――ううぅ、嫌だ、嫌だよぉ! 誰か、誰か助けてくれぇ!」  
 
 
 
 ○ 一方その頃 ○  
 
「あれ? ルーク、今なにか情けなそうな声……悲鳴みたいなの聞こえませんでしたか?」  
「さぁ、俺には何も聞こえなかったが。そんな事より、早く食え。っていうかまだ食う気なのか!」  
「勿論ですよ、お肉なんて久しぶりなんですから! ほら、この肉汁が、むほぉ! すごく美味しいです!」  
「……はぁ。今日は特別だぞ、まぁ好きなだけ食え」  
「はい! ありがとうございます、ルーク」  
「お姉さ〜ん、このやつあと3人前追加お願いしま〜す♪」  
 
 
 
 セシリーの必死の懇願が辺りに空しく響き渡る中。  
 終にそれは起こってしまった。  
 タイミングよく颯爽と助けに現れるヒーローが現れるはずもなく……。  
 
 亀頭を入り口に押し当て位置を確認した男は、セシリーの体を大きく天にかかげ、一気に男根目掛けて打ち下ろした。  
 凶悪な肉棒が、可愛らしいクレバスを無残に押しのけ、勢いよく体内へと侵入していく。  
 指すら入れた事もない、小さな性器が限界を超えて広がる。  
 ミリミリミリ……ブチブチィ! 嫌な音とともに入り口の上端と下端が小さく裂ける。  
 ――ゴツン。下腹部から焼ける様な痛みが駆け上ってくる中、頭の奥でそんな音が響いたような気がした。  
 そう、無造作に力任せに捻じ込まれた男根は狭い膣壁を押分け、最深部の入り口さえもこじ開け、一番大事な部分、  
子宮の内部の奥壁に到達してようやく止まったのだ。  
 セシリーの下腹に、ボッコリと男の太すぎる肉棒がくっきりと浮き出ており、完全に奥まで到達している事が周囲の人間から  
でもよく分る有様だった。  
 一筋の割れ目だった女の部分は限界を超えて広がり、裂けた箇所から血がポタポタと伝い、地面に小さな血溜まりを作っていた。  
 
「ああ、セシリーお嬢さん可愛そうに……」  
「ひでぇな、ありゃもう今後使い物にならねぇな」  
「うわ〜、あんなのがまさか本当に入っちゃうなんてな〜」  
「あんなにくっきりとチ○ポの形が浮き出てるとか、おぞましいな……」  
「あーあ、俺セシリーさんの事狙ってたのにな〜、あれじゃもう貰い手はいないだろうなぁ……」  
 
「あぎぃぃぃぃ! ひぎぁぁぁぁあああ!」  
「ぁぅ……がぁ…あ…ああ……ああ、ぅぅああ……」  
 大きな悲鳴があがるがそれはすぐに、声にならない呻きに変った。  
 強烈な圧迫感は体を大きな棍棒で胃まで貫かれ、穴が開いてしまったのではないかとさえ感じさせた。  
 呼吸がうまくできず、空気を求めてパクパクと口が魚のように動く。ショックで尿道筋が緩み、結合部分から黄金水が  
シャワーのように降り注ぎ乾いた地面を湿らせた。  
 常人なら間違いなく気を失っていただろう、だが皮肉にもセシリーは体だけはとても頑丈で、気絶してしまうことすら  
出来ずにいた。  
 その持ち前の頑強さ故、早くも痛みで痺れた思考が正常に戻り、そして――。悲惨な現実を認識する。  
 大事な純潔を異常な形で散らした事実、しかも守ると誓ったなじみの街民達大勢の見ている前で――。  
 
――ああ、私は汚されてしまったんだな。皆の見ている前で……。もぅ、終わりだな……。  
 
 衆人環視の元、純潔を奪われる。  
 それはキャンベル家の当主としてプライドが人一倍高いセシリーにとって死にも勝る屈辱だった。  
 そしてその耐え難い屈辱は、セシリーの前向きで決して折れないはずの心を、実に簡単に砕いてみせたのだ。  
 だが現実は非情だ。まだ終わりではないのだ、むしろ惨劇はこれからなのだ。  
 男は限界まで挿入した余韻に浸り終わると、腰に当てた手に力をいれ、セシリーを体ごと上下にピストン運動させ始めた。  
 太く長い肉棒。中でも一際巨大な亀頭が子宮の奥と膣口とを往復する様が、ポコリと腹に浮き出てよく分る。  
 ゴリゴリと膣壁を拡張しながら亀頭が移動を繰り返し、快楽など微塵も感じてはいないが、痛みを和らげる為に分泌された  
愛液がそれに合わせて外に飛び散る。  
 すでに血は止まっており、少し裂けた部位はそれ以上損傷することはなかった。  
 膣が。セシリーの女の入り口が。規格外の極太になんとか順応しようと筋を緩め拡張し始めたのだ。  
 体ごと上下させるのに、最初は腕に血管が浮き出る程に力を入れないと、侵入を許さなかった膣内も今や、  
滑らかに受け入れていた。滑りがよくなったのを受け、男根を固定してセシリー自身をピストンさせる動きも  
次第に早く、高速になっていく。ぐちゅぐちゅと結合部から発せられるいやらしい音が、周囲の街民にもはっきりと  
聞こえ始めた。  
   
 どれくらい時間が経っただろうか。いつしかセシリーの頬に赤みがさし、体の表面には小粒の汗が滲み始めた。  
 結合部から出し入れに合わせて、ぴゅっぴゅと漏れる液体が地面に大きなしみを作っていた。  
 こんな異常な交わりにも身体が適応し、快楽を感じ始めていたのだ。  
「はぁ、はぁ、んんぁ、あふうん」  
 知らず、口から甘い喘ぎが漏れ始める。  
 
「お、おい。まさかセシリーお嬢さん、あんなので感じているのか!?」  
「うそだろ……あんな馬のよりも大きなもので……」  
「変態……だわ」  
「変態ね……」  
 
 身体を高速で上下させられ、激しい運動で血が頭に上り、酔いにも似たふわりとした感覚。正常な思考が妨げられ、  
身体から湧き上がる初めての性の快楽に身を任せ始めたセシリーに、周囲の蔑みの声は届かなかった。  
 喘ぎ声と肉棒が膣を犯す淫音が辺りを包み、周りの観衆もその異常な淫気に当てられ、食い入るように行為を見つめていた。  
 ――と、男がセシリーを動かす動きが、急に加速した。  
 これまでとは段違いの速さで乱暴に体を上に下へと無茶苦茶に動かす。  
 人形を振り回しているかのように、手足が体の動きに少し遅れて宙をぷらぷらと泳ぎ、勢いよく体を肉棒へと  
振り下ろす度に、下腹部が亀頭の先端の形に変形し膨れ上がった。  
 そのあまりにも凶悪で乱暴な挿入行為は、快楽を感じ始めていたセシリーを瞬時に現実へと引き戻した。  
「あぐ、やめ……やめて。死ぬ、死んじゃ……うっ。あっあっあがっ」  
 激しく振り下ろされ、振上げられうまく喋れない。  
 言葉にならない声で必死にやめて、と訴え続けていたその時、更にピストン運動が急加速した。  
 膣内を侵略する極太に血管が浮き上がり、さらに太く硬く膨張するのを体で感じ取ったセシリーは、  
男の射精が迫っているのだと直感した。  
「まて、まって、まってくれ! はぐぅ。な、中で出すのは許……がぁ、許してくれ! 頼む! お願いだ!」  
 激しく上下に振り回され、視界が歪み意識が飛んでしまいそうになる中、それだけはと必死に訴える。  
 だが――。  
 おぉぉぉぉ。男がくぐもった声をあげたその瞬間、精が解き放たれた。  
 巨棒を根元近くまで膣内に咥え込まされた体勢で、男の体がびくんびくんと痙攣するのに同調して子宮奥深くに  
子種が勢いよく注ぎ込まれる。一物が規格外な分、出る量もまた規格外であった。  
 子宮があっという間に汚液で満たされるが、その入り口は、太すぎる肉棒で栓をされた形になっており、  
次から次へと注ぎ込まれる精液で子宮が破裂寸前まで膨れ上がり、周りの観衆からも下腹部が見る見る妊婦のように  
膨らんでいく様が見て取れた。  
「あああ……こんなに……。 嫌だ、妊娠しちゃう……妊娠……。あは、あはははは……」  
 体内に感じる男の不浄の精の熱さ、圧迫感、そして目を落すと不自然に膨らんでいる下腹を見て、騎士のとしての  
誇りはおろか、心の隅へと押しやっていた女の部分が、完全に再生不可能なレベルで打ち砕かれたのをセシリーは感じていた。  
 手足はだらりと力なく垂れ、放心状態で空を見つめる眼には、かつての生気に満ち溢れていた光は跡形もなく、  
死人のように虚ろだった。  
 
 射精を終えた男がセシリーを支え固定していた手を離した。重力に従って頭から地面へと勢いよく落下する――が、射精を  
終えても萎えることなく強度と太さを保っていた肉棒のお陰で、顔面が激突する寸前ブレーキがかかった。  
 そしてその瞬間、ぐちゅ、グポォ。詰まった排水溝から異物を力任せに引き抜いたような汚らしい音と共に、  
男とセシリーとの結合が解け、顔面と膝を地につけ、尻を突き出す半四つん這いの姿勢で地面に崩れ落ちる。  
 両腕は手の甲を地につける向きでだらりと力なく垂れ、ピクリとも動かない。  
 顔面が自身が漏らした尿の池に浸かり、呼吸に合わせてブクブクと尿の泡が浮き上がっていた。  
   
「……うわ、どうなってんだアレ……」  
「ひぃ!?」  
「ひでぇ……」  
「ははっ、女として終わってんなありゃ」  
 
 街民達の驚愕の声、その原因はセシリーの女性器にあった。  
 四つん這いで腰を突き出す格好のセシリーの下半身は、妨げるものが何も無く周囲から丸見えで、その「有様」が  
実によく見えた。  
 人間の男性器と大きく懸け離れた巨大な肉棒を、強引に捻じ込まれて滅茶苦茶に挿入を繰り返されたその代償は  
余りにも大きかった。大陰唇・小陰唇が完全に伸びきり筋力そのものが喪失したのか、セシリーの女の入り口はパクリと  
巨大に開いたまま閉じる気配が無い。更に子宮へと続く道、膣すら極太の形そのままに壁が広がり入り口から覗くと  
子宮口が容易に視認できてしまう程だった。  
 そしてそのクレーターの如く開いた大穴から、子種で膨らんだ腹が地面に圧迫され、ボタボタと奥から澱んだ精液が  
止め処なく溢れ出して地面を汚していった。  
 その次から次へと垂れ落ち、止まる気配のない汚液は白濁に混じり、黄土色や濃緑の膿のような物が混ざり合い毒々しい  
色を形成しており、匂いもまた腐乱した肉汁のような醜悪極まりないものだった。その余りのグロテスクな惨状に  
観衆の民達の多くが我慢できずに胃の中の物を撒き散らし、辺りは異様な臭気に包まれていた。  
   
 そんな中、男が次なる行動に移した。剣を拾い上げ、未だ放心状態のセシリー目掛けて剣を振上げたのだ。  
 顔を横向けに地に伏してはいたが、その虚ろな眼にも男が剣を自身に振りかざそうとする様は見えていた。  
 見えてはいたが、心を完全に砕かれ折られたセシリーはまるで他人事のようにピクリとも動かない。  
 『満たされなぁぁぃぃぃ、何故だ、何故満たされないんだぁぁ』ブツブツと同じ台詞を呟きながら、  
剣を首筋目掛けて振り下ろしたその瞬間。  
 
 
 ――キィィィィっン!  
 鋭い金属音が広場に響き、少し遅れて後方の地面に刃の半身が突き刺さった。  
 突如現れた小柄な青年が手にもった刀身が細く、少しカーブを描いた剣で振り下ろされた凶刃を鮮やかに分断したという  
事を把握するのに男も観衆も十数秒を要した。  
 よほど大事な剣だったのだろうか、男は半分にされた剣を見るやペタンと腰を落とし、その場に崩れ落ち動かなくなった。  
 一方、放心し虚ろだったセシリーの眼にも、青年が刃を分断する剣技は映っていた。  
 その神業とも思える所業に心を動かされたのか、曇った眼に僅かながら光が戻り、よろよろと立ち上がると青年を見つめた。  
 
――あなたが助けてくれたのか、あの凄まじい剣技は一体? その剣、私でもその剣があればまだ戦えるだろうか?  
 
 物語のヒーローの様に現れた青年、そして初めてみる剣にセシリーの折れた心が、騎士の矜持が復活しつつあった。  
 そしてお互いの眼が合った瞬間……。  
 『ゴポォっ! ゴボゴボっ!』内股でふらつく両足の間から、立ち上がったことにより膣内にまだ大量に残っていた汚液が  
一気に音を立てて噴出したのだ。  
 
「うぉぉっ、くせぇっ!!」  
 青年は露骨に顔をしかめてそう吐き捨てると、くるりと背向け、足早に路地裏へと消えていった。  
「あ、あの! 災難でしたねっ。でもでも元気だして下さいね! では失礼しますっ」  
 思わぬ醜態に凍りついたままのセシリーに、小柄で陽気な少女が声をかけ、一礼してから青年の後を  
トタトタと追いかけて行った。  
 
「もうっ、ルークってば駄目ですよ、レディにあんな酷い台詞言うなんて!」  
「ふんっ、仕方ないだろ、マジで臭かったんだから……。それに助けてやったんだ、それくらい問題ないだろ」  
「それにしても、(元は)綺麗そうな人でしたねぇ〜。おっぱいなんてこ〜んなにおっきくて」  
「……まあな。しかし、あの有様じゃな、女として終わってるだろアレは」  
「ですよね〜。大きなおっぱいよりも、こ〜〜〜んな大きな穴がアソコに開いてましたもんねぇ」  
「そら、会議に遅れる。急ぐぞリサ」  
「はい、ルーク!」  
 
おわり  
 
 

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