「皆でタマゴを探すんだ、そらお庭に沢山隠してあるだからな」  
 
イースターの日、マーサが綺麗に絵を書いた卵を探しに子ども達は一斉に外に出た。  
窓からそれを眺めるクレイヴン氏。  
時折は心が晴れるが大概、重い雲が垂れ込めたように静かに1人で物思いに耽る。  
ディコンのウサギが跳ねる。  
メアリーはまっさらな新しいワンピースに大きな籠を下げている。  
コリンは誰よりも元気に駆け回り、緑の、赤いの、色とりどりの卵を見つけた。  
朝の清々しい空気の中、サンザシの花が香る。  
籠は卵で重くなりメアリーも籠をあずまやに置いて卵を探しに行った。  
3人の子どもはそれぞれに花園の中を探し回った。  
 
コリンは人が探せないような穴の中に手を差し込み黄色く彩色された卵を2つ見つけた。  
籠に入れようとあずまやに走ってゆくとそこにはメアリーは居らず籠だけが在った。  
訝しがりながら振り返ると藪の向こうで人影が見え隠れした。  
そっと行って驚かしてやれと悪戯心でそっと近寄ると話し声が耳に入った。  
 
「私たちの子どもは元気になったよ。  
 でも君は幸せでは無かったか?私を置いて何処へ行っちまったんだ  
 私には君だけが必要なんだ……」  
 
コリンはそれが父親の声だと知り全身の血が冷たくなった。  
気が付くと自然に涙がこぼれてきた。  
そっとその場を離れ無闇に走った。  
涙で前が見えないまま、木の根に足を取られ、前のめりに倒れとそのまま声を殺して泣いた。  
声を殺して泣く方法なんて今まで知らなかった。  
でもこの涙は誰にも見られたくなかった。  
特にメアリーやディコンに自分がいまだに泣き虫で我儘だと見られる事は我慢できなかった。  
我儘でも自分勝手でも良いから、誰か涙を止めて欲しい。  
僕は此処に居るのにどうしてその眼が遠くを見ているの?  
父さんは僕が元気になるだけでは駄目なのだ。  
僕だけを見て欲しい。今まで省みられなかった分。  
その為に健康にもなったし、丈夫な心も手に入れたのに。  
歯を食いしばり木に寄りかかり涙を拭くと眼の前にマーサが立っているのが見えた。  
慌てて顔を背けると震える声で言った。  
 
「お前、そこで何をしているんだ?あっちへ行けよ」  
しかしマーサは退く気配もなくコリンに近寄るとその顔をエプロンで拭った。  
「坊ちゃん、さぁ、お顔を拭いて。転んで泣いたんじゃねえな?  
 訳は訊きませんよ、でもそんな顔じゃ皆んとこへは行かれねぇだろ?」  
マーサは自分のスカートにコリンの頭を乗せると熱っぽい顔を優しく撫でた。  
その自然な優しい仕草にコリンは素直に従った。  
 
鼻をかむと腫れぼったい顔を冷ます様にそよ吹く風にさらした。  
 
「マーサ、僕が泣いてた事、誰にも話しちゃいけないよ?」  
まだ微かに震える声色を落ち着かせてコリンが言うとマーサは得たりと頷いた。  
熱っぽい目蓋をマーサの指がなぞるとひんやりとして心地良い。  
「お前は優しいね、とってもいい子だね」  
鼻を啜って大人びた口調で言う様子にマーサはニコニコと微笑んだ。  
「坊ちゃんはまだ子どもなのに大人みたいなところがありますだねぇ。」  
そう言うと屈み込んで唇を、真っ赤に充血しているコリンの唇に重ねた。  
マーサが顔を上げるとコリンの大きな眼が見上げていた。  
小首を傾げて少し恥ずかしそうに笑うとコリンが訊ねた。  
 
「何故?」  
「だって坊ちゃんが可愛らしいから、おら……」  
「恥ずかしがる事はないよ、誰だってキスをする権利はあるはずだもの」  
 
ふんわりとしたマーサの胸にコリンが顔を埋めると、おずおずとその頭を抱え豊かな髪を弄った。  
優しい懐かしい匂いがその胸から匂い、コリンは抱きしめるように腕をまわした。  
バランスを崩してマーサが後ろへ倒れると、そのままコリンが覆い被さった。  
今度はコリンがマーサの唇を奪うと舌が拙く動いた。  
コリンの顔を両手ではさみそっと唇を離す。  
「いけねぇ、坊ちゃん。お前さまは偉え方だ。こんな小娘相手にいけねぇだよ」  
「お前は僕を慰めてくれたね?だから良いんだよ。僕、お前のことが好きなのだもの」  
そう言うとコリンは幼いキスをマーサの顔中に降らせた。  
小さな掌が胸元を探るとマーサがボタンを外し導きいれた。  
触れる皮膚は柔かく肉は温かい。  
コリンは幼子が母の乳房をまさぐる様にその温もりを握った。  
「あっ、坊ちゃん駄目、女の身体ってもんはもっと優しく触るんだ」  
マーサが声を上げるとコリンは服の下の手を撫でる様にそっと動かした。  
「こう?」  
 
コリンが上目遣いで言うとマーサは微笑んでもう片方の手をスカートの中へ差し入れた。  
下着の中に滑り込ませた指は豊かな茂みに絡みついた。  
ふっくらと盛り上がった丘に生え揃った産毛の柔かさと、マーサの口から漏れる  
吐息の甘さにコリンは年上の女性の甘さを知った。  
コリンの指はマーサの恥丘をさらさらと撫で下ろした。  
 
「坊ちゃん……ぁ」  
滑り降りた指が溝に沿って動くとマーサの顔はほんのりと桜色を帯びた。  
ボタンの隙間から覗く乳首と同じ色。  
コリンはその小さなさくらんぼを摘んで舌の先で舐めた。  
唇に挟むと少し硬い。  
唾液を絡ませるようにもう一度舐めると下の方がじんわりと湿ってくるのが判った。  
細い指を挿しこみ、産毛を泡立てるようにして掻き回すとマーサの腰がくねった。  
スカートを捲り上げて下着を引き摺り下ろすと、そこにはねっとりとした蜜が絡みついている。  
 
「脚広げて?」  
 
コリンが言うと膝を立ててスカートがまるでテントみたいに盛り上がった。  
中に頭を突っ込んで両手でそこを広げるとヒクヒクとした襞がとろりと液を垂らす。  
汲み上げえるように指でそれを掬うと擦りつけるように周囲をなぞった。  
暖かい日差しをコリンの背中に感じ心地良い風がスカートをはためかせる。  
 
「あぁ坊ちゃま、あぁ……」  
 
囁くようなマーサの声と遠くで笑い合うメアリーとディコンの声が厚い膜を通してコリンの耳に入った。  
マーサの下半身に顔を近づけると湿った土の匂いと新芽の生える時のような強い匂いが鼻を刺した。  
丁寧に襞を伸ばすようにして薄い舌で舐めると充血した突起が頭を覗かせた。  
そこを口に含むと舌で転がし、羊の赤ん坊がお乳を飲むように吸った。  
 
「んん…っ」  
 
びくんと全身を震わせて、無邪気な手と舌とに弄られながら、  
マーサは自分の身体が年下の少年に操られている事を嬉しく思った。  
春の柔らかな空気が2人を包みブンブンと羽音を立てる蜂が蜜を求めて頭上のサンザシに行き交う。  
マーサは自分の身体がその花のように赤く染まり丸く咲いていると感じた。  
蜂を求めて甘い香りで誘う花は巧みに少年の下半身に手を伸ばした。  
小さい土筆が硬く勃起してズボンを張らせている。  
少年の痛々しさを表したようなそれに触れると表に引っ張り出した。  
コリンは慌ててそれを隠すように手で覆ったがマーサの指はその手を開いた。  
 
「おらも坊ちゃんの欲しい、隠したりしちゃあずるいぞ」  
そう言うと手を添えてコリンを導いた。  
獲物を絡め取る食虫植物のように、コリンを呑みこみ始めたそこは、温かく粘っこい粘液で蕩けるようだった。  
すっぽり入ってしまうとコリンはマーサの胸の間に顔を埋めた。  
 
「マーサ、僕、なんかもぞもぞするよ」  
「ちっとばかし我慢してくだせぇ、もう少しこのままでいさせて」  
 
マーサはそう言うと柔らかな腕でコリンの頭を背中を優しく包みこんだ。  
咽るような甘いサンザシの香りが2人を包みこみ荒い呼吸が穏やかになった。  
絡まりあう下半身を生え始めた下草がチクチクと刺す。  
互いの身体に入り組んだまま穏やかに時間が流れた。  
新緑の中抱き合うその姿はまるで聖母子像のように穢れがなかった。  
「このままずっといられたら素敵だなぁ」  
コリンが漏らすとマーサは少し寂しそうに笑った。  
「そうはいかねえだよ、おらたち皆生きてるんだもの」  
 
コリンはゆっくり中で動き始めたが直ぐにそれが激しい快楽に変わった。  
ゆっくり動こうと思っても腰が激しくマーサを打ち付ける。  
 
「痛くない?痛くない?」  
「あっっ、はぁっ、大…丈夫です」  
 
コリンがどんなに強く打ち付けてもマーサを痛めることは無かった。  
それどころか鋭い少年の欲望が立派に男になったように感じマーサには快かった。  
「あっ、あっ、ああっ」  
マーサは自分を刺し貫く少年が先ほどまでの涙を忘れている事が嬉しかった。  
大きく足を広げ少年の全てを受け入れようとした。  
コリンが腰を引くたびに腕に引き寄せられ膣は締め付けるのだった。  
柔かく包みこみ、締め付けるそのたびにコリンは背中に電気が走るように感じた。  
「んんっ、っん、あっ、はぁぁ」  
ビクビクッとマーサの膣が震えると脚がコリンの腰に絡みつきぐっと力の入る腕はコリンの頭を抱え込んだ。  
「ああぁ……」  
緩い溜息を漏らすとコリンはマーサの中に溢してしまったことに気が付いた。  
ひくつく壁がいまだにコリンを離さないように感じてそのままでいた。  
ぐったりとマーサに寄りかかって息を調えているとマーサの汗ばんだ胸元からたわわに震える乳房が覗いた。  
その柔かさを確かめるように指先で押すとぷくんと揺れた。  
「マーサ……」  
コリンは大きな眼で見上げ、少し身を起こすとマーサの口を覆った。  
乾いた唇がマーサの唾液で潤った。  
 
「ねぇ、マーサ。お前はお前の母さんが好きだよね?でも、もしもだよ  
 母さんがお前の事を、お前が母さんを思うほど好きじゃなかったら、どうする?」  
ふとマーサの荒い息が止まるとコリンの大きな眼をじっと見た。  
「何だ、坊ちゃんそんな事。それでもおらはおっ母さんの事大好きだよ。  
 だって難しい事はわかんねえがな、おらが好きならそれで良いじゃないか」  
コリンが頭を起こすとその考え深そうな瞳が驚いたように見開いた。  
「お前はそれで良いの?それで?」  
マーサは人の良さそうな丸顔をより丸くして笑うとコリンの髪を撫で付けた。  
「だっておらが好きなんだもの、それでええではないですか?」  
コリンは立ち上がって恥ずかしそうに笑って言った。  
「マーサありがとう。僕、君の事とっても好きだな。  
 君がどう思うと、僕が、君の事好きなんだ」  
 
君の事が好きなんだ、そう言い残して走るコリンにはもう一つ言いたい事があった。  
お父さん、僕はあなたが好きです。だからそんなに悲しまないで。  
僕があなたを好きなんだから。  
 
早く伝えようと先ほどの藪まで走って行くとそこにはもう誰も居なかった。  
走り去って行くコリンの姿は転んで泣いていた姿を感じさせない逞しいものになっていた。  
日に日に成長する、子どもの時間は短い。  
マーサは自分の兄弟たちの成長を見るのとは違った思いでコリンを想った。  
乱れた服装を整え、立ち上がると枝の上に小さな青い卵が載っているのが見えた。  
それは手に取るとひんやりするほど青だった。  
大きくご立派に成長してくだせぇ、今のおめぇさまの事、嫌いな人はいねえだよ。  
マーサはその青を温めるように掌で包んだ。  
 
コリンはメアリーとディコンの所へ行くと自分の取った卵を籠に入れた。  
「ねぇ、あんた1人きり何処へ行ってたの?探したのよ?」  
メアリーが尋ねてもコリンは笑ってはぐらかした。  
「ちょっとね」  
卵で一杯になった籠をコリンとディコンとで持つとメアリーがあっと声を上げた。  
あれ、と言って指差す先、高い梢に胸の赤い小鳥が数羽囀っていた。  
「あいつの子ども達だな」  
ディコンはそういってメアリーの手をそっと握った。  
3人の子ども達は声を張り上げて謳った。  
 
 花のかおりは 四方に満ちて  
 ことりの歌は そらにひびく  
 楽しきこの日 清きこの日  
 歌ごえあわせ 神をたたえん  
 
子ども達の謳う賛美歌は塀の外畑仕事をしていたベンウェザースタッフの耳のも聞こえた。  
今日は復活祭。  
ふん、とベンは思い鍬で畑の土を掘り起こしていた。  
イースターが自分に関係あるとは思わないので特に目出度いとも思えなかった。  
一畝行ったら一息入れよう、と手を止めて畑の端の方に眼をやると一人やや遅れてマーサが出てきた。  
 
「ベン、おはよう。これおめぇにやるよ。弁当にでもしなせぇ」  
「そんなにイースターが目出度いかね?」  
「目出度いと思う人にゃ目出度いんだよ、いいから受け取っときな」  
 
マーサは卵を手渡すと軽やかに子ども達の後を追った。  
ベンは花園の上を飛び廻る小鳥に気が付いた。  
その声は青い空に高く響き渡った。  
驚いた目をしばつかせると暫く空を見上げていたが何か感じた様子で帽子を取った。  
青い卵はベンのポケットに大切に納まった。  
 
 

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