あたりは蟻達の泥を粘液でこねあげて作られた床と壁と天井に覆われていた。手を着くと糸を引いてべたつく。
俺は蟻塚の奥深くにいた。
そう、俺達の部隊は、大量の犠牲を払いながら、高層ビルほどの大きさの、あの蟻塚への潜入に成功したのであった。
目的は蟻の生態調査だ。
敵を知り、弱点を探るためどうしても必要な作戦だった。
シミュレーションでの生還率はわずか2%だったが、作戦への参加命令を俺は甘んじて受け入れた。
選ばれたことを誇りに思っていた。人類のために。愛する家族のために。
蟻塚には30人が同時に、そして個々に進入を行った。
最優先事項は、「敵に見つからないこと」。
もし発見された時は、手持ちの武器で派手に暴れて、他の兵士のため陽動を行わなくてはいけなかった。
壁の向こうで、そして目の前で戦友達が、手をもがれ脚を食いちぎられて散っていた。
立派に命令を果たしながら。
涙は出なかった。それよりもやらねばならないことがある。
そして今残っている識別反応はひとつ。生き残っているのは俺だけになっていた。
だが、俺1人で充分だった。例え、いやおそらく生きて帰れなくとも作戦は成功する。
死ぬ前に手に持った小型カメラのデータ転送スイッチを押せればよかった。
この小型カメラで映したデータは、スイッチをひとつで軍本部まで一瞬で転送される。
飯綱博士のプラズマ通信システム。インベーダーのジャミングすらも突破できる代物だ。
蟻塚の重要箇所はほぼ撮り終わっている。
後はこの繁殖部屋だけだった。
壁と床に無数の大きな穴があり、そこに一つ一つ大切に繭が安置されていた。
繭の大きさはほぼ1メートル。
俺は壁の空いている穴に隠れながら、さらに奥に進む。
繭より前。卵の産まれ、幼虫の育つところがきっと奥にある。
慎重に歩を進める俺を迎えたのは、
女達のあえぎ声であった。
「あっ、、、ああっっ、、、、」「ひぁぁぁ、、、っ」「はぁ、、、んっ」
教室ほどの部屋のあちらこちらから女の切なさと苦しさの入り混じった嬌声が聞こえてくる。
な、、、な、、、、?
壁に空いた穴には、繭の代わりに人間の若い女が入っていた。
ほとんどがペイルウイング隊、、、わずかに民間人が混じっている。
全員蜘蛛の糸で作られたベットのような所に、手足を固定されて寝かされていた。
蜘蛛の糸、、、、?
蟻塚といったのは間違いだった。
見渡せばそこらかしこに黒蟻や赤蟻、羽蟻、蜘蛛にそしてムカデすらもうろついている。
普段見ている奴らと違うのは、全員大きさが人間程度の大きさということ。
なんなんだ、、、?俺は呆然とした。
「いやぁぁぁ、、、」弱々しい悲鳴。
目の前の1人の女に小型の蜘蛛が迫っていた。
助けたい!、、、が、全てを記録することが俺の任務である。葛藤しつつもカメラを回し、音を拾った。
画像は悪いし、音の調子も悪いが特に問題はないだろう。
女はペイルウイングであった。
顔はヘルメットで見えない。栗色の髪がヘルメットから覗いていた。
20代前半くらいだろうか。小柄だが鍛え上げられ、引き締まった体。
服はところどころ破れ、いや溶け落ちており、バランス的にはやや大き過ぎる胸のふくらみが片方、あらわになっていた。
蜘蛛はゆっくり近寄ると、
身動きの取れない彼女の首筋に牙を突きたてた。
「あああぁぁっ!!」
女は痛さに絶叫し、体を震わせる。俺は思わず立ち上がり救出に向かおうとした。
が、あることに気付く。
何かを注入している、、、?
蜘蛛の牙から乳白色の液体が滲み出ていた。
間違いなく女の体に注ぎ込まれている。
そして、10秒ほどたつと、悲鳴をあげていた女の様子がみるみるうちに変わってきたのだ。
「あう、、っ、、ど、、どうして、、、っ、、いつも、、、、はぁぁぁ、、っ、ああん、、、」
悲鳴に明らかに甘さが混じりはじめた。
息が荒くなり、白い胸が上気してピンク色に染まるとともに小さな乳輪の中心が目に見えて立ってゆく。
「あふぅぅ、、、、んっ」
欲、、、情している、、、?
蜘蛛が再び首筋に噛み付く。
「はぁぁんっ!!」
女は叫び声を上げる。だが、それは痛さによる悲鳴ではなく、快感による鼻にかかった嬌声であった。
明らかに、噛み付かれたことに感じている。
媚薬かなにかか?
眉間にシワを軽く寄せ、女はいやいやをするように頭を横に振る。
「や、めてぇ、、、っ、、もう噛まないでぇ、、、っ、はあああ、、、」
「ああぁぁんっ!」
右の方から声がした。
見ると、こちらは民間人のようだった。
整った顔、骨格のしっかりした、モデルのような体のライン。やはり半分溶け落ちたスーツ。見覚えがある。
いつも見ていたニュースのレポーターだった。
無鉄砲な突撃レポートが人気を博していた彼女だったが、その無鉄砲な行動の結果、数週間前から行方不明になっていた。
その彼女には数匹の羽蟻がまとわり付いていた。
「やめ、、、っ、はうっ!ああああ、やめてぇぇぇ、、っ!」
羽蟻はその薄い羽を細かく振動させ、彼女の体をなぶっている。
「あっああっ、、、!なんで、、あんた達、、、なんかにぃ、、、っ、はぁんっ!!」
乳首、股間、背中。羽が柔らかくこするたびに小さく折り重なった快感の波が押し寄せるのだろう。
彼女の体は弓なりにしなり、甲高いあえぎ声をあげている。
口では嫌がっているようだったが、体は欲望にとうに屈してしまっているのか、彼女の腰が羽を求め、動いているのが目に入ってしまった。
その左上の穴では、ムカデが女にその長い体を絡みつかせていた。
ムカデの体から出る液にまみれた女の体の上を、無数の脚がのたくっている。
「ああっ!いいっ、いいっ!はぁぁん!もっとぉ!」
股間をムカデの体が通りずぎる、その一節ごとに彼女は体をわななかせ、甘えた声を上げる。
すでに気がおかしくなってしまっているのか、それとも、ムカデの技巧がそこまでのものなのか。
ペイルの服を着た細身の女の子は自らもだえ、求めていた。
一番左の下の部屋にはむっちりと肉がのった太ももの20代後半くらいの女の股間で蜘蛛の触手が蠢き、そのたびに女をのけぞらせていた。
奥の方では雪のように真っ白な肌の10代の少女が黒蟻の蟻酸をかけられ、甘い声を漏らしていた。
部屋一杯に人間の若い女がインベーダーどもに汚され続けていた。
目の前の女に視線を戻すと、蜘蛛の噛み付きは終わっていた。
左右の首筋に血をうっすら流しつつも、彼女は体をくねらせ、熱い吐息を吐く。
注入された何かが体に回りはじめているようだった。
体が、性感が、彼女の意識に従わずに、どんどん高ぶってゆく。
「なに、、?はぁぁ?、、、ふあああ、、、」
思考がまとまらなくなっているらしかった。
瞳はとろみを帯び、彼女の秘唇からは触られてもいないのに愛液が流れ出していた。
そして、彼女のそこが充分に濡れそぼったそのとき、彼女の腹部が蠢きだしたのである。
そのとき俺はようやく、彼女の腹が少々膨らんでいることに気が付いたのだ。
「う、、、ぐぅぅぅっ、、っ!!」
突然、彼女は苦しみだした、痛みというよりも、違和感に襲われているようだった。
「いややぁぁ、、、、、、っ、う、、、も、、もう、、産み、、、産みたくない、、っ」
弱々しく、しかしどこかあきらめたような声。
産みたくない、、、?
位置的には、、、、、子宮、、、?
まさか、、、俺の頭に嫌な考えがうまれる。あまりに嫌な考えだったため、打ち消そうとしたが、、、
いや、おそらく、、、間違いない、、、、
そして、それがはじまったのを、俺は目のあたりにしたのであった。
「んあぁぁっ!」
彼女の体がはぜるように反り返った。
「あ、はぁ、、、、はぁぁ、、っ」
彼女から漏れる声は今まで以上に甘かった。彼女の体が震える。
「あっ、あっ、あっ、、、いや、、いやぁぁぁっ!」
そして、彼女の股間からあるものが頭を出したのであった。
幼虫。
直径10センチくらいの。
おそらく蜘蛛の。
俺は頭から水を浴びせられたようにゾッとした。
間違いない、、、こいつら虫どもは人間の女を孵化の道具にしている、、っ!
それはモンシロチョウの幼虫に、青虫に形が似ていた。色は白。柔らかそうな体の下部に無数の小さな脚が生えていた。
女の股間から顔を出した幼虫はそのまま外に這い出ようとその短い無数の脚を蠢めかせる。
だが、愛液が滑るのか、それとも、出口が若干狭いのか、顔を出した次の瞬間。
また膣の中にツルッと引っ込んでしまったのである。
「はぁぁぁんっ!!!」
幼虫が中に戻ってしまった衝撃に女の体が反り返る。
「ああぅ、、いやぁ、、っ!いやぁぁっ!」
彼女は体をビクビクさせながら叫んでいた。
外からは見えないが、幼虫が膣の中で外に出ようと足を動かし続けている、ということは簡単に予測は付いた。
つまりそれは、女のもっとも快感を感じる部分をあの短く、柔らかそうな脚にこすり付けられているということである。
無数に生まれる小さな快感がひとかたまりになって彼女の肉体を襲っているのは間違いなかった。
「そこ、、っ、あ!、、はぁんっ、、、!いやぁんっ、、、!!」
女は避けることの出来ない刺激をもろに受け、悲鳴をあげる。
しばらくすると女の股間から、また幼虫がヌッと頭を出した。
だが、しばらくもがくとまた膣の中にヌルッと戻ってしまう。
「っぁぁああぁぁーーっ!!」
膣に一杯に詰まった幼虫の体に体内の性感帯を目一杯擦り上げられる。
そのおぞましい愛撫に生み出された快感に打たれ、彼女は肌を粟立たせながらあえいだ。
幼虫はどうしても力が足りないらしい。
股間から顔を出しては膣の中に戻り、また顔を出し、戻り。何度も、何度も繰り返し続けた。
まるで、見えない”ナニカ”が彼女を犯しているような、そんな奇妙な光景。
その怪しげなピストン運動の度に彼女は擦られ、ほとばしる快感に打ち震えて反応してゆく。
幼虫もいろいろ試しているのか、時々出てくる頭が右向きに、またあるときは左向きにさまざまな方向を向いていた。
その幼虫の学習動作に彼女はたまらず甘い悲鳴を上げる。
「感じたくないのにっ!感じたくないのにっ!!、、どうして、、、あはぁぁっ!」
彼女は白い顎をめいっぱいさらし、感じ続けていた。悔しそうな顔で。
抵抗できない。どうしても感じてしまう。こんな青虫に。
どうしようもない屈辱であった。
人間である彼女がただの幼虫に、その若く魅力的な体を好き勝手に汚され、そしてなぶられてゆく。
体液でぬめり、悶え続けるるその女の体は
美しい。
俺はうかつにもそう感じてしまっていた、、、
ぐるぐる回りながらいろいろ試した幼虫は、一番引っかかりのある位置に気が付いたようであった。体をうねらせ、ぐるんと回る。
「ああ、、っ!?はぁんっ!?」
それは、ひっくり返った状態。
当然、女の膣の上部に幼虫の脚が触れる。
「ああっそこは、、っ!はぁっ、だめっ、やめてぇぇっっ!!」
突然、彼女は体をこわばらせる。声にも必死さが混じる。
なぜ?
しかし、幼い虫にその嘆願が理解できるわけはなく、無情にもGスポットを含めた全ての急所が無数の手でかき回されはじめた。
「あああーーーっっ!ふぁぁっっ!はぁぁぁーーーっ!!」
声が裏返っている。先ほどよりも遥かに理性のタガが外れたような声。まるで
自分の急所を突然男に責められた様な。
「そこはぁぁっっ!ふぁぁっ!そこっ、そこはぁぁぁーーーっ!!
間違いないようであった。どうやら彼女にとって、Gスポットが一番の弱点らしかった。
愛液の量がさらに増え、びちゃびちゃと淫らな音を立てる。
頭を大きく上下させる女。
嬌声。頭では嫌がりつつも、体が快感を喜んで受け入れてしまう、矛盾を含んだ甘く悲しい声。
彼女を飲み込む快楽の嵐は容赦がなかった。なすすべもなく追い詰められてゆく。
「あああっ!だめだめだめだめだめぇぇっっ!これ以上動かないでぇぇっっ!!」
頭をぶんぶんと振り回す。
あまりの快感に彼女の体が一瞬緊張し、膣が収縮し。
幼虫はその収縮を利用してここぞとばかりに足を動かして外に出はじめた。
「ああ、、っ!いや、、っ!だめぇん!?、、あ!ああっ!ぁはぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっっ!!」
その瞬間、
プシャアァァァァーーーーーーッ!
彼女は雷を受けたように全身を突っ張らせ、女芯から潮を勢いよく吹かせたのであった。
アクメに達したのだ。
だが、幼虫は止まらない。
そのまま足を一所懸命動かし続け、外ににじり出てゆく。
「ああっ!いやぁぁ、、っ!いやあぁぁぁーーっっ!!」
プシュッ、、プシュウゥゥーッ!
アクメに達した体をさらに擦り上げられ、続けざまに潮を吹かされる。
「っはぁぁぁ、、、っ!やめてえぇぇぇ、、っ!んああああ、、、っ!とまらなぃぃ、、、、っ!ああああああ、、、、っ!」
体は何度もはねた。握り締められた指が固定された蜘蛛の糸に食い込んでいた。
大いなる快楽に突き上げられ、彼女の瞳は焦点を失い、意識が飛びつつあった。
そして、数分後。
徹底的に潮を搾りだされ、水浸しになった床の上に「彼女の子」がドサリと落ちたのであった。
「ああ、、、ああああ、、、、、」
言葉にならないようであった。
床に落ちた「わが子」がもぞもぞと動く。
「、、、して、、、、こ、、ころして、、、いっそ殺してよぉぉぉぉ、、、」
朦朧とした意識で、彼女は涙を流し、つぶやいた。
しかし、無常にもそれは許されなかった。
「あはぁぁーーーっ!!」
新たな快感に肌を粟立てる。
続けて2匹目が外に出ようとしていたのであった。
一回に何匹出産されるのか。何回、嫌々望んでもいない絶頂に上り詰めなくてはならないのか。
「もうやめててぇぇーーーっ!!」
彼女は泣き叫びはじめた。
薬が切れはじめているのか、、、俺がそう思った瞬間、
蜘蛛がさらに彼女の白い首に牙を沈めたのであった。
「ああああっ!!」
美しく白いのどがわなないた。
「はぁっぁ、、いやぁぁ、、、、、、、、、、、もう、、、、いやぁぁぁ、、、」
とたんに彼女の声が弱々しくなってゆく。
先ほどは量が少ないと思ったのだろうか。子を傷つけられてはたまらないとばかりに、
今度の注入は、ずいぶんと長く行われた。
そして、大量の薬が彼女の体を駆け巡ってゆく、、、
「いゃぁぁ、、、っ、はぁぁぁ、、、っ、、、」
手に。足に。体中に。そして、心にまで。
「ああ、だめええぇぇ、、これいじょうだめぇぇ、、、、、と、、溶けるぅ、、、私、、、溶けていっちゃうぅぅ、、、」
そして彼女の最後の涙が力なく流れ落ちたのであった。
蜘蛛が再び彼女を離れようとしたとき、ほとんど動かない彼女の手が蜘蛛にやさしく触れ、
「う、、うふ、、、、、うふふ、、かんで、、、もっとかんでぇぇ、、、、、、?」
甘ったるい声。いとおしい男に抱いて、とベットでねだるときの声。
蜘蛛の注入した薬は彼女の理性すら塗り替えてしまったのであった。
腹の中の幼虫はソレを待っていたかのように動き出した。
「はぁんっ!」
今度は女はまるで抵抗を示さず、歓喜とともに全ての快楽を自分の肉体で受け入れてゆく。
「かんじるっ!はああ、、、っ、そこ、、そこっ!もっと!もっとこすってぇっ!!」
「いいっ!、、すご、、っ!、、、ま、、また出ちゃう、、、っ!ああっ!ああっ!はああぁぁーーーーーーんっ!!」
一匹、そしてまた、一匹。
幼虫どもは教えられたかのように例外なく、彼女の中を満遍なく愛撫した後、Gスポットを責め立てつつ、外に這い出てきた。
奴らが生まれるたびに、女は潮を吹いて体を震わせ、嬌声と共に果てる。
反り返る体に汗を飛び散らせ、顔は蕩けきっていた。
「もっと、、もっとぉ、、、っ!うませてぇぇ、、、、っ!」
おぞましいはずの快楽に体を満たされ、歓喜する彼女は、完全に虫どもの奴隷と成り果てていたのである。
「ふぁんっ!あんっ!あんっ!、、、、ぁあああああぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!」
そして7匹目の幼虫を生んだとき、出産はやっと終わったのであった。
「あああ、、、はああああ、、、、」
完全に肢体を脱力させる女。
弛緩しきった表情で、垂れているよだれをまったく気にしていないようであった。
彼女が生んだ幼虫を黒蟻達が保育室に大切に運んでゆく。
赤蟻がやってきた。彼女の頭の上に口を突き出し、そして琥珀色の大きな雫を浮かばせる。
彼女は口を開け、落ちてきたソレを飲み込んだのあった。
「んくっ、、。、、うふ、、、うふふふ、、、甘くておいしい、、、」
恍惚とする彼女。
苗床を生かすための栄養剤であろうか。
周辺でも、やはりココと似たようなことが行われていた。
責められ、弓なりになる肉体。
勝手に動く腰。
篭絡される心。
女たちの悲しくも甘い嬌声が響き渡っていた。
だが、慣れてきたのか、俺はもうソレが気にならなくなっていた。
とにかく、これで俺の任務は終わった。
あとは、このカメラのスイッチを押し、画像を本部への送信を確認した後、暴れて死ぬだけだ。
生きれは帰れないだろう。
せめてここらの女を呪縛から死をもって解き放ってやるくらいだ。
、、、よし。
決心して、スイッチに手をかけながら立ち上がる。
目の前の女は今度は黒い蟻達に囲まれていた。四つん這いになっている。
ヘルメットが緩み、取れていた。
それは
俺の彼女であった。
俺の大切な、大切な彼女。
戦いが終わったら結婚しようと誓い合った彼女。
まだ一度も抱いたことのない。
数日前に、、、戦死したと聞いていた。
だから死ぬことが前提のこの作戦に参加したのに。
彼女はまだ薬が効いているのか、蟻の頭をいとおしいそうに撫でている。
ヘルメットのせいで顔に気が付かなかった。
音が割れていて声に気が付かなかった、、、
俺は、俺に気が付いた蟻達が目の前に迫ってくるのを呆然と見ていた。
蟻達は新たな卵の植え付けをしているらしい。
彼女は蟻達に貫かれ、よがり声をあげ、腰を振りたくっていた。
そして、
俺は最後まで、スイッチを押せなかった。
20××年×月×日
潜入作戦は失敗に終わった。
[END]