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「た、ただいま」  
リビングにはスーツの上着を脱いだ格好で酒を飲んでいる『彼』が  
ソファにだらしなく腰掛けていた。  
「んんー? ……あぁ、お帰り」  
ろれつが回っていない。かなり飲んでるみたい。  
「早かったんですね。来月までって言ってたのに」  
「あぁ。バカのおかげで、折角のプロジェクトが、だぁいなしにな  
ったんだよ。用済みになったから帰ってきたんだよぉ」  
お酒くさい息がここまで匂ってくる。かなり飲んでいるみたい。  
「お勉強はすすんでるかぃ?毎日まじめにやってるかぃ?」  
「え、ええ……」  
返事をしながらも後ずさるのは、ゆっくりと『彼』がこちらに歩み  
寄ってきたから。  
「どうして逃げるんだぃ?久しぶりに、可愛がってあげるのに」  
それが嫌だからだとどうして気づかないの。  
「私、今日は疲れてますから」  
「逃げるんじゃねぇよぉ!」  
鞄が床に落ちた。逃げようとした私は『彼』の手に捉まった。ぐい  
と引き寄せられて、そのまま強引に唇を奪われる。お酒の匂いで頭  
がくらくらする。  
「寂しかったよぉ。気が気でなかったんだ、一日も早く会いたかっ  
たんだよぉ」  
まただ。遠くを見る瞳。母さんの名前を連呼しながら私をフローリ  
ングの床に押し倒す。  
「ちょ……ッ! 叔父さん、私です! 笑です……!」  
抗議する私の口は侵入してきた舌に塞がれ、押さえつけられた体に  
は荒々しい愛撫が始まった。酔っているから乱暴さに磨きがかかっ  
て痛さしかない。  
久しぶりに味わうごつごつした太い指が秘裂をまさぐる感触。閉じ  
た谷間に乱暴に押し入り、乾いた粘膜をぐりぐりと擦る指が痛かっ  
た。  
 
「会いたかった、あいたかったよぉ!」  
濡れる間もなく私の下着は強引に引き脱がされた。  
「お願い、やめて下さい! こんなの……あうッ!」  
私の抗議の言葉は自分自身の喘ぎ声で中断されてしまった。さっき  
まで指で刺激されていた乾いた粘膜が、今度はぬらぬらとした舌で  
ほじくり返される様に嘗め回される。指で押し広げられて、唾液が  
たっぷりとからんだ舌を硬くして空割れにリズミカルに出し入れし  
てくる。  
「あッ、ああン!」  
他人の感触。オナニーでは味わえなかった他人の体温。  
自分ではない存在からの執拗な愛撫に、そして久しく忘れていた感  
触に私は声を殺すのも忘れて恥ずかしい嬌声を思いっきり出した。  
「雰囲気でてきたじゃないか」  
唾液でぬるぬるになった(本当は濡れてきたのかも知れない)あそ  
こから蜜を掬い取り、じんじんに痺れてきたクリの皮を剥いて直に  
触れてきた。びりっとする強い刺激に思わず腰が波打ってしまう。  
(あ……)  
こんなに簡単に濡れてしまったのは久し振りに他の人にされたから。  
意味の無い言い訳を自分にしてしまってちょっと情けなくなってし  
まった。  
一度溢れ出した蜜は止まらない。お腹が熱くむずむずする感覚がし  
て、ビラビラからとろりと流れ出す。流れ出した液がお尻まで汚し  
てしまう感触にまた溢れてくる。  
「すごいな、前はあんなに嫌がってたのに今日は大洪水じゃないか」  
今度はちゅぱちゅぱと音を立てて溢れてくる愛液を啜りだした。敏  
感になった私のあそこはちょっとした刺激を何倍にもして、甘美な  
電気が私の脊髄を駆け抜けていった。ざらざらした舌が粘膜を押し  
割ってかき回すように私の中をかき回す。  
「……ぅッ! ……ぁッ!」  
喜悦の稲妻が声帯を凌駕してしまって、もう声もだせない。  
 
一しきり私に愛撫をした『彼』はズボンを下ろしてパンツの中から  
黒光りする肉柱を取り出すと、儀式のようにそれを扱きだした。先  
から出てきた半透明の先走りが西日をてらてらと弾いた。約一月振  
りに見た凶器は思ったよりも大きくなかった気がした。あれよりも  
大きな玩具を『使っていた』から?  
「待ってろよ、今入れてやるから」  
あんなおざなりな愛撫でも今の私はみっともない位濡れていた。や  
っぱり他人にされるのは違う。逃げなくちゃ、逃げなくちゃと思っ  
ても体がいう事をきかずにその場でぴくぴくと手足が動くのが精一  
杯だった。  
綻んだ私の中心の花に熱い先端があてがわれる。  
『ドキドキシテルノハ、ドウシテ?』  
(……)  
『ホントウハウレシインデショ?ヒトリデハミタサレナカッタンダ  
モノ』  
(……)  
『イヤダッテイッテモ、ケッキョクハホシインデショ?』  
(……違う)  
『ナニモチガワナイ』  
(違う!)  
両脚を『彼』の肩に担ぎかけるような体位で、深く、凶器が挿入さ  
れてくる。硬い。そして熱い。  
プラスチックとシリコンの代替品では絶対に味わえない感覚。他人  
の欲望に埋め尽くされる、うろ寒い私の中の虚無。  
「ああッ!」  
最初の一突きで奥の奥まで届いてしまい、私は我慢できずにはした  
ない声を上げてしまった。イってしまいたい。けど、もう少し我慢  
すれば−−  
私の中の感触を味わった『彼』は、私の胎内を征服すべくピストン  
運動を始めた。  
際限なく溢れてくる私の淫液。擦れ合う粘膜と粘膜。混ざり合う吐  
息と、肉と肉がぶつかり合う音が夕方のリビングに響いた。  
 
『ミヲユダネレバイイノ。ソウスレバ、ラクニナレルカラ』  
(違う! そんなのは、違う!)  
『カレダッテ、チカクニイルノヨ?』  
(……!)  
『カレヲステルノ?』  
(違う! そんなんじゃない!)  
『カレハ−−』  
目の前に交錯する幻。  
裸で抱き合う彼とかなめちゃん。  
彼の背中越しに私を見据えるかなめちゃんの視線。それは嘲笑する  
ような、見下すような、氷のように冷たい視線。  
『誰を選ぶのかしら?』  
かなめちゃんが『私』の声で囁いた。  
「嫌ああぁぁッ!」  
力の限り叫んだ。涙が意思とは関係なくとめどなく流れてくる。  
「嫌よ! 嫌よ嫌ぁッ! こんなの、嫌ぁッ!」  
けど目の前にいるのは彼に似ても似つかない中年の男。息を荒くし  
て私を犯す、私の伯父。過去に捕らわれたかわいそうなひと。  
逃げ出したと思ってたけど、私は何も変わってなかったんだ。  
逃げ出せないでいる弱い私。嫌なひとに犯されてるのにこんなに感  
じてしまってる私。  
そう、これが現実。これが、現実。  
 
もうどの位彼の下にこうやって組み伏せられてたか覚えてない。不  
確かな感覚では、もうそろそろ『彼』が出してもおかしくない頃だ  
けど様子がおかしい。  
いつもは二次射精する犬みたいに出す直前にぐんと大きくなるのに  
今日はそれがない。『彼』の表情にもどこか焦りが感じられる。動  
きが何となく作業的に感じる。  
「……くそッ! 飲みすぎだ……」  
忌々しそうに吐き捨ててから、『彼』は動きを止めて私から楔を引  
き抜いた。  
「……今日は終わりだ。夕飯はいらないから、店屋物でも何でも好  
きにするといい」  
テーブルの上に革の財布をバン! と叩きつけてから私とした格好  
のままのろのろとリビングを出て行こうとして足を止めた。  
「今日はダメだったけど、明日からはまた楽しくやっていこうじゃ  
ないか……」  
振り返って虚ろに微笑む『彼』の表情に、私は黒雲の様に湧いてく  
る不安を払拭できなかった。  
 

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