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 いつもの時間。いつものバス。  
 通学ラッシュと通勤ラッシュで満員の車内。正直窮屈だと思うけど、私みたいなとろい女の子には一番向いていると思う。  
 以前は、この満員が嫌だったけど、1年も経てば慣れてしまう。それに。  
「…あ」  
 中3のころから次第に膨らみ始めた私の胸。最近ますます大きくなって、クラスの男の子とかにHな目でみられちゃう。恥ずかしいから、あまり大きくならなくてもいいのに。  
 その私の胸に触れる人。いつも同じバスに乗るサラリーマン風の人。いつも同じバスの同じ場所。  
 この人は私の胸に触れ、私もそれを拒まない。  
 口をきいたこともないけど、そんな関係が半年以上続いている。  
 きっかけは、すし詰め状態のバスが急ブレーキした時。  
 この人が身を呈して私をかばってくれた。両手でふんばって、みんなの体重が私にかからないようにしてくれた。  
 そのことを憶えていたから、何日かあと、弾みでこの人の手が胸に触れた時に、「この人チカンです」とか言わなかった。  
 ちら、とアイコンタクトして、OKしてあげた。  
 それ以来、こんな時間が続いている。誰も知らない、二人だけの秘密。   
 ある秋の日、気まぐれで制服の下にスリップもブラも着けずにバスに乗った。  
 いつものようにあの人の手が私に触れて、一瞬驚いたように動きが止まった。  
 久しぶりのアイコンタクト。  
 私は真っ赤になって目を伏せて、制服1枚ごしに乳首を弄ばれて下着を濡らした。  
 そんな日が続いたのに。あの人の姿が急に消えた。  
 会社員だから出張とかあるのかも。そう思って一月以上経った。  
 転勤とかしたのかもしれない。リストラされちゃったのかも。  
 そう思いつつ、私は今日も家を出る。  
 もしかしたら今日はあの人がいるかもしれない。私の胸に触れてくれるかもしれない。  
   
 今日も明日もいつもの道で…。  
 
 

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