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 なんか…… 苦しい。  
 胸の奥のほうが苦しい。  
 こんな気持ち、たぶん、はじめて。  
 
 私立青葉台高校は丘の上に建っている。通学手段は何を選んでも、自然と正門前に続く  
広い道を通ることになる。普通なら。  
「とりゃー」  
 気合一閃、張り出した竹の根をジャンプ台に、自転車が宙に浮く。高校に入ったときに  
買ってもらったMTBは、心地よいサスペンションとは無関係だが、悪路にはめっぽう強い。  
 高校の裏手に広がる林の中に消えかけた狭い道を発見したのは、今日の朝。  
この道が、何気なく通りがかったあたしの目にとまったってことは、きっと神様がここを  
通れって言ってるんだと思う。  
 初夏の鋭い日差しがうっそうと茂った竹の間からもこぼれて、舞い散る花びらの  
ような模様を体中に落としている。  
 しかし、そろそろ、学校が見えてもいい距離だとおもう。思ったよりも曲がりくねった道は、  
学校をぐるりと迂回する形でのびていた。わたしの体感では、たぶん、校門のすぐ横くらい。  
「うわー どいてー」  
 唐突に切れた竹の回廊から飛び出したわたしの目には、世界は真っ白な光であふれ、  
焦げ付くような熱気が肌を焼く感触がした。といっても、プールでけっこう焼けてるから、  
あまりかわらないかもしれないけど。  
「いたたた あ〜 ごっめ〜ん、大丈夫だった?」  
 タイミングばっちりだった。……に自転車で突っ込むのも、2回目。なんだか"運命"  
かもしれないとか、ちょっとおもった。  
 
 
「ねぇ、おにいちゃん。なんかね、胸の奥のほうが苦しいって、どんなとき?」  
 お風呂上りに髪の毛を梳かしてもらいながら、お兄ちゃんに聞いてみた。  
「そうだなー、食べ過ぎたとか?」  
 弱温風のドライヤーにあわせてお兄ちゃんの手が髪をほぐすように動く。自分でやったら  
なかなか乾かないのに、お兄ちゃんの手にかかると、なぜか弱でもすぐ乾く。  
「ぶー、いつもとおんなじだよー、いっしょにたべたじゃんか。」  
 まだすこし湿ったかんじのある髪に、ブラシが当てられ徐々にまとまっていく。  
「じゃぁ、そうだなーやっぱ、恋してるときかな」  
 プールの塩素消毒でだいぶ痛めつけられてるはずの髪の毛も、毎日のようにお兄ちゃんが  
手入れしてくれるおかげで、それほど荒れてもいない。  
 いや、あたしの髪の毛が丈夫なのかもしれないけど  
「え?、やっぱり?そうか〜恋か〜」  
「お、なんだ、ついにおまえもそ〜ゆ〜のわかるようになったか?」  
 お兄ちゃんのからかいの声に、えへへと、ちょっと笑ってみせる。  
「そうだな〜、うちの田舎だったら、"夜這"とかまだやってるけど、ここじゃな〜」  
「よばい? それどうやるの?」  
「いや、よるこっそり相手の家に会いに行くんだ。」  
「それから?」  
「まぁ、いろいろだ。」  
「ずるーい 教えてよー」  
「しょうがねーなー ちょっと待ってろ」  
 おにいちゃんが携帯電話でだれかに連絡をとっている。  
 
「だれ?」  
 おにいちゃんから帰ってきた答えは、小さいころよく遊んでもらった、近所のお姉さんだった。  
近所といっても、山一つ越えるんだけど。  
「こんばんは、ひさしぶり」  
 それから30分ほどして彼女がやってきた。彼女は大学に通うために隣町にすんでいるそうだ。  
 おにいちゃんが彼女の耳になにかささやきかける。いつものやさしいおにいちゃんとちがう、  
オトナみたいなかんじだった。  
「じゃぁ、ようこちゃん。みてて。」  
 お兄ちゃんが、ソファーにすわると、彼女がその前にひざまずく。  
口を股間に近づけると、ジーンズのファスナーを咥え、おろしていく。  
ファスナーの開いた口から舌を差し入れ、下着の上からおにいちゃんのおちんちんに舌を這わせる。  
あたしは徐々に大きくなっていくお兄ちゃんのそれを、何もいえないまま見ることしかできなかった。  
 あるていど大きくなったところで、彼女がトランクスを咥え、引っぱる。  
いつも洗濯のときに見慣れてるはずのそれが彼女の唾液で濡れ、妙にいやらしく見えた  
布の締め付けから解き放たれたおにいちゃんのそれがそそり立つ。  
ちいさいころにみたそれとはとても同じモノとは思えなかった。  
 彼女がそれにキスをした。続けて先端を口に含む。彼女がもごもごと口の中でそれを転がす。  
 たくさんの唾液が唇からこぼれて、お兄ちゃんのそれをなまめかしい色に変えていく。  
唾液が全体に行き渡ったころ、彼女が顔を上下に動かし始める。時折彼女がのどを鳴らす声が、とてもいやらしかった。  
 お兄ちゃんが、彼女の髪に手をおいて、髪を手ぐしで梳かし始める。  
 さっきまでわたしの髪を梳かしていたはずの手が、えっちにうごめいていた。  
 
 その手が合図だったかのように、彼女がはじめて手をつかい、おにいちゃんのベルトをはずし、  
ズボンとトランクスをおろす。それまでトランクスに染み込むだけだった唾液が、袋の方まで滴っていった。  
その唾液を追うように彼女の口が竿から離れ、袋を口に含む。手で竿を刺激しながら、玉袋を口に入れたり  
だしたりを何度も繰り替えす。  
 お兄ちゃんが股を開いて腰を浮かせる。彼女の口が玉袋を放すと、もっと下にもぐりこんでいく。  
 わたしの方をちらっとみると顔を少し浮かせる。  
 突き出された舌が、彼女が何をしていたかを物語っていた。  
 彼女の手が竿をしごきながら、時折先端を押さえる。お兄ちゃんのアナルの中まで舌が入っているのだろう、  
お兄ちゃんの玉袋が序々に縮んでいく。  
 お兄ちゃんが、彼女の頭をぽんぽんと叩くと、彼女が顔を上げ、口の中の唾液を一度飲み込む。  
 続けて竿を喉まで飲み込むと音おたててそこにある粘液を吸い出す。  
 お兄ちゃんが、声を押し殺して小さくうめく。彼女の口の中で、何かがびくびくとうごめいている。  
 やがて脈動が止まると彼女が顔をあげ、軽く口を開いてにっこりと微笑む。口の中に白い液体が溜まっている。  
 お兄ちゃんが彼女の頭をなでると彼女はわたしの方を向いてからそれを飲み込む。  
 同じタイミングで、わたしも思わずつばを飲み込む。  
 彼女が口の端からこぼれそうになった雫を舐め取る舌が、別の生き物のように見えた。  
「じゃぁ、脱いで」  
 お兄ちゃんの合図で彼女がワンピースに手をかける。ワンピースの下は、体操服とブルマだった。  
 サイズが合っていないのか、体をぴっちりと締め付けるそれは、体の形を忠実に示している。  
 彼女がふりむいてお兄ちゃんの足の上に座る。ブラなんてつけていないみたいで、乳首が立っているのが  
服の上からもわかる。お兄ちゃんの右手が後ろから彼女の股間に伸ばされる。  
 股間を上下する手の動きに合わせて、彼女の息が荒くなっていく。  
 
 じっとり湿ったブルマは彼女の股間にぴっちりと張り付き、クリトリスが勃起してきているところまでわかる。  
たぶん、ブルマの下も、なにもつけていない。  
 体操服のしたからお兄ちゃんの左手が乳房をもんでいる。反対側の乳房は、体操服の上から自分で刺激している。  
思わず自分の手が自分の乳房に伸びようとするのに気が付いて、顔が赤くほてった。  
 彼女がお兄ちゃんの首に手を回し、キスをせがむ。  
 お兄ちゃんが口から舌を出し、唾液をたらす。大きく口を開けた彼女がそれを受け止め、伸ばした舌をお兄ちゃんの  
舌に絡めていく。  
 ふたりが互いの舌を求めるくちゅくちゅと言う音が響く。  
 ふと気づくと、おにいちゃんのおちんちんが彼女のあそこをこすっている。  
 その動きに合わせて、彼女が腰をひくひくと動かしている。  
「も、もう、だ、だめです。おちんちんを、く、ください。」  
 彼女がいやらしい台詞を口にする。  
「どこにほしい?」  
 お兄ちゃんのその台詞に、彼女がうれしそうな顔をして答える  
「お、おまんこに、わたしのいやらしいおまんこにあなたのおちんちんをください」  
「よじ、ブルマをずらして自分で入れろ」  
 彼女がうれしそうにお兄ちゃんのおちんちんをつかみ、ブルマをずらして自分の膣へ突っ込む。  
「おいおい、入れただけでいっちゃったのか?」  
 入れただけで体をびくびくと引きつらせている彼女をお兄ちゃんが後ろから抱くようにして上下に動かし始める。  
 彼女は口から唾液を滴らせながら、その都度甘い声をこぼす。  
 ひときわ大きな吐息が漏れると、お兄ちゃんの手が、結合部をなでるように彼女のアナルの方へと動く。  
 カチ ヴヴヴヴ  
 なにかスイッチが入る音と、低いうなるような音が響く。  
 
「やっぱり、入れてきてたのか」  
 彼女がかくかくとうなづき、声を出さないままカハカハと空気を求めるように喉を鳴らす。  
 お兄ちゃんが押さえてないと、髪を振り乱すように頭を振る彼女の体は、床に投げ出されてしまいそうだった。  
 不意に、おにいちゃんが手を彼女の体の前に回して肩を抑え、自分に押し付けるようにして押し黙る。  
彼女がおにいちゃんの肩に頭を預けるように宙を仰ぎ、体の奥からアともエともつかない声を絞り出す。  
 ヒトではない、なにかもっといやらしい生物のように思えた。  
 不意にふたりが糸の切れたマリオネットのように床に倒れこむ。ふたりとも、肩で大きく息をしている。  
 どうしようと立ち上がったとき、自分の股間が恥ずかしいぐらいぬれているのに気がついた。  
 思わず座りなおすと、手をついた床までも濡れていた。  
 
 
「どう? わたしたち、参考になったかしら」  
 彼女の台詞におもわず何度も首を振る。  
「おまえがこの格好でオレのトコに"夜這"にきたのは、15歳の誕生日だったっけ?」  
 おにいちゃんの台詞に彼女がうなづく。  
「あのときは痛い痛いってずいぶん暴れたんだよな。家族にばれないかひやひやしたよ。」  
「だって、ホントに痛かったんだもん。それに、濡れてないのに無理やり入れたのあなたよ。」  
 ふたり顔を見合わせてくすくすとわらう。  
「おにいちゃんたちは、おまえが本当に選んだ相手なら、応援するからな。」  
 ふたりが真顔になって、うなづく。  
 時計は12時を回ったところだった。立ち上がって外に出られる服に着替えようと、制服のスカートを手にとる。  
ふと思いついて、ふたりに聞いてみた。  
「ねぇ、下、水着の方がいいかな。」  
 ふたりがにっこり笑った。  
 
〜END〜  

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