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(略)  
「一生許さないんだから」  
 
 弥子と二人、草むらに座り、いままですれ違っていたこころを埋めていく。  
 恥ずかしさを全部ぶつけて、お互いがお互いを好きだったことを確認しあう。  
 星が空に瞬き始め、夏草の隙間から差していた夕日の残滓が彼女の髪から  
零れ落ち消えても、二人顔を真っ赤にしながら、なくしていた時間のピースを  
埋めていく。  
 いや、時間なんてわかってなかった。ただ、ずっと、二人でいたかった。  
 雲ひとつない深い藍で塗りつぶしたような空に浮かぶ月と銀の砂が二人を照らす。  
 川を渡る風が夏草をざわめくように揺らす。  
 くしゅん  
 弥子が小さくくしゃみをした。えへへと笑いながら僕にぴったりと寄り添う。  
 風が吹いていても、本当ならくっついていたら暑くてたまらないと思う。  
 だけど、彼女の体温がとてもとてもいとおしかった。  
 
 ふいに、虫の声が途絶えた。風が草を揺らす音に混じって、遠くの車の  
クラクションが妙にはっきり聞こえる。  
 二人とも一度できた静寂を壊すのをためらった。  
 彼女の手が僕の腕にかかる。彼女に向き直ると、彼女が目を閉じ、上体を寄せてくる。  
 そのささやかな静寂を壊すことのないコミュニケーション。  
 耳には衣擦れの音と互いの触れ合う音だけが伝わる。  
 唇には柔らかな感触が伝わる。  
ぅん  
 弥子の喉が空気を飲み込む。  
 そろそろと少しずつ互いの唇を開き、舌を交わし、唾液を交換する。  
 甘いはずないのに、舌は弥子の味を甘いと感じる。  
 倒れこんだ青草の香りが弥子の髪の匂いと混ざり、鼻をくすぐる。  
 弥子の手に自分の手を重ねる。指と指を絡ませ、しっかりと握る。  
 弥子の右ひざが僕の足の間に割って入り、右の腿に両足を絡ませる。  
 それに答えるために、僕も彼女の足に自分の足を絡ませる。  
 ほんの一瞬、息を継ぐために唇が離れる。その瞬間が妙に長く感じる。  
 互いの粘膜と粘膜を絡ませ、チアノーゼをおこしそうなほど唇を貪る。  
 
 再び、虫が鳴き始めた。  
 どちらともなく、唇を離す。互いの舌を名残惜しげに銀の糸がつないでいる。  
 弥子の目を見つめる。潤んだ目が、僕を見つめたまま、小さくうなずいた。  
 絡まりあったお互いの手足を解く。  
 自分でスカートのボタンをはずそうとする弥子の手を押しとどめて、  
ぎこちないながら彼女の服を脱がせていく。  
 サマーニットに手をかけ、脱がそうがどうか迷う。  
「いいよ、脱がせて……」  
 でも、誰かに弥子の体を見せたくないというと彼女が小さく笑う。  
「あなたに、みてもらいたいから。それに、見てるのは、お月様だけ……」  
 
 両手を上げた彼女の体からそれを抜き取る。  
下着姿の彼女がちょっと恥ずかしそうにわらう。  
「まだ、あんまり、女らしくないけど、ここまでがんばったんだよ。」  
 フロントホックのブラに手をかけながら、そんなことないすごく女らしい体になったと囁く。  
 でも『がんばった』ってどうやってとたずねると、急に真っ赤になる。  
「その、女性ホルモンをね…… たくさん出すの……  
 ひとりエッチするとでるって聞いて…… いっぱい…… 毎晩……」  
 おもわず固まる。この幼い顔で、夜毎、ひとりエッチをしていた。  
 たぶん、僕のことを思って。  
「軽蔑した?」  
 ちょっと目を伏せた彼女にそんなことないという。僕を思ってしたんだろと聞くと  
恥ずかしそうにうなずいた。  
 不意をついて彼女の唇をもう一度奪う。  
 ショーツの上から彼女の股間をゆっくりとこする。  
 しっかりと僕の首に両腕を巻きつけ、僕の手の動きに体を任せる。  
 唇をはずすと、彼女は恥ずかしいといって両手で顔を覆った。  
 首筋からゆっくりと彼女の柔肌についばむようなキスをする。  
 唇が彼女の肌に触れるごとに小さくピクピクと反応する。  
 二つの柔らかな丘を両手で羽毛が触れるように撫でながら、谷間を唇が進む。  
 お臍まで進むとそこから戻って左の乳房に唇を寄せる。  
 手の刺激で存在を主張する乳首に唇が進むと、弥子が小さく息を飲んだ。  
 唇から舌を出し、くすぐるようにそこをなめる。彼女の唇から、ちいさな吐息がもれる。  
 反対側に移ると見せかけて、彼女の体から両手と顔をどかす。  
 えっ?と潤んだ目で見る彼女に、自分でするときってどうやるのとたずねると、  
赤い顔をさらに赤くしながら、ばかと小さく言う。  
 それでも彼女の手を胸に導くと、人差し指と中指で乳首をはさむように手のひらを当て、  
ゆっくりと小さく、手を上下させる。  
 
 かわいいよといいながら、彼女のショーツに手をかける。  
 自分で胸を刺激しながら軽く腰を浮かせた彼女からそれを抜き取ると、  
すでにクロッチはしっとりと湿っていた。  
 先ほどショーツ越しに触ったように手を当てると、うっすらとした茂みの奥は、  
ぬるぬるといやらしい液で湿っている。  
 こっちは自分でしないの?とたずねると、やはりばかといいながら、片方の手をそこに伸ばす。  
 僕の手と彼女の手が絡まりながら、彼女の秘裂を彷徨う。スリットを上下し、  
クリトリスを爪弾き、膣の入り口を探してもぐりこむ。  
 ぬらぬらを指にためてアヌスの入り口を撫でまわす。  
 なめてもいいとたずねると、やはりばかといいながら、両足を広げ、  
僕の頭が入りやすいようにした。  
 すでにそこはひどく濡れていた。舌が触れるだけでぐちゅぐちゅといやらしい音を立てる。  
 彼女の手はとじそうになる太ももを支えている。  
 舌が小さなルビーのしずくのようなクリトリスを探し出す。彼女が甘い吐息を吐き出す。  
 スリットを上下し、膣口へもぐりこむ。そこにはやわらかい何かがあるのがわかる。  
 たまらなくなって、服を脱ぎ捨てると、彼女がずるいと言った。わたしが脱がしてあげたかったと。  
 取り出したペニスは、これまでなったことがないほどに勃起していた。痛いほどだった。  
 彼女の体に覆い被さろうとすると彼女が止める。  
「わたしのカラダに、あなたの…… それが入るところ…… ちゃんと見て、覚えておきたい。」  
 彼女が手をついて体を起こし。両足を開いた姿勢で、僕を待つ。  
 膝をついて、体を寄せると、彼女の『入口』にそれをあてがう。  
 いくよと声をかけ、返事を待ってから、ゆっくりそれを差し入れる。陰唇に亀頭がうずもれ、  
入り口で小さな引っ掛かりにあたる。彼女に小さくうなずいて、それを破り、奥に押し入る。  
痛みにこらえながらも目を開いてそれを確認すると、ついに後ろに崩れ落ちる。  
 彼女に覆い被さり、根元まで押し込む。一番奥だねというと、彼女が小さくうなずいた。  
 彼女のそこは、狭く、熱かった。彼女が息を凝らして痛みに耐えると、びくびくとした  
脈動が僕を締め付ける。動かすなんてできなかった。また、唇を交わす。  
 痛みに耐えてはいても、彼女は、唇を、舌を拒まなかった。  
 
 彼女が、少しだけ腰を動かした。おそらく、同じところが地面に触れつづけつらくなったからだろう。  
 その瞬間、僕は果てた。彼女のナカに精嚢にたまった精液を吐き出す。  
 これまでに感じたことがない精通感だった。  
 こんなに体の中にたまっていたのかと驚くくらい大量の精液が彼女の中に注がれる。  
 はぁぁというまぬけな叫びをあげていた。  
 その精液の刺激に彼女も悲鳴をあげた。決してそれは快楽からではないと思う。  
 けれど、それは、とてもいやらしかった。  
 ほとばしりが終わると、二人、肩で息をしながら、もう一度唇を交わす。  
「ナカが、とっても…… あついよ。」  
 幸せそうな顔の彼女から少しなえたちんちんを取り出しながらごめんとあやまる。  
「ううん、わたしのナカで逝ってくれたから、とってもうれしい。」  
 そういって彼女が身を起こした。そして言う  
「次は、わたしの番。」  
 驚く僕を押し倒すように彼女が体を寄せる。逝ったばかりで脱力した両腕は、彼女を拒めない。  
いや、もし体力では拒めたとしても、彼女を拒むことはしないけれど。  
 彼女の舌が、僕の体を這い回る。  
 彼女の中で果てた僕のそれをなめまわす。  
「これが、わたしと、あなたの味ね」  
 破瓜の血の混じった精液をペニスからなめとって僕に言う。  
「おすそ分け」  
 口にそれを含んだままキスをする。生臭いような、苦いような、鉄のような複雑な味だった。  
 拒んでもいいかなとちょっとだけ脳裏に浮かんだが、互いの唾液でそれを混ぜ、分け合って飲み干す。  
 妙に、そのシーンにデジャビュを感じた。少し考えて、チンポに舌を這わせる弥子に尋ねる。  
 
「なぁ、ひとりでするとき、想像だけだった?」  
 弥子がふふっと笑った。  
「えっと、あなたから、マンガを一冊借りてるわ。」  
 一冊なくなっているマンガは身に覚えがあった。しかしそんなマンガなんか彼女に貸すはずがない。  
「るりちゃんに頼んで……」  
 納得がいった。そうなのだ、るり姉にエロマンガがなくなったなどと聞けるはずもなく、  
疑心暗鬼のまま泣き寝入りしていたのだ。  
「折り目がついたページがあったでしょ。わたしも、あれをよく読んだわ。」  
 それはたしか、ねちっこいフェラチオと、アナルセックスが売りのマンガ。  
「こっちはね、膜がないから、たっぷり慣らしてあるの。」  
 月を背に彼女が立つ。幼い彼女の顔が、口に笑みを浮かべ、やけに妖艶に見える。  
 唾液でべとべとになったペニスの上に彼女が腰をおろす。  
 片手でペニスを支え、片手で尻の肉を広げ、体を重力に任せる。  
「はぁぁん」  
 先ほどのと違い、それは明らかに快楽の吐息だった。ぎちぎちと締め付ける入り口と柔らかな奥の腸壁。  
そして、彼女の上げる愉悦の声。彼女が動き、嬌声を上げる。爆発しないように必死に耐えた。  
「おねがい、イって……」  
 彼女が僕にしがみつきそういうまで何とか耐えた。  
 びゅく、びゅく  
 先ほど彼女のバギナに出してもうでないと思っていた精液が、彼女の直腸に打ち込まれる。  
 彼女が口の端からよだれをたらしながら肛門から広がる快楽に耐えている。  
 よだれをなめ取るように口を這わすと、彼女の口が僕の舌を求めてきた。  
 
 アナルで繋がったまま、夜風を感じていた。  
 本当にこれでよかったのかと思いながら、彼女の顔を見つめると、眠たげな瞳でやさしく笑った。  
 この笑顔が見られるなら。迷うことはないと思った。  
 不意に、PHSが鳴った。ほっとこうかとも思ったが、るり姉からの着信を告げる  
メロディーを無視するには勇気が不足している。  
「ちょっとあんた、いっしょに弥子がいるでしょ? 弥子のうちから電話があったわよ。  
とりあえずうちにいるって言っといたから、あんた、なんとかしなさい。」  
 それだけいって答えを待たずに切られた。  
 弥子にそれを告げると、ぼくのPHSを取って家に電話をする。  
「うん、ごめんなさい。そう、遅いから泊めてもらう。え? だいじょうぶだよ。うん、わかった」  
 電話を切って僕に返す。  
「ちゃんと避妊するのよだって。ばれてる? ふふ」  
 彼女のセリフを聞いてぞっとする。たしか、最初ナカで……  
「ちゃんと責任とってくれるのにね〜」  
 妙にいたずらっぽい顔で僕の顔を覗き込む。  
 覚悟を決める。ひとつ大きく息をする。  
「ああ、一生いっしょにいような。」  
 まじめな僕のセリフに彼女はポッと赤くなった  
「ば、ばか、水泳部は生理日の調整のためにピル飲んでるの。だから大丈夫なの。  
あしたから、まいにちナカで逝っても、大丈夫なの。」  
 きょとんとする僕に飛びつくと耳元で小さく言った。  
「でも、うれしかった。一生いっしょにいようね。」  
-END-  
 

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