●ある男の愚かなる恋愛劇●  
4月○日  
この気持ちはなんだろう…この不思議な気持ち…  
こんな気持ちは初めてだ、なんというか、言葉に出来ない気持ち。  
 
高校に入学して同じクラスになった彼女、名前を書くのは小恥ずかしいな。  
 
「Y・M」    イニシャルで呼ぼう…  
 
その「Y・M」に対し、今まで感じたこともないような感情を抱いてしまった。  
これが恋というヤツなのだろうか?  
 
 
4月×○日  
今日は所属する部活動を決める日だ。  
最初は「サッカー部」にしようかと思った…中学の頃もそうだったから…  
 
…しかし、僕は「水泳部」に入部した  
 
「Y・M」と同じ部活…よし、彼女に一歩近付いたぞ!  
 
○月■日  
「Y・M」とは順調に仲良くなってきてる。  
一緒に話したり、下校したり、僕は彼女にどんどん近付いている。  
同じクラス、同じ部活、僕と彼女はもう友達といえる間柄ではあるだろう…  
僕は幸せだ……とてもとても幸せだ、彼女の笑顔、声、匂いを近くで感じるから。  
 
だが満足はしていない  
 
「友達以上の関係」  これが僕の望むものだ…  
 
●月■●日  
部活が終わったあと、更衣室へ向かおうとする「Y・M」を呼び止めた。  
僕は心臓が高鳴り、胸が張り裂けそうだった、今までの人生の中で最も緊張した瞬間だ。  
 
「キミのことが好きだ…僕と付き合ってくれ!!」  
 
勇気を振り絞り「Y・M」に僕の想いを伝えた…しかし、返事は…返事は…!  
 
「ごめんね…今、好きな人がいるの…だから…ごめんなさい!」  
 
僕の思惑通りに行かなかった、予想しえる限り最悪のシナリオだ…  
その場は呆然と立ち尽くすしかなかった……。  
 
家に帰った後、すぐにベッドの中に潜り込んだ。  
2時間以上は泣きながら丸まっていただろう…  
この日はそのまま泣きつかれて寝てしまった。  
 
●月△●日  
あれから十日…僕と「Y・M」は一切口をきいていない、  
お互い意識してしまって話しかけられないでいる……。  
 
なんてこった!こんなことなら告白なんかしなきゃよかった!  
 
少し前までの、あの時間が懐かしい…  
なんだかもう…あの頃が遠い昔のように思えてくる…  
もう一度彼女の笑顔、声、匂いを間近で感じたかったが、それももう叶わぬ夢だ。  
あの日以来、彼女は僕にとって近くて遠い存在になった。  
 
今の僕にとって彼女は…  
いつも輝いて見えるが、手の届かない遠くにいる、身近で遠い眩しい存在…「太陽」のようだ。  
 
■月●日  
「Y・M」が二年の男の先輩と仲良さそうに話しているのを見た。  
…僕はその先輩を羨ましく思った。  
 
■月■日  
ちきしょーーーーーーー!  
この間見かけた先輩と「Y・M」が一緒に下校するのを見かけた!  
なんで二年の先輩と!なんでだ「Y・M」!!  
 
二人はただの「友達同士」というわけじゃないようだ…  
ちきしょう…あんなニヤけた弱そうな男のどこがいいんだ…ちきしょう!!  
 
■月●×日  
あの男と「Y・M」は今日も仲良く一緒に下校かよ…  
今日は二人のあとをコッソリつけてやった…  
 
クソが…あの野郎手を握ってやがる…俺でさえ握ったことのない彼女の手を…  
彼女もそれを拒まない、二人は手を繋いで下校…  
 
明らかにただの「友達同士」ではないな、クソ…  
 
■月□●日  
今日は二人でデパートか、バッティングマシーンで遊んでいやがった。  
僕は二人に気がつかれない位置で、ひとり寂しく「わにわにハザード」をプレイ、  
ワニ「たべちゃうぞ〜」  「Y・M」を食べちゃいたい…  
ワニ「よ〜しいくぞ〜」  今の僕に行く勇気なんかない…  
ワニ「まいった!降参だァ〜!」 野郎と「Y・M」の仲睦まじい様子を見た僕の心境だ  
 
▲月■日  
 
最近は「Y・M」とほとんど口をきいていない、  
僕は最近、部活を休みがちなので、部活で彼女と話をすることもなくなった。  
教室や中庭で僕と話をすることもなくなった。  
 
僕はとっても寂しいが………。  
彼女に話し掛けたり、野郎と彼女の間に入ったりする勇気もない……。  
寂しく思うけど、彼女に再び近付く、勇気も行動力もないのだ…。  
 
太陽に近付きすぎて身を滅ぼした、「イカロス」みたいになりたくないから……。  
 
▲月15日  
最近の僕は部活にも行かず、写真部の主催する「ブラックマーケット」に行くようになった。  
 
「Y・M」の写真を買うためだ……  
 
彼女に近付く勇気のない僕の選んだ「偶像崇拝」という手段……  
きわどいポーズ、チラリと写る下着の写真、スクール水着の写真…  
そんな写真をオカズにオナニーに耽る僕…今はこれで満足してしまっている。  
 
偶像でも、活き活きとした彼女を感じられるなら…これで満足だ。  
 
▲月20日  
 
今日もブラックマーケットへと足を運んだ。  
 
隣の汗臭いデブが「おまえ、ヒナちゃんの写真は買わないのか?今売れ筋bPなんだぞ!」  
と、鼻息を上げるが…実に鬱陶しい…。  
 
僕は年上に興味ないのだ…そんなポヤヤンとした女じゃなくて「Y・M」がいいのだ!  
 
「キミィ!学園のマドンナ、有森瞳美様の写真は買わないのか?」  
「彼女は最高の被写体なのだ、その最高の被写体を最高の角度で撮った傑作!どうかね?」  
写真部の部長が僕に3年の先輩の写真を薦めてくるが…僕にはそんなものどうでもよかった。  
 
年上には興味ないし…そういう温室育ちのお嬢様っぽいのは嫌いなんだ…  
僕は太陽のように眩しくて元気な「Y・M」じゃないとダメなんだ、彼女じゃなきゃダメなんだ!!  
 
僕は「Y・M」の水着写真を購入した。  
湿った水着が肌に吸い付き、乳首の形があらわになった僕の「お宝写真」だ。  
 
▲月30日  
 
僕と「Y・M」は遠く離れてしまった…  
「Y・M」にとって、今の僕はただのクラスメイトにすぎないようだ…。  
 
学校の仕事などで話をする機会が出来たのだが。  
 
もう今の彼女は昔の彼女ではない…  
 
僕と接する彼女は、他の男子と接する彼女と同じなのだ、  
もう僕は…彼女にとって特別な存在でもなんでもない、ただの「モブ」…。  
 
その代わり、野郎とは日に日に親しくなってやがる…!  クソ……クソクソクソ…  
 
★月10日  
今日「Y・M」と野郎が一緒に帰るのを目撃!  
さっそく後をつけてやった!  
「丘の上の公園」  
僕は「Donコーヒー」を自販機で買った…  
…このクソ暑い日に、クソ熱い「熱帯ブレンド HOT」を買ってしまった。  
 
なにやら親しげに二人で話をしている、しかも手を繋いで…  
夏真っ只中、熱いコーヒーを手に僕は何やってんだろう…  
 
今日は「Y・M」のパンティが見えそうで見えない太もも写真で抜いて、寝た。  
 
★月15日  
僕は最近「Y・M」の写真では飽き足らず、  
自然と現物の「Y・M」を追い回すようになっていた…  
 
ストーカーじみたことをしているのはわかっているが…  
「わかっちゃいるけど止められない」という感じだ。  
 
ああ…今日もかわいいな…彼女は…  
 
僕のものにしたい、僕だけのものにしてしまいたい…  
 
★月20日  
最近の夢  
僕は虫取り少年、綺麗な蝶々の格好をした「Y・M」を捕まえて標本にしてしまう。  
僕の前に雪の女王が現れて、願い事を一つ叶えてやるという、僕は「Y・M」を氷漬けにしてもらう。  
僕が「Y・M」を剥製にしてしまい、部屋に飾るという夢も見たっけな……  
 
ああ…彼女がほしい、僕だけのものにしたい…彼女が身近にいてくれないなら、なんとしてでも…  
 
僕の頭は、最近どこかおかしくなってる様だ…もうこういう欲望はやめよう…  
 
★月25日  
「写真部ブラックマーケット」絡みの同級生、  
そいつは電子工作だのそういうののマニアなんだが…  
ソイツからトンでもない物を買ってしまった…  
 
「盗聴器」  
 
奴の話だと、電池の寿命は一月半ほど、受信範囲は100m以内、  
ぬいぐるみやカバンに仕込んで使う…そういうものらしい。  
 
これを小遣い前借してまで買ってしまった……ああ、僕はもうダメ人間かもしれない…。  
 
◆月15日  
「Y・M」のカバンに盗聴器を仕掛けてしまった…僕は犯罪者だ。  
 
「Y・M」の家の近くの公園、そこのベンチに座りながら盗聴器の効果を試してみる。  
 
「ねぇ、ゆうた…」 ゆうたって誰だろう?野郎のことか?それにしても…彼女の甘い声は何時聞いても可愛い…  
「やこ…」 男の声!?  おいおい…!野郎も部屋にいるのか!  
「ちゅう…くちゅ… ゆうた… やこ…」 二人は唇を重ねているようだ…しかも深そうだ…  
 
僕は今までの人生で、かつてなかったほどの殺意を抱いた!  
 
野郎!!!!! ぶっ殺してやる!!!!!!!!!!!  
 
◆月20日  
野郎の名前は「森崎勇太」というらしい、  
「Y・M」の幼馴染で、3年に姉がいるそうだ…  
 
最近は「Y・M」と毎日のように手を繋いで下校してやがる、忌々しい奴だ…。  
 
◆月25日  
野郎の靴に画鋲を仕掛けてやった、踏んで痛がってた。  
今の僕にはこんな地味で子供じみた事しか出来ない…  
 
10月3日  
くそったれ!!  
 
野郎と「Y・M」がBまで進みやがった!  
 
「くちゅくちゅ」「きもちいい?」「…うん」「やこ…やわらかいよ」  
「大きくなったじゃん」「もう…」「揉んだらもっと大きくなるよ」「もう…スケベ…」  
「あン…そんなに掴むと痛いよ」「ごめん…」「もっとゆっくり」  
「こういうの恥ずかしくない?」「少し恥ずかしいけど…ゆうただからいいや」  
「ここはどう?」「うん…きもちいい」「くちゃ…くちゅう…」  
野郎の指と唇、舌が彼女の大切な部分や、彼女の胸を汚しやがった…  
 
「やこ…いいでしょ?」「だめぇ…まだ怖いの…」  
なんて言っていたが「Y・M」を汚されるのは時間の問題、安心は出来んな。  
 
10月15日  
ついに盗聴器の電池が切れた、これ以上の観察は不可能か…  
 
最近の僕は部活どころか学校も休みがちだ  
彼女を汚されるのではないかという不安感、  
何ともいえない喪失感、虚脱感…  
 
今日は一人、昼間から丘の上公園でコーヒーを飲みながらボーっとする…  
夕方は商店街の喫茶店「サフラン」でサフランカレーを食べた。  
家に帰ってからはすぐに寝てしまった。  
 
10月20日  
眠れない日々が続く、最近の生活は昼夜が滅茶苦茶だ。  
 
彼女のことを思うと…眠れない  
 
ああ…今頃は野郎のイチモツをアソコで咥え込んでアンアン言っているんだろうか?  
あんな無邪気そうな彼女も、腰を使って雌犬のごとく性感を貪るのだろうか?  
野郎のイチモツを口と舌で包み込んだりしているのだろうか?  
野郎が後ろから彼女を突きまくる姿、前から抱え込んでお互い抱きしめ合いながら果てる姿。  
獣のようにお互いの体を感じあう光景。  
「Y・M」は野朗のオスを、野郎は「Y・M」のメスの魅力を十分に楽しむ、  
そうやってお互いの体を楽しんでいるんだろうな…  
 
もう今頃は…  
 

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