次の日、学校で会った途端のぞみは真っ赤になって俺の前から消えた。
そんなことをされたら俺だって意識してしまう。
そのあとも極力俺と顔を合わせないようにしていたが、何かあると真っ赤になってうつむく。
これじゃあ俺たちに何かあったって触れ回ってるのと同じだよ。
おかげで何人かが興味津々といった顔つきで俺たちを見ている。
大須賀も不審そうな目で見てる。あいつは桂木綾音にしか関心がないから追究はしてこないと思うけど。
あ、柳沢はなぜか俺をにらんでる。なんなんだよ、いったい。
しかし参ったな……。
結局のぞみはその日一日俺から逃げ回りつづけた。
直接するのは恥ずかしくなくて電話だと恥ずかしいのか?わかんないなぁ……。
それでもこの出来事をきっかけに俺たちはよく電話で話すようになった。
たったそれだけのことで不満が解消されていく。
話している間は二人だけの世界だ。
話題は他愛のない雑談がほとんどだった。
そして何度かは俺たちは互いの淫声で登りつめた。
テストが近づいてきた。
あまり勉強をしない俺だが、なぜか成績だけはそこそこいい。
今回もいつもどおりにこなすか。
「大輔、ちょっと教えてくれる?」
のぞみが教科書を手にやって来た。
「どこ?」
「力学的エネルギー」
「の何?」
「全部」
「ぅおい!」
ツッコむ。
「だって物理苦手なんだもーん」
「かわいらしく言ってもダメ!」
「残念……」
「で、どこまで理解してる?」
「えぇとねぇ〜」
のぞみの不得手な内容を聞き、俺は簡単に図を書いて説明を始める。
……わからないとこ多そうだな。こりゃ長引くな。
突然ひらめいた!
「そうか、のぞみの家で勉強教えればいいんだ」
「? 今までそんなことしたことないじゃない」
俺はのぞみの耳元に口を近づけるとささやいた。
「そうすればエッチなこと出来るぞ」
「バカ!」
赤くなったのぞみにいきなり叩かれた。
のぞみの家。
勉強するから。そう言って弟たちの追撃をかわした俺はのぞみの部屋に入った。
もちろん勉強中は入ってくるなと強く言い聞かせた。あいつら守れるかな?
部屋に入っても制服のままでいるのぞみ。
「着替えないの?」
「できるわけないでしょ」
「なんで?のぞみの裸ならもう見たぞ?」
「バカ!そうじゃなくて」
「?」
「あんたがいるのに着替えたらおかしいでしょ」
ああ、そうか。
俺たちの十何年かの付き合いは知られていても、それは幼なじみとしてだ。
男と女の関係になっていない年頃の男女が相手の前で着替えるわけないよな。
「なるほどな。のぞみ考えてんな」
「あんたが考えなさすぎなの!ほんとにもぉ、もうちょっと注意払ってよね」
「ごめん……」
「でもそういうところも好き……」
赤くなってつぶやくのぞみ。
「え?何?」
「な、なんでもないわ!」
ちゃんと聞こえたぞ。誉められてんだかけなされてんだか……。
ベッドに並んで腰をおろす。そのまま抱き合う。
制服ののぞみ。考えたら制服姿でエッチなことをするのは初めてだ。
日常で最も見慣れた姿に対し、最も非日常の行為。理性が保てなくなりそうだった。
のぞみとの久しぶりのキス。それはこれまでの空白を埋めるかのように濃密なものになった。
唇が離れる。
ただ抱き合ってキスしただけなのに、すでに興奮が限界近くまで達している。
飢えているようで気が引けたが、もう我慢できそうにない。
「のぞみ…出したい」
「溜まってるの?」
「ごめん、おかしくなりそう……」
「…いいわよ」
ズボンを下ろすのはためらわれる。誰かに見つかったら言い訳できない。
チャックを開け、そこからモノだけを出す。
のぞみの指が巻きつく。
静かに揉むような動きからだんだんと力がこめられる。
腰の奥が熱くなる。思った以上に終了が近い。
経験の少ない俺には性感の頂上はそれほど高くない。
いつ弟たちが入ってくるか分からないスリルもそれを後押しした。
普段は見せないエッチな顔で俺を見上げるのぞみ。その媚態も性感を何倍にも高めた。
もうイク!
快感に身をゆだねようとしたその時、頭のどこかで警鐘が鳴った。
だめだ。のぞみの制服を汚してしまう。
「のぞみ、ティッシュかぶせて!」
「え?」
一瞬の間のあと、のぞみは箱から数枚を抜き出すと急いで鈴口を覆った。
「っ!」
その瞬間、しゃくりあげるように律動した勃起から何発もの濃化した精液が放たれた。
堰を切ったように放出された淫液は、のぞみがあてがったティッシュに次々と吸い込まれていった。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「気持ちよかった?」
うなずく俺。
「間に合ってよかったよ。のぞみの制服にかけるわけにいかないから」
「あ、ありがとう……ごめんなさい気使わせて。私が注意してなければいけなかったのよね」
「処女がそんなことに気が回るほうがおかしいって」
「でもエッチな処女よ……」
そう言ってのぞみは赤くなった。
のぞみの手で出してもらったのはこれで2回目だ。
最初の時は無我夢中で終わってしまったが、今日も同じ。
病み付きになりそうな快感。
女の子の手で射精させられるのがこんなに気持ちいいなんて……。
何度でも味わいたい。そう思った。
のぞみが湿って重くなったティッシュを広げた。
「すごい……。もう出しすぎよぉ」
そして鼻先に近づける。
匂いをかいでいるのか?
「のぞみ、それ」
「この匂い、好きよ」
「え?」
「大輔の匂い」
「いいから捨てろよ」
「ふふ、恥ずかしい?」
「あ、当たり前だろ!」
「大輔かわいい」
そう言うとのぞみはティッシュを名残惜しそうにくずかごへ捨てた。
おびただしい量の白濁を吐出し、満足したようにうな垂れたモノをしまう。
今度はのぞみだ。俺だけではなく、のぞみにもイッてもらいたい。
「のぞみ、今度は俺が」
「え、私はいいわよ」
「俺がしたいの!」
「強引」
「そうだよ」
「もう…」
それほど嫌がっているわけではなさそうだ。
安心してのぞみのスカートの裾から手を入れる。
ひざから太ももにかけての感触を楽しむ。
ショーツに手が触れた。わざとクロッチを避け、腰から恥丘にかけて手を動かす。
「あ…」
のぞみが声を漏らす。
唇を合わせる。
のぞみの意識が下半身から離れた一瞬を狙って股の部分に手を滑らせた。
「ん!」
唇をふさがれているため声を立てられないのぞみ。
(濡れてる……)
のぞみの股間はたっぷりと湿っていた。
唇を離す。
「もうこんなになってる。のぞみってエッチだな」
湿った溝の部分を指でさするようにしながら耳元でささやく。
「エッチじゃない……」
小さな声。
「うそ。じゃあどうしてこんなに濡れてるの?」
「それは……」
「それは?」
「やだ……」
「のぞみがこんなにエッチな子だなんて知らなかった」
言葉責め。
俺に苛虐趣味はないはずだが、なぜか興奮する。
「いやぁ……」
「のぞみって本当にいやらしい子だね」
「んふぅ……」
「エッチなのぞみ、大好きだよ」
「え?」
「おちんちん触って感じちゃった?」
「…うん」
「俺をイカせながら興奮した?」
「……うん」
「精液の匂い、好きなの?」
「……うん」
「自分もイカせて欲しいって思った?」
「………うん」
「いいよ、イカせてあげる」
「お願い。……イカせて」
真っ赤になったのぞみ。最後は聞こえないぐらい小さな声だった。
「のぞみ、直接さわりたい」
「うん」
「ちょっと立ってくれる?」
のぞみが腰を浮かせる。
スカートに両手を入れ、ショーツの腰の部分に指を入れると、そっと下ろした。
「座ってもいいよ」
「うん」
腿からひざ、そこからふくらはぎへと布を滑らせる。
のぞみの右足がちょっと上がった。
そこから片方を抜き去る。
続いて左足を上げるのぞみ。
だが俺は丸まった布地を足首に残したまま手を上へ持っていった。
「え?」
戸惑ったようなのぞみの声。
「全部脱がなくてもいい。こうすればさわれる」
そう言ってのぞみのひざを割った。
腿の内側を撫でるようにして手を奥へ進める。それに合わせてのぞみが鼻にかかったような声を漏らす。
指が腿の奥に行くにつれ湿り気が増していくように感じる。
足の合わせ目に到達した。
そこはすでに十分に潤っていた。
熱くほとびった肉のひだを指先でつまむ。軽く引っ張るように動かしてみる。
「あ……ん……」
のぞみがかわいい声であえぐ。
「気持ちいい?」
「うん……」
「のぞみ、お願いがある」
「なに?」
「イクとき、『イク』って言って」
「え?」
「だめ?」
「いや…恥ずかしい……」
「のぞみがイクのをちゃんと見たい」
「見ないでいいわよぉ」
「だめ、それじゃ不公平」
「ずるい」
「どうして?」
「見たんじゃなくて大輔が見せたのよ…」
「そんなこと言うかなぁ。俺をイカせたのは誰?」
「………」
「のぞみ?」
「言うかどうかわかんないわよ」
「だめなの?」
「ううん、そのときどうなってるかわかんないから」
「それならいいけど、できたら教えて」
「知らない……」
OKだ。続けよう。
左右のひだをはさみながら指を移動させる。
ひだが合わさったところの小さな突起。そこに指が触れたとき
「ひぁ!」
のぞみがひときわ大きな声を上げた。
「静かに。大きな声出すと弟に聞かれる」
のぞみはビクッと硬直すると、手の甲を口元に当て声を出さないようにこらえる。
「んん……」
それでも声が出るのか、くぐもった声で快感を訴えるのぞみ。
どうする。このままクリを攻めたらのぞみはもっと大きな声を上げるかもしれない。
少し抑えるか?それとも続けるか?
「のぞみ」
声をかけ、そっと後ろに倒す。
「声が出そうになったら、布団で」
のぞみはこくこくとうなずくと泣きそうな顔で枕を抱えた。
(のぞみに『イク』って言わせるのは無理だな)
しかし声さえ出なければためらう必要はない。
イカせる!
陰核をくじるように揉む。
「んんっ!」
のぞみが枕を強く顔に押し当てる。
「のぞみ、のぞみがイクときのエッチな顔が見たい」
のぞみは枕から目を覗かせるとふるふると首を振った。
(これもだめか)
「わかった、ごめんね」
イカせることだけに意識を集中させよう。
さいわい、かなりの力でクリをこすっても快感として伝わっているようだ。思う存分攻められる。
再開だ。
クリに指の腹を押し当て細かく振動させる。
軽く指先でつまんだり、指を曲げて爪の硬い部分で叩いたりする。
時には爪を立てて引っかいてみる。
そのたびにのぞみのこもった声が枕の下からする。
そのうち腰に力が入り、上に突き出されるようになる。
もうすぐだ!
最後に指の腹でもむようにしながら強く押し込んだ。
「んーーーー……」
悲鳴に近いのぞみの声。同時に体中がこわばる。
イッた!
糸が切れた人形のように動きを止めたのぞみは、一瞬ののち崩れ落ちた。
のぞみの横に仰向けになる。
のぞみはまだ枕を抱えていた。
「のぞみ」
枕が動いてのぞみが目だけ見せた。
「イッちゃったね」
その言葉を聞いてまた顔を隠すのぞみ。
「顔見せてよ」
動かない。
「のぞみ、お願い」
そのまましばらく待つ。
ゆっくりと枕がはずれた。
そうして俺の肩に額をつけると
「バカ」
小さな声でのぞみが言った。
その姿勢のままじっとしているとのぞみの呼吸が鎮まってきた。
「落ち着いた?」
「うん」
「『イク』って言わなかったね」
「もう!」
「あははは、嘘」
「キライ…」
「ほんとに?」
「うそ、好き!」
「あはははは」
「いじわる……」
「だってのぞみかわいいんだもん」
「知らない!」
そう言ってのぞみは向こうを向いてしまった。
「のぞみごめん」
「いや!」
怒らしちゃったかな?
「のぞみ、ほんとにごめん」
のぞみの顔を覗きこもうとするとのぞみは身をうつ伏してしまう。
「ほんとにごめんね。のぞみ怒らせるつもりはなかった。……俺、帰るよ」
ベッドから降りてカバンを手に取る。
部屋を出ようとすると
「待って。もっと一緒にいたいの」
のぞみに声をかけられた。
「のぞみ、怒ってる?」
「ううん、怒ってない」
「ほんとに?」
「うん」
「よかった。のぞみに嫌われたらどうしようかと思った」
「大輔を嫌いになんてなれない」
ほんのり染まった顔でのぞみは続けた。
「なんでこんな奴好きになっちゃったのよ……」
「勉強しようか」
もともとの目的を思い出し、のぞみに声をかけた。
「今日はいいわ」
「今日じゃなくていつやるんだよ」
「分かってる。でも今日はいいの」
「ま、のぞみがいい加減な性格じゃないのは分かってるし。じゃ明日やろうな」
「うん。明日はきっと」
そこで会話は途切れた。とはいえ、俺たちに会話は要らない。
一緒にいること。それだけで何も不満はなかった。
のぞみのいるベッドへ向かう。
腰を下ろすとのぞみが身を寄せてきた。
「どうした?」
「幸せ」
「俺も」
「うふふふ」
のぞみが安心したように笑った。
「あ、大輔ちょっとあっち向いてて」
「?」
突然変なことを言い出すのぞみ。
理由がわからずにいぶかしそうな顔をしている俺を見ると、のぞみは視線を足元へ送り、また俺を見た。
俺ものぞみの足元を見た。左足首に丸まった布キレがある。
なるほど。
そういえばさっき脱がせたっけ。
「履けばいいじゃん」
「だからあっち向いてって言ってるでしょ!」
「なんだよ、恥ずかしがらなくても」
「バカ!」
また怒られた。
「のぞみ」
「な、なによ」
身構えるのぞみ。
「またしたくなっちゃった」
「え?」
「だめ?」
「……そんなに何度も……痛くなっちゃうわ」
「大丈夫だよ。もっとできる」
「でも」
「のぞみがイヤならいい」
「どうしてもしたい?」
「うん」
「……いいわ」
「ありがとう」
「その代わり優しくよ」
「もちろん」
「『イク』って言わないかもしれないわよ」
「? 言うのは俺だろ?」
「え?」
「え?」
二人して何か誤解してる?
「違うよ、俺が出したいの」
「………バカ!」
結局のぞみは足首にまとわっていたものを脱いでしまった。
そっちの方がいろんな意味で危険だと思うぞ。
ベッドに座った俺のひざの上にのぞみがまたがってきた。
抱き合い、口付ける。のぞみの重みが心地よかった。
開かれたのぞみの陰部と俺のズボンのふくらみが触れ合う。
のぞみをイカせてからずっと、ズボンの中が苦しいぐらいに張りつめていた。
そのこり固まったものをようやく外界に解放すると、再びのぞみの手が包み込んだ。
やわやわと揉みほぐしたかと思うと一転して強く握る。
裏スジやカリ首を緩急つけてさすり、亀頭を押しつぶすように圧搾する。
とても処女のやることとは思えないのぞみの絶巧の手つき。
さっきはこんなことしなかったぞ?
そうだ、すぐに頂上を迎えた先程と違い、一度出した今は発射まで時間がかかる。
さっきはこうするまでもなく俺がイッたんだ。
得心が行った。
だが別の疑問が生まれた。どこでこんなの覚えたんだ?
一瞬のぞみに疑念が湧いた。まさかのぞみは……。
「あぁっ!」
あまりの喜悦に自然と声が出た。なんて気持ちいいんだ。
思考回路が麻痺する。もう何も考えられない。
「大輔、感じるの?」
じっと俺の目を見て聞くのぞみ。
「のぞみ……うっ…どうして…こんなに……あっ…上手なの?」
絶え絶えの息で聞く。
「練習したのよ」
俺の心に絶望が広がった。のぞみは他の男と……。
それでも確かめないわけにはいかない。
「……んっ……誰と?……うっ」
「イメトレ。だから安心して。私大輔にしかこういうことしないわ」
「のぞみ……うぅっ…わざわざ?……あっ」
「だって大輔に歓んで欲しいから……」
「のぞみっ……あっ…あっ……うれしいよ……あっ!…気持ちいいっ!」
「大輔、好きよ」
そう言うと俺の勃起を把持したままのぞみが唇を重ねてきた。
舌を絡めながらの手ずりに快感がいや増す。
我慢できない。限界だ!
「……っ!」
数瞬ののち爆発が起きた。
のぞみは手のひらで亀頭を覆うと、飛び散った俺の粘液をすべてその手に受け止めてくれた。
「あ…熱い……。それにこんなにいっぱい……」
のぞみのきれいな指先に俺の白濁がからみ付いていた。
続く