「かすみ、今日うち来いよ」
いつもの下校の道でかすみに家に来るよう誘った。
「え……」
目を泳がせ、俺の顔から視線を外したかすみが言葉を濁した。
それに構わず俺は続ける。
「な?」
「おじさんやおばさんは?」
「仕事で遅いんだ。だからいいだろ?」
「でも君ちゃんが……」
「君子は家庭部の先輩と調理実習の材料買出しに行くって言ってたから今日は遅いぞ」
「だって……」
「イヤなのか?」
「……なら、ちょっとだけ」
「よし!」
「でもさぁ、最近、私が雅人クンの家に行くだけだよね。昔はうちにもよく来てたのに……」
「それ小学生のときだろ? もう大人だぞ俺たち。……大人だからエッチしてるんだしな」
「! もうイヤだ、恥ずかしいよそんな大きな声でぇ……」
「あはははは」
「雅人クンったらぁ……」
かすみと一緒に帰宅する。
玄関に案の定君子の靴はなかった。
「かすみ、来いよ」
手を引っ張って部屋に連れ込む。そのまま俺のベッドにかすみを押し倒す。
「きゃっ!」
「かすみ……」
名前を呼びながら首筋に顔をうずめる。
軽く耳たぶを噛み、続いて首からのどにかけて舌を這わせる。
あごを経て唇にたどり着くと、そっと抱き寄せて口付けた。
唇を触れさせるだけの口づけを済ませるとかすみの目を覗きこむ。
「ここ、雅人クンの匂いするから……ドキドキして……」
頬を染めたかすみが言った。
「かすみ……」
セーラー服のホックを外し、胸に手を忍ばせる。そしてブラの上から張りのある双球をまさぐる。
布地が邪魔をしてかすみの胸が存分に楽しめないことにいらだった俺は
「背中持ち上げろよ」
そう言ってセーラー服の前を全部開けた。
「……うん」
浮かせたかすみの背中に手を回しホックを外す。
そのままセーラー服をたくし上げようとすると
「ま、待って。シワになっちゃう……」
かすみが困ったような声を出した。
「なら早く脱げよ」
「う、うん……」
身を起こすと、俺に視姦されながら制服を脱いでいく。
「雅人クン、目がエッチだよぉ……」
俺の視線に気付いたのか、かすみが小さな声で不満そうに言う。
「なんだ? 文句あるのか?」
「……ううん」
黙ったかすみは淡々と服を脱いでいった。
かすみが全裸になると俺も服を脱いだ。
「かすみ」
名前を呼んで抱きしめようとすると、
「ね、雅人クン。あのネ……」
俺の顔を見て口ごもる。
「わかってるよ」
机の引出しからコンドームを取り出す。
箱からひとつ取り出すとかすみの目の前で装着した。
「着けないとヤらせないってんだろ?」
「ごめんね」
「いいさ。さ、来いよ」
初めてかすみを抱いたとき、俺はコンドームを着けなかった。用意してなかったからだ。
幸い妊娠することはなかったが、それがわかるまでのかすみの憔悴ぶりは目に余った。
俺の行為がその原因となったことは明白だった。
以来、俺たちは事に及ぶ際は避妊するようになった。
かすみのことだ。俺が強く出ればナマでセックスすることも可能だろうが、さすがに心が痛んだ。
安心してセックスしたかったし、なによりかすみのつらそうな顔は見たくなかった。
かすみの股間に手を伸ばす。
そこはすでにかなり粘り気を帯びていた。
「準備万端ってところだな」
もっとかすみの胸を楽しみたかったが、出したいという欲望の方がまさった。
ひざでかすみににじり寄る。先端で淫裂を何度か上下させるといきなり挿入した。
「ぁあっ!」
白い首を大きく反らしてかすみがうめく。
俺はそれに構わず、かすみを組み敷くと大胆に腰を使った。
「あっあっ……雅人…クン」
「かすみ、痛いか?」
「平気…平気だよ」
「そっか……」
自分が射精することしか考えない乱暴な動きでかすみを攻める。
「あン、あン……」
それでもかすみは眉を寄せて小さなあえぎをあげた。
何度かかすみを突くうちに射精感が強まる。腰が止まらない。
(ヤバイ……イキそうだ……)
そして何度目かの抽迭のときだった。
「あっ、かすみ……うっっっ!」
溜まっていたのは事実だが、その瞬間はあっけなく来た。
びゅくっ! ずぴゅっ! どぴゅっ!………
かすみを抱きしめると、俺は一番奥で射精した。
萎えた肉棒を抜きさると俺はそのまま横になった。
かすみはのろのろと身を起こすと、コンドームを外し、俺の汚れた股間を拭き始める。
俺はぐったりと身を投げ出してかすみが処理を終わるまで目を閉じていた。
「雅人クン」
俺の名を呼んでかすみが隣りに横になった。そして俺の胸に頭を乗せてくる。
「かすみ、フェラチオしてくれよ」
「え……うん」
一度出しただけではまだまだ満足はしていない。
「ほら、早く」
「うん」
かすみは俺の声に促されるように股間に移動すると、力を失った欲棒を静かに握った。
「じゃあ、やるね」
その声が聞こえた次の瞬間、温かく湿った空間が俺の肉棒を包み込んだ。
下腹部に当たるサラサラした髪の感触が心地いい。陰毛がかすみの鼻息にそよぐ。
内部では舌が縦横に動き、その刺激に反応した肉茎がピクンッと脈を打った。
少しずつ力がみなぎっていく淫棒。かすみの奉仕が俺を再び勃起させた。
ある程度の硬度が戻ると、そこからかすみの動きが本格化する。
頭を上下させながら、口内では舌をレロレロと回す。その間も亀頭を強く吸引する。
「さすがかすみだ、フルート上手いな」
「あむ、ちゅっ……え?」
顔をあげて俺を見上げる。
「知らないのか? フェラチオのことフルートとか尺八って言うんだぜ」
「し、知らないよそんなこと」
一瞬で紅潮する。
「だけどもう覚えたろ?」
「いじわるぅ! それにフルートは吸わないし、舌だって使わないよ……」
そう言って真っ赤な顔で再びフェラチオを続けるかすみ。その動きはさっきよりも激しさを増した。
手を添え、肉棒をしごきながらの口撃。もう片方の手は袋を優しくこねる。
口の中では頬の内側の柔らかい部分に押し当てて愛撫される。
尿道口で舌先がチロチロとうごめく。カリのくびれには舌を引っかけるようにして弾く。
舌の腹で亀頭の裏側がこすりあげる。ザラザラした感触に腰がとろけそうな快感が沸き起こる。
俺が教えたこととはいえ、かすみの飲み込みの早さには驚かされた。
徐々にこみ上げてくる射精感に、たまらずかすみを制止する。
「かすみ、もういいよ。イッちゃう」
「ちゅっ……じゅるっ、んっ……出して…いいよ」
「ダメだよ、かすみの中に出す」
そう言ってかすみの口を股間から離すと、
「かすみ、今度は上になれ」
そう命じた。
「う、うん……」
かすみはさっき俺が放り投げた避妊具のケースからひとつ取り出すと、
「着けるね」
そう言って袋を破いた。
くるくると根元まで巻きつけると、俺の肉棒を右手に支えてまたがってきた。
位置を合わせる。
「雅人クン、入れるよ」
俺の目を見て聞く。
「ああ」
俺の返事を確認すると、かすみはゆっくりと腰を落としてきた。
「んんっ」
かすみがうめく。
「ああっ」
俺も快楽の声を上げる。
一度射精しているから今度は俺にも余裕があった。
かすみの中で締め付けを味わいながらゆっくりと上下させる。
「うんっ! あんっ、ぁ…ん……ッ!」
カリの出っ張りが肉壁をこするたび、かすみが艶めいた声で鳴く。
俺は下から手を伸ばすと、かすみのふくよかな胸を揉んだ。
乳房全体を手のひらに収め、指で乳首をつまむ。
コリコリとした乳頭の感触を楽しみながら、俺の指に従って自在に形を変える乳房を玩弄する。
「あんっ! ぅうんっ…ふぁ……くぅ」
かすみは俺に胸をなぶられながら自分で腰を動かしている。
少女趣味で、子供っぽいところのあるかすみが俺にだけ見せる「女」の顔。
そして、貪欲に性の歓びを享受しようとする姿。
かすみは俺のものだ!
俺は胸から手を離すとかすみの腰に添えた。
そしてかすみの動きに合わせて腰をグラインドさせる。
「ぅあっ!」
かすみがのけぞる。同時に膣が締まる。
「くっ!」
肉棒をきつく絞られ、俺の口から苦悶に似た息がせわしなく漏れる。
じっくりと攻めている余裕がなくなった俺はかすみの腕を取ると自分の方に引き寄せた。
かすみと胸を合わせる。背中に手を回し強く抱き合う。
「かすみ……」
「雅人クン……」
お互いの名前を呼んで見つめあう。
……自然に唇が合わさった。
舌を絡ませる。甘い唾液を吸う。音を立ててすすり、飲み込む。
唇が離れると、その一瞬が惜しいとでもいうように再び合わさる。
「かすみ、俺が上になる」
少しずつ性感の頂が見えてきた俺は自分のペースを取り戻そうと声をかけた。
「だめ。お願い、最後まで私にやらせて」
だがかすみはそれを拒んだ。かすみが俺に異を唱えることは珍しい。
このままではまた不本意な射精をしてしまう。
思い切ってかすみを組み伏せようとしたが、股間から湧き上がる甘美な感覚がそれを止めた。
(もうどうでもいい。どうなってもいい……)
俺は快感に身を任せた。
俺もかすみも自然に腰を振っていた。快楽が勝手に体を動かしていた。
「雅…人……クン」
息も絶え絶えのかすみが俺を呼ぶ。
「かすみ……」
呼び返す。
「あっ……んっ……」
本当に幸せそうな笑顔を見せ、かすみがあえいだ。
ダメだ、我慢できない!
その笑顔を見た瞬間、俺の中で爆発が起こった。
「イクっ、イクぞかすみっ! っっっ!」
びゅっ! どびゅっ! びゅびゅっ!………
かすみを抱きしめて腰を突き上げると、俺はすべてを解き放った。
「なぁかすみ……後悔、してないか?」
天井を仰ぎながらかすみに聞いた。
「え?」
「俺とこういう関係になったこと」
「ううん。今までの関係も好きだけど……こうなることも望んでたのかも……」
そう言うと、かすみは俺の胸に顔をうずめた。
「そっか……」
「うふふふ」
かすみが笑った。
「えっちしたらなんだか腹減ったな」
かすみの頭を撫でながらつぶやいた。
「くすっ。もう、雅人クンったらぁ。そうだ! 明日から毎日雅人クンにお弁当作るね!」
「なんだよいきなり。お前脈絡なさ過ぎだぞ」
「えぇ〜、いいでしょ? だめ?」
「いいよそんなの。第一大変だろ?」
「いつも自分の分作ってるから、一つ増えても同じだよ」
「そうか? ……じゃあ頼むわ」
「うん!」
かすみが本当に嬉しそうな笑顔になった。俺にだけ向けられるかすみの笑顔。
「なぁかすみ」
「なぁに?」
「好きだ」
「えっえっ? ……うん、私も」
俺は真っ赤になったかすみを強く抱きしめた。