「魔界王妃Na・Yu」  
   
「やっとイキましたね! おめでとう! このゲームをヤリ抜いたのは、君が初めてです!」  
「ゲーム?」  
「私が改竄した、壮大なストーリーのゲームです!」  
「どういうことだ?」  
「私は平和な恋愛ゲームにあきあきしていました。そこで18禁イベントを追加したのです」  
「何、考えてんだ!」  
「セックスは純愛ムードを乱し、面白くしてくれました。だが、それも束の間のこと。コンドームにも次第に慣れてきました」  
「そこで、生……か?」  
「そう! その通り! 私は、コンドームを上回る快感が欲しかったのです!」  
「何もかも、あんたが書き替えたプログラムだったわけだ」  
「なかなか理解が早い……。多くのモノたちが、ヒロインになれずに消えていきました。脇役化すべき運命を背負ったちっぽけな存在が必死に君を下校に誘う姿は、私さえも感動させるものがありました!  
 私はこの感動を与えてくれた君にお礼がしたい! どんな赤ちゃんでも産んであげましょう!」  
 
「子作りのためにここまでヤッたんじゃねえ! よくも緋菜ちゃんを、誠太郎の性のおもちゃにしてくれたな!」  
「それがどうかしましたか? すべては、私が書き替えたプログラムなのです」  
「ルリ姉は、非処女じゃなかった!(たぶん)」  
「神谷様にケンカを売るとは……、どこまでも楽しい弟だ! どうしても緋菜とヤるつもりですね。これも幼なじみのサガか……。  
よろしい。では杉骨が気付く前に、神谷様のチカラ、とくと目に焼き付けておけ!」  
   
   
奇跡って、あるんだなーって思う。  
彼と再会できて、止まっていたわたしの思い出が再び動きだして……  
   
あれから二年が経った夏、わたしたちは――  
   
   
【神谷菜由 幼なじみ編】  
   
Fin  

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