風呂上りの弥子は、パジャマ代わりにしているちびTとハーフパンツに身を包み、自室に入る。
ふと枕元に目をやる。そこには写真立てに入った二枚の写真がある。勇太の写真だ。
小さい頃、るりと勇太と三人で取ってもらった写真。
そして、学校でこっそり隠し撮りした、今の勇太の写真。
弥子は静かにベッドに腰を下ろすと、そっと新しい方の写真を手に取る。
「勇太……」
会えば憎まれ口を叩いてしまう弥子も、一人なら自分の気持ちに素直になれる。
一方の手が、静かにパンツの間に伸びる。
綺麗に手入れした茂み(水泳部だから当たり前だ!)を自ら掻き分け、秘唇を指でなぞる。
ぴりっ、と刺激的な快感が走る。
弥子はベッドに横たわり、写真を胸に抱いたまま、夢中で自分を慰める。
いつの間にか、もう一方の手はシャツ越しに乳房を弄んでいた。
まだ熟れていない瑞々しい胸を、やさしく揉みほぐす。
「ふうん……」
まだ家人は起きている。それが分かっているから、必死で声をかみ殺す。
秘所を触っていた指で、クリトリスを転がすように撫でる。
弥子はまだ一度も自らの中に何かを挿入した事はない。
自らの処女の証を傷つけたくないから。それは、いつか勇太にもらってもらうものだから。
「勇太……勇太ぁ……」
勇太の愛撫を受けるところを想像し、弥子は快楽に身を任せる。
「あっ……い、いっちゃうぅ……」
生まれたての子犬のように体を丸め、やがて弥子は静かにオーガズムを迎える。
「勇太、おやすみ……」
もう一度勇太の写真を見る。フレームの中の勇太にそっと口づけをし、弥子は部屋の電気を消した。
隣の部屋では、姉のオナニーに聞き耳を立てた弥子の弟が、これまた自家発電に勤しんでいたのだが、それはまた別の話。