夏の夕立ってヤツは、べとべとと絡みついてうっとうしい。  
学校帰り、突然の雨に降られた勇太はあわてて家に急ぐ。  
そして、生暖かい雨に濡れた制服を洗濯機に放り込むと、風呂を沸かすスイッチを入れた。  
(父さんが、お風呂好きでよかった)  
全自動お湯張り機能にジャグジー、清潔で明るい、広々とした風呂場。  
勇太の父がこの家を建てたとき奮発したものらしい。  
最近では忙しい父はあまり使う機会はなく、主に部活帰りのるりが汗を流すのに有効利用されている。  
(ま、どっちにしろこういうとき助かるよな)  
勇太が濡れた頭をタオルで軽く拭いているうちに、風呂が沸いた。  
脱衣場で素っ裸になると、勇太は浴室に入った。  
まずはシャワー。雨には結構砂埃が混じっているから、そのまま入ると風呂桶が汚れる。  
るりが入るとき、いちいち風呂桶を洗わされてはたまらない。  
(そう言えば、るり姉は傘持って出たっけ?)  
そう考えてから、勇太はありえないな、と首を振った。  
今日の天気予報は降水確率0%。勇太ですら傘を持って出なかったのに、あのるりが持っているはずはない。  
(今日は部活もないし、るり姉が帰ったときのためにさっさと上がろう)  
窓の外から聞こえてくる、激しい雨音を聞きながら、勇太はそう思った。  
体を簡単に流し、髪にシャンプーをつける。  
わしゃわしゃと両手を使って髪を洗う。いい気分。  
(昼間からお風呂って、何でこんなに気持ちいいんだろう)  
そんなことを思っていたときだった。  
 
「ただいま〜」  
玄関の方からるりの声がする。  
「あ、おかえり〜」  
勇太は頭を洗いながら、大声で返事をする。  
「勇太? どこにいるの?」  
「風呂場だよ〜!」  
「あ、もうお風呂沸いてるんだ、気がきくじゃない」  
嬉しそうなるりの声。ばたばたと廊下を走る音が勇太の耳に届いた。  
 
「もうべしょべしょでさ〜。気持ち悪いったらありゃしない。私も入るね」  
「え、ええ? 僕すぐに上がるから、それまで待ってよ」  
頭を洗っている勇太は身動きが取れない。とりあえずシャンプーを洗い流そうとシャワーのコックをひねる。  
しかしそんな事は気にせず、るりは、脱衣場でばさばさと音を立てながら制服を脱ぎ捨てている。  
「だからすぐ出るって言ってるだろ! ちょっと待ってよ!」  
「いいじゃない、たまには一緒に入ろ?」  
「な、何馬鹿なこと言ってんだよ!?」  
「何よ〜、昔はよく一緒に入ったじゃない」  
「そりゃ、子供のときの事だろ!」  
勇太が怒鳴り返しても、るりは平然と服を脱いでいく。  
すりガラス越しに、るりが片足で立ちながらするりとショーツを脱ぐのが分かった。  
「何よ、お姉さまに欲情してんの? いや〜、えっちぃ〜」  
るりがガラスの向こうでくねくねと腰を振った。勇太は思わず頭をかかえる。  
その時だった。  
「る、るりちゃん、やっぱり森崎くんが出るまで待ちましょうよ……」  
ためらいがちな、聞き覚えのある声。  
「あ、有森さん?」  
「も、森崎くん、ごめんなさいね。突然雨に降られたから、るりちゃんに……」  
どうやら雨宿りに寄ったらしい。というかるりが強引につれてきたのか。  
「駄目よ、早くお風呂に入らないと体冷えちゃうでしょ? ほら、瞳美も脱いだ脱いだ」  
「え? ええ? えええええええええっ!?」  
思わず絶叫する勇太。すりガラスの向こうで、裸のるりが瞳美の制服に手をかけるのが分かった。  
抵抗する瞳美。しかし、手馴れた様子でるりはするすると瞳美の制服を脱がしていく。  
「や、やめてるりちゃん……」  
そう言いながらも、瞳美はあっというまに下着姿にされてしまった。  
勇太にもぼんやりとブラジャーとショーツだけをつけた、半裸の瞳美が見える。  
思わず、オトコノコが反応してしまう勇太。さっと股間を押さえる。  
(と、とにかく頭を流さなきゃ……)  
勇太が大急ぎで残ったシャンプーを洗い流しはじめた  
よりにもよってこんな時に、大好きな有森さんが来るなんて。  
 
せっかく最近仲良くなったっていうのに、これじゃ元の木阿弥、告白なんて一生出来なくなるぞ!  
勇太は髪を洗い終わり、腰に小さなタオルを巻きつけ出ようとする。  
だが、遅かった。  
「や、やあっ、るりちゃんてばぁ……!」  
瞳美の声と、ガラスの向こうの様子から、瞳美が真っ裸にされてしまったのが分かった。  
腰に巻いたタオル越しに、勇太のアソコがぴんと屹立する。  
これじゃ、瞳美どころか、るりの前に出る事すら出来ない。  
「じゃあ、今から入るから。変な事考えたら、お姉ちゃん許さないからね?」  
その言葉のわりには楽しそうな声で、るりは風呂場の扉に手をかける。  
「わ、わわわわわわわわわわっ!」  
勇太は慌てて身を翻し、風呂桶に飛び込んだ。  
 
 
「お邪魔しまーす」  
陽気な声と共に、るりが入ってくる。ぺたり、と素足がタイルに触れる音がした。  
勇太は目を閉じて、入り口の方に背を向けて風呂に使っている。  
「なーに照れてんのよ、いいからこっち向きなさい」  
「だ、だって……」  
恥ずかしくて言葉に出来ない。いくら姉とはいえ、年頃の女の子の裸を見るわけには……。  
そう思って身を固くしていると、ぷっとるりが吹き出すのが聞こえた。  
「ばっかねえ。男の子がいるのに、裸なわけないでしょ? いいからこっち見なさいって」  
思いがけない言葉に勇太はおずおずと振り返る。  
るりのすらりとした足が見える。そろそろと視線を上に動かしていくと……。  
ピンク色のもこもことした布地。  
るりは体に大きなバスタオルを巻きつけていた。  
「……な、なーんだ……」  
ほっとしてため息をつく勇太。そのおでこを、るりはちょっと強めにデコピンする。  
「この、スケベ。お姉ちゃんの裸、そんなに見たかったわけ?」  
そう言いながらも目は笑っている。勇太は安堵からずぶずぶと湯船に顔を沈めた。  
そのとき、るりの体の向こうに、同じ格好をした瞳美の姿が見えた。  
 
「うぅぅわっ!!」  
変な悲鳴をあげ、また背中を向ける勇太。  
「ほら、瞳美も早く入りなさいよ。本当に風邪ひいちゃうわよ?」  
「ちょ、ちょっとるりちゃん引っ張らないでっ」  
るりに引っ張られて、瞳美も浴室に入ってきた。二人分の足音が響く。  
「あ、あの森崎くん?」  
「は。はははははいっ!」  
瞳美に声をかけられ、勇太の声が裏返る。  
「あんまり、こっち見ないでね……」  
「わ、分かっております!」  
思わず敬礼する勇太。あさっての方角に敬礼しても意味ないのだが。  
そんな二人を尻目に、るりだけが何も気にしない様子で、シャワーの温度を確かめたりしている。  
「じゃ、まずは髪を洗いましょうね〜」  
そう言うとるりは瞳美をプラスチックの椅子に座らせる。  
ぺたん。  
瞳美のお尻が、椅子と当たってちょっと濡れた音をたてた。  
(あ、有森さんのお尻、大きそうな音だった……)  
勇太は瞳美の方を見ることが出来ない。だが、見ないことで、一層耳が研ぎ澄まされる。  
るりが鼻歌を歌いながら、瞳美の髪を洗う音。  
シャワーが肌に当たる音。  
その一つ一つが、勇太の妄想を刺激する。  
いま、瞳美はどんな様子なんだろうか。肌はどんな色に染まっているだろうか。やはり薄桃色か。  
るりに体を洗ってもらうとしたら、やはりタオルは脱がなきゃいけない。とすると、全裸になるのか……?  
 
「るりちゃん、洗うの上手ね、美容院みたい……」  
うっとりとした瞳美の声。まだ髪を洗っている段階らしい。  
「お客様ー、どこかかゆいところはございませんかー?」  
間延びした、美容院のスタイリストの口真似をしながら、るりは瞳美のつやつやとしたロングヘアを洗っていく。  
きゅっと蛇口をひねる音がして、シャワーが噴き出す。  
るりは最後に、丁寧に瞳美の髪に残った泡を洗い流した。  
 
「じゃ、交代ね」  
ぺたん、ぺたん。  
瞳美のお尻が椅子から離れる音、そして今度はるりのお尻が椅子に当たる音がした。  
(……どうやら、るり姉より有森さんの方が、お尻は大きそうだぞ)  
考えまいとしても、御年頃の勇太、思わずそんな事を考えてしまう。  
そのせいで、勃起は全くおさまる気配を見せない。  
勇太の背後で、瞳美がこれまた鼻歌を歌いながら、るりの髪を洗う。  
「うらやましいなあ、るりちゃんの髪、すっごく艶があって綺麗」  
「えー、瞳美の方がいいじゃん。色っぽくてさあ。ま、私めんどくさくてロングは無理だけどね」  
そんな風に、お互いの髪をほめ合いながら瞳美の洗髪は続いた。  
男のようなショートヘアのるりの髪は、瞳美のそれよりはるかに短時間で洗い終わる。  
瞳美がきゅっと蛇口をひねる音がして、シャワーが止まる。  
「ふう……ありがと、瞳美。……さて、と」  
そう言うと、るりは勇太の方に顔を向けた。  
ぽん。るりが勇太の肩を叩く。  
勇太は何か嫌な予感がして、思わず体をこわばらせる。  
「じゃ勇太、背中流して」  
「は、はいぃ?」  
もう勇太はどうして良いのか分からなかった。  
 
 
勇太の目の前に、白い背中が二つある。  
勇太は腰にタオルをきっちり巻きつけ、手にもタオルを持って、立ちすくんでいる。  
「ほら、早くしなさい」  
椅子に座ったるりが振り向いて急かす。るりはタオルも全て脱いで、本当に真裸だ。  
脇からふっくらとした乳房が見える。残念ながら(?)乳首は腕の影になって見えない。  
一方の瞳美は、背中はさらしているものの、タオルをぎゅっと体の前に押し付けている。  
しかし、それでもうなじから、お尻まで、瞳の体を隠すものは何もない。  
憧れの、有森さんの裸……。  
勇太のアソコはすでに爆発寸前。頭は沸騰寸前だった。  
 
引き寄せられるように、瞳美の方へと近づく勇太。そこへるりの叱責が飛んだ。  
「おーっと駄目、まずはお姉さまを洗いなさい」  
「へ、な、なんで?」  
お預けを食らって、ぽかんと間抜け顔の勇太。るりはいたずらっぽく笑った。  
「まずはお姉さまの体で慣らしておかないとね。いきなり瞳美に触ったら、勇太、シャセイしちゃいそうだもん」  
「な、ななななななななにを言ってるんだるり姉っ!!」  
「シャ、シャセイって!?」  
顔を真っ赤にした勇太と瞳美が同時に叫んだ。それでもるりは平然としたものだ。  
「ほら、さっさと洗いなさい」  
るりにぴしゃりと言い切られ、仕方なく勇太は静かにるりの背後に近づく。  
勃起がすごいことになっていて腰のタオルが落ちそうなのを何とか防ぎ、るりの背後に跪いた。  
やさしくるりの背中を洗っていく。  
つるりとした肩、ほっそりとした背中。そしてわき腹へと手を伸ばす。  
「おっぱい、触ってもいいわよ?」  
「ば、馬鹿なこと言うな!」  
そう言われると、ますます脇の間から覗く姉の乳房が気になる勇太だった。  
しかし、隣には瞳美がいる。ぎりぎりのところで理性が本能に勝利した。  
るりの乳房に触れないようにしながら、両脇を洗い終わると、静かに尻の方へと手を動かす。  
優しく、二つのふくらみをタオルで撫でるように洗っていく。  
それはまるで大きな桃のようだった。タオル越しにも、その弾力ははっきりと感じられる。  
(さ、触っちゃおうか?)  
そんな不埒な考えを、頭を振って追い出す。大事な姉をそんな風に扱っちゃいけない……。  
何とかるりの背中全体を洗い終えると、洗面器に一杯湯をすくい、そっと洗い流す。  
石鹸の泡が流れ落ちていくのを見て、勇太はほっと息をついた。  
「よし、ありがと。前は自分で洗うから、今日はいいわ」  
「きょ、『今日は』って、どういうことだよ!?」  
「あら、今度は前も洗わせたげるって言ってんの」  
「え、遠慮するよ!」  
顔を真っ赤にして、るりから顔を背けると、同じく顔を真っ赤にした瞳美と目があった。  
「ほら、瞳美が待ってるわ。早く洗ったげなさいよ」  
 
笑いながら、るりは自分の体の前を洗い始めた。乳房も、足の間の茂みも、ボディソープの泡に隠れていく。  
勇太は少し名残惜しそうに、るりの背後から瞳美の背後に移った。  
「あ、あの……」  
「な、何かしら……?」  
とまどいがちに瞳美に声をかける。瞳美もぎこちなく答える。  
「洗い、ますから……」  
「え、ええ。お願い、するわ……」  
途切れ途切れに会話しながら、勇太はそっと瞳美の体に触れた。  
タオル越しに、瞳美の体のぬくもりが伝わってくる。  
いま洗ったばかりの髪からは、爽やかなシャンプーの匂いと、瞳美の匂いが立ち上っている。  
勇太の自分自身がそれに反応して「びくっ」と跳ねる。  
(お、おとなしくしてろ!)  
言うことを聞かない自分の体を叱りつけ、勇太はそっと瞳美の体を洗っていく。  
るりと同じく、まず肩とそれから細いうなじを。  
洗いやすいように髪を前に回した瞳美のうなじは、まるで日本絵画から抜け出してきたような色気を漂わせていた。  
震える手でそっと洗う勇太。  
勇太の手がうなじに触れたとたん、瞳美が「ひゃっ」と声を上げた。  
「ご、ごめんなさい……そこ、触られるなんて初めてだから……」  
勇太が謝るより先に、瞳美が口を開いた。肩越しに勇太を見つめると、また恥ずかしそうに前に向き直る。  
勇太はもごもごと謝罪の言葉のようなものをつぶやき、また体を洗い始める。  
瞳美の背中を伝って、勇太の手が下りていく。  
しなやかな弓形を描く瞳美の背中の曲線は、神々しささえ感じられた。  
勇太の手が下りるのにしたがって、瞳美の背がゆっくりと反る。まるで愛撫でも受けているように。  
「脇も、洗いますね」  
「ええ……」  
小さな声で呟く瞳美は、右手をあげて脇をさらしながら、左手で自分の乳房を隠す。  
勇太は出来るだけそこを見ないようにしながら、瞳美の脇腹を洗っていく。  
無駄な毛一本ない瞳美の脇から、なだらかなラインにそって越しへと手を動かす。  
「は、はぁぁあ……」  
瞳美の口から、艶っぽい吐息が漏れ、勇太はどきりとする。  
 
思わず瞳美の顔を見上げると、頬を染めた瞳美と目があった。  
なんでもないわ、と言うように首を振る瞳美。勇太は黙って作業に戻る。  
反対側の脇も洗い終わると、最後に瞳美の尻に取り掛かった。  
さっき想像したとおり、瞳美の尻はるりのそれより豊かだった。  
もちろんただ大きいというのではなく、しっかりとした締まりを持ってそこに鎮座している。  
るりが小ぶりの桃とすれば、瞳美は柔らかなおまんじゅうのようなイメージだろうか。  
自分でもわかるほどの動悸を必死で抑えながら、勇太はそっと瞳美の尻に手を添えた。  
円を描くようにそれを磨き上げる。  
もう、瞳美は悲鳴も吐息もあげなかった。  
そのおかげで、勇太は何とか瞳美の体を全て洗い終わる事が出来た。  
勇太が瞳美の背中を流し終わったのを見て、るりがにっこりと勇太に笑いかける。  
「はい。よく出来ました……それじゃ、私たちからご褒美をあげちゃおうかな?」  
「ご、ご褒美?」  
「『私たち』って……、何するの?」  
勇太と瞳美は同時に驚く。るりは自分の座っていたプラスチック椅子を、勇太の方にそっと差し出した。  
「私たちで、勇太を洗ったげる」  
 
 
ご想像の通り、勇太は抵抗したが、その程度で何とかなるなら今のような姉弟関係になるわけがない。  
勇太は背後からがっちりとるりに羽交い絞めされて、椅子に座らされている。  
何しろ、下手に暴れるとタオルがはらり、オチンチンがぽろり、なわけで。  
勇太はまな板の鯉になってじっとしている。  
背中にはるりの生乳が当たっているし、目の前にはタオルで身を包んだだけの瞳美がいるし。  
勇太の勃起はおさまりようもない。  
タオル越しの屹立を、るりと瞳美にばっちり見られ、勇太は死んでしまいたいほど恥ずかしかった。  
「ふーむ、やっぱ子供の頃に比べりゃ、立派になったわねえ」  
聞きようによっては大変失礼なるりの感想も、今の勇太には羞恥心を高める効果しかない。  
瞳美も、立派な勇太の股間の盛り上がりから目をそらす事が出来ない。  
その手にはボディソープをたっぷりつけたタオルが握られている。  
「じゃ、瞳美、お願いね〜」  
 
「あ、あの……なんで私、なの?」  
瞳美がるりに救いの手を求めて、そう問う。  
「私が洗ったんじゃ、ご褒美になんないし。やっぱここは久夏のトップアイドル有森瞳美様が……」  
「なっ、変な事言わないで、るりちゃん!」  
抗議の声を上げるが、るりは済ました顔だ。  
「それに、瞳美。チャンスが目の前にあるなら、それを活かした方がいいわよ?」  
るりの言った意味が分からず、勇太はるりの方に目をやる。だが、るりは視線をつとそらした。  
「そんなわけで、瞳美、レッツ・ゴー!」  
陽気なるりに押し切られたのか、瞳美はうん、とひとつ大きくうなづいた。  
「それじゃ、森崎くん。洗うわね……」  
瞳美の手が勇太の胸に伸びる。勢い、瞳美の体は勇太の方へぐっと近づく。  
体に巻いたタオルの隙間から、瞳美のふくよかな胸の谷間がはっきりと見えた。  
勇太の鼻がつーんと痛くなる。  
(こ、この歳になって鼻血は……)  
さすがにそれは恥ずかしいので、勇太は必死に別な事を考えようとする。  
だが目の前の瞳美の体の誘惑に抗しきれず、ついつい目はそちらの方に向いてしまう。  
胸の谷間。むちむちとして、しなやかなふともも。タオルの下から少しだけ覗くお尻。  
そして、優しく自分の胸をなでまわす細い瞳美の手。  
いや、洗っているのだが、何しろ女性の力だから、勇太には撫でているとしか思えない。  
このまま何の刺激なしでも、イってしまうのではないか。  
勇太は少し怖くなった。だが、瞳美はそんな事お構いなしに、勇太の胸から腹へと手を移していく。  
おへその周りをくすぐるように洗われ、勇太は思わず体が逃げそうになる。  
その拍子に、屹立した勇太のペニスが瞳美の腕にぺしり、と当たった。  
「や、やぁっ」  
「ごごごごごごごごごめんなさい!」  
慌てて謝る勇太。しかし、瞳美は思いのほか嫌がりもせず、勇太に微笑む。  
「お、男の子だもんね? 仕方ないわよね?」  
誰に言い聞かせているのか、呪文のように呟くと、腕を不自然に勃起から遠ざけつつ体を洗っていく。  
そして。  
ついに勇太のお腹も洗い終わった。その下にあるのは、立派な勇太の物。  
 
「あ、あの……そこは……」  
結構ですから。勇太がそう言おうとしたとき、瞳美がぱっと顔を上げた。  
「森崎くん?」  
「は、はい?」  
「私の事、キライにならないで……ね?」  
「え?」  
言葉の意味を問い直そうとするより早く、瞳美はぱっと勇太の腰のタオルを剥ぎ取った。  
ぼろんと音を立てるように、勇太の腰の真ん中でぎんぎんに勃起したペニスが揺れていた。  
瞳美はこれ以上ないくらい顔を染めながらも、そこから目をそらさない。  
そして、そっとタオルを持った手を近づける。  
「あああああああ有森さん!?」  
勇太は逃げる事も忘れ、瞳美のする事を見つめている。  
何しろ、とっくの昔にるりが自分の体を放し、風呂を上がった事すら気づいていなかった。  
瞳美は途中まで手を伸ばし、ふと動きを止める。  
そして、ひとつ小さくうなづくと、手に持ったタオルを投げ捨てた。  
それから泡だらけの手で、そっと勇太のペニスを握った。  
「う、うわぁ……」  
暖かい瞳美の両手に包まれて、思わず勇太が悲鳴に似た声を上げる。  
もちろん、それは悲鳴ではなく、快楽の声だったが。  
瞳美はしばらく勇太のペニスを握っていたが、やがておずおずとそれを上下に擦り始めた。  
洗うというより、明らかに愛撫だ。  
勇太のものをぬるぬるとした泡と、しなやかな瞳美の手が包む。  
何度か擦った後、瞳美はやさしく二本の指で勇太のペニスを挟んだ。  
そして、つーっとカリの方へとペニスを擦り上げる。それから、カリ首を指で何度かしごいた。  
「あ、有森さん、そんなことされたら……」  
もう限界もいいところだ。はっきり言っていつ射精してもおかしくない。  
「森崎くん……」  
だが、勇太の抗議を無視して、瞳美はうつむきながらささやく。  
「私……あなただから、こんな事するのよ」  
「……え、どういう事……」  
 
快楽を忘れ、思わず問う勇太。もじもじと瞳美が顔を上げる。  
「本当はね、あなたと一緒にお風呂に入りたいって言ったの、私のほうなの」  
「は、はあ……」  
間抜けな相槌を打つ。  
「だって、私年上だし、あなたはお友達の弟さんだし、仲のいいメル友さんもいるし、こうでもしないと……」  
mimiさんは本当に友達なんだけどな、なんて思いながらも、勇太は瞳美の愛撫に身を任せている。  
「キライにならないでって言ったのは、そういうこと。……私、わがままよね?」  
女の子にそう言われて、「ああそのとおり」と言えるヤツがいるか?  
勇太は、上目遣いに問われて、ぶんぶんと激しく首を振る。  
嬉しそうに瞳美は微笑むと、泡だらけの勇太のペニスをそっとシャワーで洗った。  
洗われ、擦られ、つるりと光る勇太のペニスが姿を現した。  
「最後まで、してあげる……」  
瞳美はそう言うと、ぱくり、と勇太の物を口に含んだ。  
「ひ、ひゃ……」  
熱い瞳美の口内と、唾液に包まれ、勇太の背を激しい快感が通り抜けた。  
瞳美はぬめぬめとした舌で、しばらく勇太のペニスを嘗め回したかと思うと、頭全体を使って激しく勇太をしごき始めた。  
じゅぽじゅぽと唾液の音がする。  
唇と舌に包まれ、勇太は体を震わせて、瞳美のフェラチオを感じていた。  
「あ、有森さん……そんな、そんな激しくしたら……すぐに……」  
「いいから、イって……私の口で……イっていいのよ……」  
瞳美が頭を振るのにあわせて、瞳美の長い黒髪がゆったりと揺れる。  
思わず勇太は瞳美の頭を押さえて、さらに深く咥えさせようとしていた。  
瞳美もすぐにそれに応え、奥まで勇太の物をしゃぶる。  
もう、限界だった。  
「あ、有森さん! 有森さん! い、イきますっ、イきます……!」  
「うん、出して、出してっっ!!」  
瞳美が止めとばかりにぎゅーっと勇太のペニスを吸った。  
「い、い、い、イくっ!」  
勇太は大声でそう叫びながら、瞳美の口の中で射精した。  
ぎりぎりまで我慢させられていたペニスは、熱く濃い白濁液を、ものすごい勢いで瞳美の口にぶちまける。  
 
「む、ふぅ、むふぅ……」  
飲みきれないほどの精液をぶちまけられ、瞳美は思わずペニスから口を放す。  
顔に向かって、射精の余波がほとばしり、瞳美の顔を汚していく。  
その口からは、勇太の精液がたらり、とこぼれていた。  
思う存分射精した勇太は、興奮冷めやらぬまま白く汚れた瞳美に目をやる。  
勇太は、そんな瞳美を美しいと思った。  
 
 
勇太は、白濁液にまみれた瞳美の顔に、そっと自分の顔を近づける。  
「森崎くん……?」  
不思議そうに勇太を見つめる。  
勇太は一息置いてから、そっと瞳美の唇に自分の唇を重ねた。  
「!!」  
慌てて瞳美は勇太から唇を離す。  
「だ、駄目よ……汚いわっ」  
初めてのキスより、初めての……フェラが先の女なんて。  
そう瞳美が言う前に、勇太がもう一度その唇をふさいできた。  
驚きながらも、愛する人の口づけを味わう瞳美。  
「汚くなんて……ないです。だって、有森さんは僕の事が好きなんでしょう?」  
「え、ええ……」  
はっきりと言われ、また赤面する。  
「僕も……有森さんの事が好きです」  
「ほ、本当……?」  
泣き出しそうな瞳美に、勇太が静かにうなづく。  
次の瞬間、瞳美は勇太を力いっぱい抱きしめていた。  
勇太も、優しく瞳美の体を抱き寄せた。密着する、二つの体。  
瞳美の胸が、火のついたように熱く感じられた。  
その時、ふふふ、と勇太の耳元で瞳美の笑い声がした。  
「どう、したんですか?」  
「あ、ごめんなさい。だって、あなたのアレ、まだ元気なんだもの……」  
 
二人は顔を見合わせると、そろって勇太の下半身に目をやる。  
まだカチカチに勃起した勇太のペニスが、二人の体の間にあった。  
「……あの、有森さん」  
「……この続き、する?」  
勇太が言う前に、瞳美がそう言って微笑んだ。今度は勇太が照れる番だった。  
「あ、でもるり姉がいますし……」  
「じゃあ、ここで、しちゃう? あ、駄目だわ。私今日は危ないかもしれない……」  
どうしよう、と二人そろって周囲を見回した。見回してどうなるものでもないが。  
「あ」  
瞳美の声に、勇太もつられて瞳美の視線の先に目をやる。  
いつの間にかるりが私服に着替え、脱衣場からそっとこちらを覗いていた。  
「るるるるるるり姉!!」  
「るりちゃんっ!!」  
慌てる二人を見ても、るりの顔色は何一つ変わらない。  
「あー、こほん。私、ちょっと学校に忘れ物をした。雨はやんだから、取りに行く。きっちり二時間は帰らないから。  
コンドームは私の部屋の机の引き出しの上から二番目。1ダースほどあるから、好きなだけどうぞ。  
初めてのときは痛いから、十分濡らしてからいれる事。無理だと思ったら次の機会にして、ペッティングで我慢。  
いいわね、勇太?」  
淡々とるりが告げる。勇太は黙ってうなづく。  
「それじゃ、行ってきます」  
そう言ってるりは頭を引っ込めた。  
思わず顔を見合わせ、噴き出す勇太と瞳美。お互い笑いが止まらない。  
「言い忘れてた」  
その時、もう一度るりがひょっこりと顔を出した。  
「なっ、何だよるり姉!」  
勇太の抗議など無視して、るりは瞳美にウインクする。  
「……おめでと、瞳美」  
そう言うと、るりはさっさと行ってしまった。  
二人、浴室に取り残された勇太と瞳美。  
「……じゃあ、とりあえず……」  
 
「もう一度、キスしてくれる?」  
瞳美の言葉に、勇太は優しく瞳美に口づけする。  
「それから」  
顔を離すと、瞳美の真剣な顔が目に飛び込んできた。  
「なんですか?」  
「これからは、『瞳美』って呼んでね」  
そう言って恥ずかしそうに目を伏せる。勇太は満面の笑みを浮かべ、  
「うん……瞳美」そう答えた。  
あとは、言葉なんかいらなかった。  
 
―終わり―  
 

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