インデックスと呼ばれるその少女の頭の中には、図書館がある。
それも、膨大な蔵書数を誇り、まだまだ新刊が納められるスペースに余裕がある。
彼女の頭の中の図書館は、通常の人間が持っているそれとは比べ物にならないくらい鮮明で、検索にも時間がかからない。
常人では忘れてしまう小説の文面、言葉の配置、句読点の位置、果ては本についた汚れまで、すべて完璧に記憶している。
そんな少女が、とある少年の部屋に厄介になってから、彼女の図書館にも今までとは毛色の異なった蔵書が増えた。
なかには、官能小説や成年向けの漫画なども含まれていた。
彼女は、何時でもどこでも、実物の本を携帯しているかのごとくその情報が取り出せるのである。