優しくゆっくりと、美琴をベッドの上に横たえる。
心臓が限界以上に稼動している。美琴はその心地よい鼓動に酔いしれていた。
(ああ、コイツと、しちゃうんだ……)
今まで、そんなシーンを夢想した事がない訳では無い。
それどころか、それを使って自分を慰めた夜を数えれば、両手両足の指を足してもまだ足りないくらいだ。
それが今、現実のものになろうとしている。
一枚、また一枚と上条の手が美琴の衣服を剥いでいく。その手に抗わず、また自分の手を使うことなくその身を委ねる。
ついに、美琴の体を覆うものがなくなった。
流石に気恥ずかしいか、美琴は両手でその慎ましやかな胸の膨らみを上条の視線から隠した。その一方で、両足を合わせてもじもじとくねらせている。
その眼下に横たわる光景に、上条の情動は更に掻き立てられる。
ゴクリ。
知らず溜まっていた唾を飲み込んで、上条は美琴の腰の上に馬乗りになり、まずは胸を隠している腕をどかせようとする。
「や、ぁ……」
言葉では拒絶するものの、美琴は上条にされるがままに腕を退けた。
「胸、小さいから……。あまり見ないで……」
顔をトマトのように真っ赤にしながらぽそぽそと告げる美琴を見て、上条は、
「可愛いなぁ」
と率直な感想を洩らした。それを聞いて、更に顔を紅く染める美琴。その口はパクパクと開閉するだけで、何も言葉は出てこない。
そんな動きを止めてしまった美琴に対し、上条は好都合とばかりに胸への侵攻を再開する。
まずは上からすっぽりと手の平をかぶせて、全体を軽く揉みしだいてく。
「ひゃうっ!?」
突然の刺激に裏返った声を上げてしまう。
「ふむ、感度は良好」
「な、何をいってむっ!?」
言って上条は今度は抗議の声を上げようとした美琴の口を自らの口で塞いだ。
そのまま美琴の上に圧し掛かるように体勢を倒し、左膝で閉じられた美琴の足をこじ開け、出来たスペースに体を割り込ませて右手を無防備状態となった秘所へと走らせる。
くちり、と湿った感触が上条の指先に伝わった。
(濡れてきてる、けど)
美琴の秘裂はぴったりと閉ざされており、何者の侵入も許した事が無いであろう事が伺える。
(よく濡らさないとキツイだろうし)
そう思ったが早いか、上条は美琴の唇から首筋、鎖骨、胸、腹と舌を這わせて行く。
「ん、くぅぅ」
上条の舌の感触が伝えてくるねっとりとした快楽に溺れ、美琴は上条の思惑に気づけていない。
そして、ついに目的地へと辿り着いた。
うっすらと申し訳程度に生えた茂みの下、ぴったりと閉じた合わせ目にロックオン。
ぺロリ、とまずは一舐め。
「あぁ!?」
予想外の箇所から伝わる感触に、美琴は何度目かの悲鳴を上げる。
「やっ、そんなとこっ、舐めないでぇ」
両手で顔を覆い、イヤイヤ、と首を振る。
しかしそんな抗議は聴く耳持たぬとばかりに、上条は口淫を開始する。
逃げようとする美琴の腰をかっちりと両手で押さえ込み、まずは丹念に舐っていく。
「どうしてぇ!?こんな、こんなぁっ」
未知の感触に混乱しながらも伝わってくる快楽を、美琴はそれでもしっかりと受け止めた。
一方その頃御坂妹はと言うと、二人のすぐ傍でその痴態を見せ付けられていた。
その顔には少なからず不満の色があった。
(お姉様はずるいです、とミサカは胸中で不満を述べます)
あそこで乱入されなければ、彼の下で乱れているのは自分だった筈なのに。
(……でも)
それでも、上条から与えられる快楽に乱れ悦ぶ美琴の姿を見ていると、段々と自分がされているような気になってきた。
同じ顔が悦楽に酔いしれ、同じ胸を揉みしだかれ、同じ秘部に――。
そろりそろりと自らの秘所へと指を這わせる。
「…………あ」
しっとりとした湿り気をそこに感じた瞬間、もう止まらなくなってしまった。
先に気付いたのは上条だった。
局部への攻めを中断して、美琴の耳元に囁きかける。
「美琴……、右」
薄く靄がかかった頭に、それでも聞き取れた声に従って美琴は視線を右に向けた。
そこには。
同じ顔を淫らに染めた御坂妹の姿があった。
こちらの方をじっと見据え、パジャマの上からもどかしげに胸や太腿の付け根辺りを弄っている。
「同じ表情、してるぞ」
上条の言葉が、美琴の内面に嵐を巻き起こす。
自分が?
あんな?
いやらしく?
乱れた?
でも、……見とれてしまいそうな。そんな顔をしていると?
「あぁ。綺麗だよお前たち」
言って上条は、美琴の唇を強く吸いたてる。
その言葉とその行為に誘われて堕ちていく自分を、美琴はうっすらと自覚した。
足の間に体を入れて、腰を密着させる。
ピトリ、と未踏の裂け目に熱く滾った欲望の写し身が押し当てられる。
「力を抜いといた方が良いぞ」
その言葉に従うように、全身から力を抜いた。
つもりだった。
「やっぱり、怖いか?」
初めての行為に対する緊張からなのか、四肢の強張りが緩まない。
「うぅん、大丈夫よ。……優しく、してよ、ね?」
両腕を縮こませながら上目遣いで聞いてくる美琴へ、上条は、
「……善処します」
と返し、準備万端な息子に手を添えて位置を合わせる。
くち、と粘膜同士が擦れ合う。
「行くぞ」
そう宣言して、腰を突き入れていく。誰も踏み入れたことの無い肉の道を、みちり、みちりと押し広げる。
予想以上の痛みに、思わず腰が引ける。
「………………っ!」
上がりかけた悲鳴を、美琴は噛み殺した。
そんな事をしたらコイツはやめるとか言い出しかねない。
それだけは絶対にイヤだ。
見れば、困ったような顔でこちらの顔を覗き込んでいる。その表情が気に触った美琴は、両手で上条の顔を引き寄せる。
「やめたら……怨むわよ」
うっすらと涙を浮かべた目で見つめられて、上条は一瞬よぎった躊躇いを捨てた。
無言で触れるだけのキスをしてから上体を起こす。改めて両手で美琴の腰を持ち、かっちりと固定してから侵入を再開。
暫らくもしない内に、先端に今まで以上の抵抗を感じた。
これ以上は進ませないとでも言うように立ち塞がるそれを、上条は一突きで突破する。
ぶちぶち、と裂けるような痛みが美琴の体を疾る。
「――――っ!!くぅっ……」
反射的にせり上がってきた叫びを喉下で押さえ込む。
そんな美琴を気にしないふりをし、上条は更に奥へと肉棒を捻じ込んでいく。
「くっ、あん。おっ、きぃ……」
吐息と共に、自らの膣内へと挿入ってきたモノへの感想を吐き出す。
「どんな感じなのですか、お姉様、とミサカは興味を抑えきれずに質問します」
見てるだけではもう我慢が出来なくなったのか、御坂妹が四つん這いの体勢で美琴の傍らへと近付いて来た。
その表情は先程と同じく、情欲に染まりきっている。記憶の中にあるあの鉄面皮はどこへ行ってしまったのか。
「この、へんまで、届いて、広がって。アンタ、の番に、なれば、分かるわ、よ」
へその下辺りを擦りながら、切れ切れに妹の質問に答える。
「綺麗です、お姉様、とミサカは乱れるお姉様への率直な感想を述べます」
言いながら、御坂妹の顔がじわじわと美琴の体へと接近する。
「もう、我慢が出来ません、とミサカは……抑えていた欲求を解放します」
言うが早いか、御坂妹は固くしこらせた美琴の胸の先端を口に含んだ。
「やぁっ!?な、にすんの、よっ?」
突然の妹の行動に、一瞬思考が停止する。
理性が機能するよりも早く、裂華から、胸尖から送られてくる刺激が美琴の全身を駆け巡る。
「うっ、きゃうっ、はぁんっ!?」
一方上条の方も、割とのっぴきならない状況だった。
(っんだっ、これ!?)
美琴の口内と同じく、膣内にも微細な電流が流れているようであり、肉襞のざらつきとはまた違った刺激が上条の男根に襲い掛かってくる。気を抜いたら一瞬で放精してしまいそうになる。
それでも腰の動きを止めずに、美琴の膣を攻略していく。
そうやって美琴の攻撃(美琴本人にその意図は無い)を耐えた所で眼に飛び込んできたのは、仲睦まじい姉妹の姿だった。
御坂妹に乳首を重点的に責められ、その快楽から逃れるかのように美琴が身を捩る。その動きが膣に伝わり上条のペニスを扱き立てる。
「もぅ、わかんない、わかんないぃぃ」
口元から涎を垂らしながら、うわ言の様に繰り返す。未体験の快楽に、メーターが振り切れてしまった様だ。
「くっ、もう……」
上条の方も臨界が近い。最後の一突きを美琴の最奥部に叩き込んでから肉茎を引き抜き、扱く。
その勢いのまま、脱力した美琴の下腹部目掛けて白濁色の欲情の証をぶちまけた。
どくんっ、どくん、どくっ。
「はーっ、はーっ」
「………………………………」
一戦交えた疲労感を滲ませて息を荒げる上条と、ピクリともせず静かに胸を上下させる美琴。
そんな二人だけの空気を打ち破るかの如く、御坂妹の声が上条の頭を震わせる。
「さぁ、次はミサカの番です、とミサカは期待を込めた眼差しで見つめます……」
期待感を隠さずに見つめて来る御坂妹の眼差しを真っ直ぐに受け止めて、上条は御坂妹にこう告げた。
「ミサカ、お尻をこっちに向けて四つん這いで美琴の体を跨いでくれないか」
「こうですか、とミサカは指示通りに体勢を整えます」
言われた通りに上条の方に尻を向け美琴の体の上を四つん這いで跨ぐ。先程までの自慰行為の所為でしとどに濡れた御坂妹の陰部が、上条の視線に晒された。
そんな男を誘引する淫華を、上条は右手でなぞり上げた。
「んぅ……っ」
熱の篭った吐息が御坂妹の口から洩れる。
「大分濡れてるな……。待ちきれなかったか?」
指先に付いた愛液をぺろりと舐め取ってから、どこか楽しそうに上条はそう言った。
「そ、そんな事は聞かないで下さい、とミサカは赤面しながら申告します」
顔を羞恥に染めて後ろを振り向きながら御坂妹が答える。はっきりと『表情』を見せた御坂妹に一瞬心を奪われる。
ふと気が付けば、既に愚息は戦闘可能な状態にまで回復していた。
「す、ごいです……」
自分の尻越しに姿を出した上条の肉凶器を見て、御坂妹が感嘆の声を溢す。
「これから、それがミサカの膣内に挿入されるのですね……、とミサカは期待を隠さずに言います」
「ああ。……怖いか?」
「愚問です、とミサカは一言で切り捨てます」
即答する御坂妹へ苦笑混じりに、
「だよな」
と応じ、手を添えて御坂妹の秘裂に狙いを定める。
「行くぞ」
上条の言葉に無言で、コクリ、と頷く。それを見て、上条は腰を前進させた。