AM7時00分
今日は小鳥の囀ずりで目が覚めた。
深い睡眠で疲れも取れたらしく目覚めた直後から体調は良いらしい。
「んー」
体を適度に伸ばし、クシャクシャになったタオルケットを退けベッドを降りる。
「んぁ?あれ?黒子がいない・・・」
隣のベッドはもぬけの殻となり、薄手の毛布は寝る前のままとなっていた。
「あれ?」
先に出掛けたのかな?と勝手に結論付け御坂は洗面所へと向かった
AM7時30分
お か し い
異変に気付いたのは朝食を摂るために食堂へ行った時だった。
人がいないのだ。
洋風な食堂の一つの空席を残して置かれたブルジョアな料理。
料理は出来ているのにシェフとそれを食べる生徒が居ない。
更に言えば空いている席は御坂の物で、厨房を覗いて見れば自分の料理だけが調理中だった。
そこで御坂は不信感を抱きつつも勝手に他の生徒の朝食を食べ登校中なのだが・・・
道行く人達は何の不信感も抱いていない。
例え禿げ懸かったじいさんがセーラー服を来て「やだー!これキモいー!」と言っていても、明らかに足が届かないだろうと突っ込みを入れたくなるバイクに乗った犬がいても。
道行く人達は何にも言わない。
まるで中身と外見が入れ替わった見たいに
「もう・・・どうなってるのよ!」
こうも変な状況に置かれると人間頭が痛くなってくるらしい。
御坂はとうとうへたりこんでしまった。
「・・・」
道行く人達が奇怪な目で見てくるが気にしない、御坂は電柱の影に隠れるように座った。
「―ね――ま〜」
「・・・」
「おね――まぁ」
聞き覚えのある口調がリフレインする。
「お姉様〜」
「黒子!」
その声の主の名前を叫ぶ。
「お姉様!探しましたよ!一体あんな朝早くからどこへお出かけに・・・はっ!もっ、もしかしてあっ、あの猿人類と待ち合わせですか!」
キィー!とハンカチを口で裂くようにひっぱる。
しかし白井黒子はそこには居なかった。
「あっ、あっ」
そこには可愛らしい常磐代中学の“女子専用”の制服を着た上条当麻が立っていた。