「お、オルソラ、こ、これ以上…は……っ」  
 上条も耐え難い疼きを憶えた。これ以上何かあれば――我慢が効くという自信は、無い。  
 しなだれかかるオルソラの両肩に手を伸ばし、自らの身体から離すことを試みようとした。そ  
の肩に手を置く。  
「はふ…っ、ひぃあ…」  
 肩を触れられただけで、オルソラが悶えるような声を漏らした。その熱い息が上条のうなじに  
かかって、全身が甘く痺れる。続いて、少女の声が耳に流れ込んできた。  
「これ、以上は……、とは、なにが、これ以上なので…ございますか…?」  
 据え膳などと思ってはいけない。何しろ、こんな事はありえないのだ。上条当麻は身体の疼き  
に耐えつつ、オルソラに言葉を返す。  
「だ、だから、こんなことダメだって…。俺だって、我慢の限界ってのが…、『汝、姦淫するなか  
れ』だろ、修道女さま…っ」  
 上条の言葉に、しかしオルソラは引き下がるでもなくかえって興奮を強くしたのだろうか、もた  
れかかった上条のうなじから離れることなく呟いた。  
 同時に両手を上条の背中に回す。さらに強く、オルソラの胸が上条の身体に密着する。  
「わたくし、ずっと、修道院暮らしで、もの知らずでございますから…。それに、まだまだ、修行も  
足りぬ身でございます…。姦淫するとは、実際にはどういう事なのか、あなた様が教えてくださ  
いまし」  
 掠れる声でオルソラはそう言うと、上条の顔を見上げた。  
 息を乱し、顔を火照らせ、潤んだ瞳で上条を見つめる。  
 火照った頬の後れ毛が、上条の目にはとてつもなく淫靡に映った。  
 
「この愚かな娘に、あなた様が教えてくださいまし――」  
 その言葉に、上条の中で何かが崩壊したような気がした。もう、耐えられない。両手を目の前  
の少女の肩から離し、自らもその少女をかき抱いた。  
 上条自身、そんな経験があるというわけではない。教えてくれと言われても、それが真面目  
な話なら何も出来ることはないのだが、今は――違う。  
 本能が求めるままに、目の前にある、金髪の整った顔立ちの少女の唇を奪った。  
 貪るようにオルソラの唇を吸いながら、かき抱いた腕は修道服の背中を止めるホックをまさぐ  
る。不器用にうなじのホックを外すと、そのまま強引にジッパーを下ろした。  
 唇を少女の顎から首元へと這わせながら、禁欲の象徴とでも言うべき黒く重い布を引き下げ  
る。唇をさらに下ろして、滑らかなラインを描く鎖骨に吸い付いた。少女は抵抗しない。  
「ふ、あう、はっ…」  
 抵抗しないまま、乱れた息が上条の耳に掛かる。  
 背筋が痺れた。  
 上条も答えず、引き下ろした布の袖からオルソラの腕を引き抜く。顎の先端が、鎖骨の下の  
柔らかく豊かな感触を教えてきた。しかし、そこに辿り着くためには、もう一枚障害があることも  
同時に伝えてきている。それを取り除こうと、腕が今度は白色の布を手繰り寄せ始めた。  
 唇を離す。  
 重い修道着の下の、ワンピース状になったアンダーウェアをいささか強引に引き上げ、引き  
抜く。  
 その足はまだ修道着の黒い布に隠されているものの、その、修道着という封印に隠されてい  
たオルソラの肌が露になる。それは白く、つややかで、それでいてしっとりとして、眩しかった。  
「ふあ…」  
 
 上条の口から、思わず嘆息が漏れる。  
 漏れた嘆息に、少女が羞恥に頬を染めた。  
 瞳を潤ませ、細める。その仕草が、さらに上条をかき立てた。その悩ましいスタイルには不釣  
合いに映る、シンプルといえばシンプルすぎる下着に手を掛ける。  
「あ…っ」  
 オルソラが、わずかに不安の混じった声を上げた。が、もう手は止めない。  
 剥ぎ取られた下着の向こうから、たわわに実ったその乳房が震えながら現われた。  
 目が吸い付けられる。ぐっ、と息を飲み込んだ。その音が聞こえてか否か、少女は恥ずかし  
げに顔を背けた。その顔だけでなく、胸元までもが火照って薄桃色に染まっていく。  
「――きれいだ…」  
 言葉を失う、というのはこういうことなのだろうか。ようやく搾り出したのはたったの一言だけ  
だ。  
 とは言え、オルソラもまた言葉を失っているのだろう、その言葉に一瞬ぴくりと体を震わせて、  
唇からもれ出るのは嘆息しかない。  
 が、興奮に身を振るわせる少年には、その嘆息や羞恥の仕草さえも、その興奮にさらに火を  
注ぐ材料には充分以上である。  
 自分以外の男は誰も知らないだろう、その双丘へとむしゃぶりついた。  
 唇を吸い付かせ、舌を這わせ、軽く歯を立て、その先端へと上り詰める。もう片方には手を伸  
ばした。柔らかくても張りのあるその丘が、握りこむ上条の手に吸い付きながらも絶妙の弾力  
でもって抵抗する。こちらも、指がその先端へと辿り着いた。  
 少女もまた強く、強く興奮しているのだろう。その先端は、貪られ、触れられて寸時に硬く腫れ  
る。  
 吐息が漏れ聞こえた。  
「あふぅ、はっ、ふあ、ああん…っ、あ、う、と、とうま、さ、ま…」  
 甘さを充分に含んだ、喘ぎと言ってもいい吐息の奥でオルソラが上条を呼ぶ。  
 そしてその声は、上条にはさらに進めという号令にしか聞こえない。  
 身体を起きあがらせると、未だ腰の周りに残っていた禁欲の象徴――漆黒の修道服――を  
オルソラの足から引きはがす。乱暴に黒い布を掴んだその手が同時に下着も握り込んでいて、  
興奮に息を荒げる上条が傍らにその重く黒い布の固まりを投げ捨てたときには、この金髪の  
少女を隠すものはすでに何もなくなっていた――金色の茂みを除いては。  
 上条の口からは、もう荒い息しか出ない。  
 その均整の取れた、余りにも美しい裸体に言葉など出てこないのだ。  
 貪るようにその裸体を凝視する上条の目を、羞恥に瞼を閉じ、顔を染めていたオルソラが決  
死の思い、といった表情で覗き込む。  
 瞳を潤ませ、少女が口を開いた。  
「最後まで、教えて、下さいますのです、か…」  
 その健気さが愛おしい。むしろ奪い取ることこそがこの少女の健気さへの答えなのかもしれ  
ないと、上条は再びその身体をかき抱いた。  
 
                     −*-  
 
「いくぞ、オルソラ」  
 了承を得るように呟く。むろん、了承も何も同意の上で始まったのだが。  
 しかし、少女もその呟きに小さく答える。  
「あなた様の、思うままに――」  
 その言葉を聞いて、上条は少女に覆い被せた身体を身じろぎさせて自分自身を目的地へと  
押し当てた。  
 指でほぐしたと言っても、腰を押し当てるだけでは入っていかない。剛直を握って小さな入り  
口にあてがい、狙いを定めて突き入れた。  
 何も知らない少女の部分を無理矢理押し広げるような感触とともに、その先端の半分ほどが  
ようやく中に納まる。  
「ひぎ…っ、ぃあ……っ」  
 それでも、それだけでオルソラが背中を反らして悲鳴を上げた。つ、と一条の血が引き裂か  
れた裂け目から流れる。  
 少女の苦痛の呻きに、びく、と上条が身体を震わせ、その身体の震えに、何の拍子か先端部  
分がすべて押し込まれる。  
「――――っ、っ―――は――っ」  
 オルソラが目を見開いて仰け反る。上条もさすがに身体の動きが止まった。  
 上条の腰の下で、声を出すことすら困難な様子でオルソラが荒く細かい呼吸を繰り返す。あ  
まりの痛みに深い呼吸が出来ないのだろうか。  
「だ、大丈夫、なのか、オルソラ?」  
 苦しげな嘆息を漏らす金髪の少女に対し――もっとも、応えることさえ苦痛なのだろう、とは  
思うのだが――尋ねずにはいられない。  
「は、はあ、い、以前、申しました、ように…、肉の痛みが心の痛みに勝ることなど、ございませ  
ん…」  
 苦しげに見えることには何ら変わりはないのに、オルソラはその表情に満足げな色を浮かべ  
て上条を見つめ返した。  
「ましてや、今の、わたくしの…心は…はふっ、歓びに満たされておりますのに…、そのことが、  
苦痛なはずが、あり、ましょうか…?」  
 何とかそう言いきると、潤んだ瞳を上条に向けて、相対する少年の瞳をしっかりと覗き込んだ。  
同時に、上条の首筋に伸びていた白く細い少女の腕に力が籠もる。  
 普段は顔以外に肌を晒すことのない少女の、その均整の取れた裸体が視界を覆い、そして  
何より信頼を湛えて潤む瞳が、不安と心配を感じさせながらもさらに上条自身を固くさせた。  
「もう…止められないぞ?」  
 実際、止めることなど出来そうにない。  
 上条は嗜虐心の強い方ではないが、オルソラのその表情や言葉に、奪うことへの良心の呵  
責が失われていく――いや、それを赦されている、という感覚に身体が満たされて、この少女  
を奪ってしまいたいという感情が止められないところにまで昂ぶっている。  
「嬉しゅう、ございます……」  
 瞳を潤ませたその微笑みが上条を突き動かした。  
 引き裂いて進むような感触が伝わる。それでももはや止めることは出来ない。きつく締め上  
げてくるその中を押し進んで、こつん、と奥に辿り着いた。  
「ひぃ、あ、あああ――」  
 どれだけ言ってみたところで、実際の痛みは相当なものなのだろう。びくん、びくんと身体を震  
わせ、背中を反らしてオルソラが声を上げる。  
 しかし、上条の背中に回した腕が離れたりはしない。  
 本当に、この少女はどれだけ強いのだろうか。苦痛に耐えているというのは一目で判るのに、  
それでも上条と目が合うと、止めてくれるな、という意志をその表情に浮かべた。  
「……行く、からな」  
 そう呟いて、上条が動く。  
「ひっ、は、あ、はっ、くはっ、」  
 
 上条の動きに合わせて漏れる声は、快感に溺れる声ではない。  
 喪失の痛みに耐えかねる、苦痛の声だ。  
 上条自身を締め付けてくるように感じるのも、それまで何も知らなかった部分が強引に押し広  
げられて、それに抗おうとしているからである。  
 しかし、もう止めない、と言ったのだ。そう言った以上、止めてしまうことがこの少女に対する  
最大の侮辱になってしまうだろう。  
「はっ、はあ、オ、オルソラ……」  
 そんな状態であるのに、苦痛に耐えかねているのは表情を見るだけでも判るのに、時々うっ  
すらと目を開けて上条を見つめようとするオルソラの瞳には、寸分たりとも苦痛の色は浮かん  
でいないのだ。  
 むしろそこに感じるのは、歓喜の色――。  
 きつい締め付けと触れる肌の吸い付くような感触、少女の吐息、そこに上条の経験不足が重  
なって、幾らかも経たないうちに耐えきれない絶頂感が登って来た。  
「ひぎ、あ、は…」  
 オルソラの悲鳴にも似た吐息が耳に響く。耐えかねてか、横を向いた拍子にその顔が上条の  
腕に当たった。縋り付くように唇を上条の腕に撫でつける。  
 そうするまでに一瞬の間があったのは、少しだけ躊躇したからなのだろうか。  
 しかし、上条に大きく突き上げられ――痛みに耐えるためなのか、そうしたい欲求に耐えられ  
なかったのか――オルソラが突然、唇を寄せていた上条の腕に噛み付いた。  
 
 噛まれる、という行為に遭って。  
 蒼と碧、金髪と銀髪、顔立ちも違うのに、なぜかその一瞬。  
 
 ――フラッシュバック。  
 真っ白な病室。純白の少女。苦痛に耐えるような表情。色彩を取り戻す瞳――  
 
「くっ…はっ……」  
 気が付いたときには、オルソラの中に欲望を吐き出していた。  
 上条の欲望を受け止めて、苦しげに、それでも微笑んで見せているのは、オルソラだった。  
 当然だ。しかし――  
 
                     −*-  
 
 さすがに辛かったのだろう、苦しそうな荒い息を繰り返して、ようやくそれが落ち着くと、オルソ  
ラが上条を見つめて言った。  
「ふふ。本当に、ずるい方、でございますのですね」  
 体をゆっくりと起き上がらせつつ、そんな言葉が少女の唇から漏れる。  
 起き上がろうとする少女の、零れ落ちそうな乳房が形を変えるのに思わず気を取られそうに  
なった上条だが、その言葉そのものには反応した。  
「……ずるい…?」  
 ずるい、という言葉を発して、それでもオルソラが浮かべるのは非難の表情ではない。いつも  
のように柔らかな微笑を浮かべている。  
「……最後、でございますけども、別のことを、いえ、別の方、を、思い浮かべになられたでしょ  
う?」  
 思い返そうとして。  
「え、あ――す、すまん。最低だな、俺……」  
 それはもう、猛烈にバツが悪そうに肩を落とす上条に、しかしオルソラが笑って言う。  
「残念だったのは確かではございますけど、噛み付くあの方の気持ち、お判りに――」  
 しかし、その言葉を言い切るよりも早く、ぎい、と扉が開いた。  
 慌てて振り向く。  
 その先には、純白の修道服を身にまとった銀髪碧眼の少女、インデックスが立っていて。  
 見られた、殺られる! と上条の頭の中で思考が走り、  
 しかし、インデックスは上条とオルソラの姿を、それがどういう行為の後であったのか、という  
ことを認めると、ただわなわなと震えていた。  
 表情には――上条には説明のできない、複雑な色を浮かべている。  
 
 お互い声も出せず、目も合わせられず、沈黙が続くと思ったそのとき。  
 上条の予想に反して、飛び掛って噛み付くこともなくただ震えるインデックスの背後に、いつ  
の間にそこまで行っていたのだろうか、全裸のままのオルソラが立っていた。  
 インデックスの耳元に唇を近づけてささやく。  
 ささやく、と言っても、その言葉は上条にもしっかりと聞こえた。  
「禁書目録の修道女さま、あなた様がなぜお噛みになるのか、少し、判ったような気がするの  
でございますよ。でも、そんなに想っていらっしゃるのなら――食べるよりも、食べられちゃうほ  
うがもっと宜しいのでございますよ? さあ、早く、もう一歩、踏み出すだけでございます――」  
 その内容にはさすがの上条も思いが至る。我に返った。  
「ちょ、オルソラ、何言って…」  
 その言葉に反応しようとした瞬間。いったいオルソラはどんな魔法を使ったのだろうか、イン  
デックスの修道服がはらりと落ちた。白いショーツを残して、純白シスターのその肌が露わにな  
る。  
 突然脱がされて慌てる間もなく、えいっ、という掛け声とともにオルソラに突き飛ばされたショ  
ーツ一枚のインデックスが上条の胸元に納まった。  
 さっきまでの表情とも違う、困惑気味の、しかし羞恥交じりの顔が上条を見上げた。  
 その表情と、オルソラの吸い付くような肌とはまた違う、滑らかで張りのあるインデックスの肌  
が裸の胸に触れて、本能の部分が反応する。  
「あなた様に無断で――上条当麻さまと致してしまいましたけれど、上条さま、ずるいのでござ  
いますよ? 最後に思い浮かべてらっしゃるのは、真っ最中だというのに禁書目録の修道女さ  
ま、あなた様なのでございますから」  
 オルソラの言葉が聞こえる。  
 いや、お互いに聞こえているようで聞こえてはいなく、それでいて肝心なところだけは肌で聞  
き取っている、そんな状態というのがふさわしいかもしれない。  
 
 とにかく、上条には、頬を染めて潤むインデックスの碧眼しか見えなくなった。  
 インデックスには、強く見つめてくる上条の黒い瞳しか見えなくなった。  
 今、二人にはそれで十分なのだ。  
 
 オルソラが呟いた。  
「あらあら。混ぜてはいただけないのですか?」  
   
                     −*-  
 
「出発、できんのよな…」  
 建宮斎字の呟きに、顔を赤くして俯いていた天草式の青年が顔を上げて言った。  
「い、いつまで待つんですかねえ」  
 引っ越しの最終便を前に、(インデックスに襲われた)上条を休ませてやりたいと、オルソラ=  
アクィナスが上条を伴ってドアの向こうに消えて数時間。さらに、その中にインデックスが入っ  
ていって数時間。  
 中で何が起きているのかを知るには――たとえ彼らが知りたいと思わなくても、ドアの向こう  
から漏れ聞こえる少女たちの声がその顛末をすべて教えていた。  
 ほとんどのメンバーはもじもじとバツが悪そうにしている。待つのが苦痛なのではなく、響く音  
にどう対処して良いのか判らないのだ。  
 建宮斎字が比較的――他の天草式の者に比べれば、である――飄々とした表情でいるのを  
除いては、ほとんどのメンバーが困ったと言うより恥ずかしい、と言った表情で俯いている。  
 
「……俺に聞くか? しかし、上条当麻も、タフよなあ」  
 言って、建宮は禁書目録のシスターが消えたドアを見やった。自分で言っておいて、かなり恥  
ずかしかったのだろう。口を真一文字に結びながらも、建宮の顔は赤い。  
 待ち続ける天草式の面々も、普通の少年少女に見えて、その実、禁欲的な生活を当たり前と  
している者ばかりだ。もう少し壁やドアが厚かったら良かったのに――と思いつつ、恥ずかしげ  
に俯いているくらいしかしようがない。  
「女教皇様には言えませんね…」  
 誰かの呟きに、一人が呟いた。  
「言ってどうしようと? しかし、まったく…」  
 しかし、それ以上言葉は続かない。要するに、ウブなのね。  
 ……とまあ、それはともかくとしてなんとか場を繋ごうとしたのだろう、建宮が振り向いて言っ  
た。  
「五和よ、この際だから乱入して調べてくるか?」  
 教皇代理の滑りまくりな言葉に、逆に慌てて隣の青年が窘めようとした。  
「きょ、教皇代理、いくら何でもそれはすごいセクハラ――」  
 が、隣の部屋から響く嬌声に、ずーん、と縦線を背負いながら俯いていた二重瞼が印象的な  
少女は、きゅっと表情を引き締めて顔を上げた。  
「ほへ?」  
 仲間からの言葉に、しまったという顔をしていた建宮の表情が呆ける。  
 少女が立ち上がった。  
 仲間の驚く姿は目に入っていないようだ。ぼそり、と呟いた。  
「女教皇様には、負けません…。ましてや、他のひとにだなんて――」  
 
 出発は、さらに遅れることになるだろう。  
 件のドアに向かう、新たな足音が響いた。  
 
 

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