世界を救った上条当麻に残っていたのは平穏な日々でもなく、仲間達との騒がしい毎日でもなかった。
彼に待っていたのはこれ以上の不幸だった。
AIM拡散力場探知機械と呼ばれるものが開発されると同時に無能力者達の再評価が始まるのは当然とも言えること。
レベル0が突然レベル3になったり、レベル4が3に下がったりと色々と問題が起こしたことで知られる
この悪名高い機械がもっとも知られているのはそれは絶対能力(レベル6)の検出だった。
不幸にもその絶対能力者となった上条当麻は最初は報奨金やらなんやら上がる事によ最初の頃は大騒ぎ。
彼の能力を知るものは彼がやっと正当に評価され始めたとしておおいに喜んだ−彼の行く学校を知るまでは。
霧ヶ丘付属に転校する事を知った彼の同級生達はなにも言わない。
お祝い気分が一転暗い食う気になった
転校する予定の当麻は中々この事実を居候のシスター、インデックスにどう説明しようと悩むが時は無情にも過ぎ行く。
そして転校一週間前、彼は思いきってインデックスに打ち明ける。
「俺、転校することになったんだ。それで引っ越ししなくちゃならないんだ。」
今まで見たことのないびっくりした様な顔でインデックスは当麻の顔を覗き込む。
「とうま、それ本当なの??
「ああ、本当さ。今までより良い所に住めるし、もっと良い飯にもありつける。でも。」
続けようとするが言葉が続かない。口を開くが声が出ない。とても大事な事を伝えようとしているのに言葉が続かなかった。
「とうま、どうしたの?」
彼女の心配する声が聞える。大丈夫と言いたかったがちゃんとした音にならない。
「とうま、泣いてるの?」
彼女の戸惑い気味に声をかける。当麻の泣き顔を見ている彼女は今までずっと見たことがないのだから。困惑しながらも泣きじゃくる当麻をあやす。
泣き終わった彼から気かされる事実- 引っ越した時に彼女の居場所がないと言うことに。
そして新しい学校で忙しくなり多分長い間会えないと言うことに。
でも、彼女はこう言った。
「じゃあ私当麻の事待ってるんだよ!学校が忙しくなくなるまで!」
そんな彼女の言葉に当麻は一瞬唖然としたがその言葉を理解し、涙を浮かべたまま強引に笑顔を作った。
「そうか。じゃあ約束しないと」
「うん約束なんだよ!絶対とうまが学校の忙しいの終わるまで待ってる!」
「そうか。じゃあ約束だ。」
こうしてまた会う約束をした二人は一週間後、上条当麻は寮を去りインデックスは小萌の元に行った。
とうまを待つために学園都市の学生になることを決意したインデックスは小萌の家に住みながら学校に通うようになる。
もともとは当麻に任せっきりだった、料理や選択などの家事に悪戦苦闘しながら覚えていった。
そんな小萌との生活をすごした後、インデックスは学生寮に移る。
完全記憶能力者、レベル2として暮らし中学を卒業、かつて当麻のいたとある高校に入学した。
そしてそんな高校生活のある日の帰り、彼女は再会する。
また会うことを約束した幻想殺しと。