酒の飲み過ぎによる吐き気に目を覚ました上条当麻は、いまだにベッドの中でまどろんでいた。
大学の講習が迫っているかもしれないと言う事実を自分の中で黙殺する。
が、吐きたい衝動が大きくなったことによってベッドにでなくてはならないくなり、目を開けたらそこには・・・
同じ大学に通う吹寄制理がいた。もちろん、全裸でだ。
驚きのあまり声のでない当麻は、昨晩の記憶がフラッシュバックする。
(昨日は確か青髪ピアスと土御門と一緒に○○女子大と合コンにいったら、吹寄がいて・・・。
そうだ、何に怒ったのか「飲み比べをするのよ!」なんて言われて・・・)
なにか大変なことが起きた様な気がするのだがそれ以上は思い出せない。
だが酒+全裸の女の子の組み合わせで当麻は自分の頭で一つの答えをはじき出す。
(酔った勢いと言う奴ですかー!落ち着け上条当麻!まだそうだと決まったわけではない!)
そう考えつつもベッドから抜け出し回りに散乱している自分の物らしき服に着替え始める。
しわくちゃでいかにもと言う感じだがそんな事気にしている余裕は当麻にはない。
着替え終わると忍び足で部屋をでて、そこで初めて自分が一軒家の二階の部屋にいた事がわかった。
そこで階段を下り、下の階へ向かう。
(ここはもしかして流行のハウスシャアリング、という奴ですか!?いや、もしかするとここは吹寄の実家か?)
色々と嫌な状況が頭を駆け巡る。
そして、階段を下りきった時目に入った写真を見て固まってしまう。
その写真は通常の写真とは違った。
大きさも違うし、写真を飾る意味も違う。
記念として作られた少し大きめの額縁に入った写真は結婚記念を写したもの。
そう、ウェディングドレスと呼ばれる服を着た吹寄制理と純白のスーツを着込みなぜか後ろにたくさんのバラを咲かしている上条当麻。
誰がどう見ても結婚記念写真と呼ばれてもおかしくないものだった。
唖然としてその写真を見つめる当麻は突然、手を下から引っ張るのを感じ下を見てみるとかわいらしい女の子がいた。
その女の子はさっきまでベッドに一緒に寝ていた女性と似すぎている。
「パパ、朝ごはんまだぁー?」
甘えるように言う女の子に何を言おうか考えているうちに階段を下りる足音が聞こえてきた。
下りて来たのはさっきまでベッドを一緒にしていた吹寄制理だ。
「ベッドにいないと思ったら、起きてたのあなた」
「・・・」
絶句する当麻。吹寄せの声はいままで聞いたことないような優しい声だった。
「ねぇーママ今日の朝ごはんなにぃー?」
「そうね、何にしようか?」
そんな会話を聞いていた上条は突然自分の顔がフローリングの床に迫っている事に気付いた。
そして意識がなくなる前に見える写真。
歯を光らせ、背中にバラが見える自分の写真だった。
「不−」
定番の台詞を言う前に当麻の意識が暗転した。