土御門舞夏は唐突に目を覚ました。  
全てが闇に閉ざされていて時刻を知る術は無いが、周囲の無音がその夜の深さを証明している。  
その闇の中、目を凝らせば何かが動いているのがかろうじて見てとれるが  
舞夏はわざわざそちらへと目を向けはしない。  
自身の左側をまさぐればそれで充分だった。そこにはわずかなぬくもりだけが残っている。  
サイレント映画のように全くの無音の中、闇の中の何かは部屋の外へ出て行った。  
(…………何だかなー)  
いつもの事とは言え、決して慣れはしない孤独感が彼女を襲う。  
10月とは言え夜はそこそこ冷えた。今まで横にあった温もりが消えれば尚更だ。  
寒い。  
その寒さを忘れる為に右手がするりと股間へ伸びていった。  
うつぶせになって胸をベッドにすりつける。肌触りのいい寝巻きの裏生地がもどかしい。  
「……んっ……」  
ぼんやりと体の内側に熱が生まれた。思考が少しずつ胸や股間へと収束していく。  
寝巻きの上から押さえると柔らかいその場所は簡単に形を変えた。  
土御門舞夏はメイド見習いである。  
両親が死んで、遠縁の本家である土御門に親権がうつると同時に  
学園都市の学校へ義兄が編入してきたのだ。。  
それまでは土御門なんて聞いた事もなかったし、当然この部屋の主である義兄にもあった事は無かった。  
思考が嫌な方へと向かっていくのを、右手の動きを激しくする事で誤魔化す。  
「んぅ……んっ……んひぅ!」  
ぬるりとした感触が指から伝わってくる。中指の腹で谷間を強く抑えた。  
腰が跳ねる。  
舞夏にとって義兄は駄目人間だった。  
黙っていればかっこいいくせにファッションセンスや奇行で全て駄目にしているし  
成績は底辺だし友人も類が呼んだのか駄目人間ばっかりだ。  
だが、土御門舞夏はメイド見習いだった。  
「ふぁ…ぁっ……ひぁ……ぁ……きぃ…………」  
指の動きを激しくする。腰を高くもたげるとベッドに胸が強く押し付けられた。  
掛け布団は既に体から落ちており、ベッドの上でひとり痴態を演じている。  
人に仕える為に自身を鍛えていく中で得た多くの技術のひとつが彼女にある事実を気付かせる。  
「ぁ……に……――――――――ぃっ!!!」  
一際大きく腰が跳ねた。じんわりと下着が濡れていくのが解る。  
だが、行為を止めれば考えたくない事が脳内へ流れ込んでくる。  
 
メイドを志したからこそわかってしまった。  
仕える主の体調を知る為にその体の動きからどのような健康状態か知る術を学んでしまったから。  
義兄である土御門元春がその体を何度もボロボロにしている事を、  
それを必死に隠そうとしている事を。  
おかしい部分はいくらでもあったのだ。  
モテる為に筋トレしたと言っている体は格闘技のプロ以上に  
使う為に絞り上げられ、削り落とされ、鍛え抜かれていた。  
尋常じゃない筈のトレーニングを行っている所を舞夏はまだ見たことが無い。  
恐らくこのような深夜に誰にも見られないように行っているのだろう。  
では―――――――――――――  
これでは足りない。  
義兄の頭がつい先程まで置かれていた枕に顔をうずめ、思い切り吸い込んだ。  
先程まで自分を包んでいた義兄の匂いが脳内を蹂躙する。  
「ぁにきぃ……………お、兄ちゃんぅっ!?」  
夢中で動かしていた右手の一指し指が偶然服の上から陰核を弾いた。  
口からだらしなく垂れた涎が義兄の枕を濡らすが舞夏はそんな事に構っていられない。  
麻痺した思考はようやく不安を感じなくなった。  
義兄が何をしているのか尋ねる勇気は舞夏には無い。  
尋ねて、もしその時嘘を吐かれたら…………心の底に浮かぶ疑問の冷たさは熱でごまかした。  
寝巻きと下着を一緒にずりおろし、腰を高く掲げて行為に没頭する。  
直に触れた指の冷たさが秘所の熱をより一層際立たせた。  
「ぉにいちゃ……んっ!ふぁ……ひぅ……ひぅぅんっ!?」  
今の自分の恰好を脳内で思い描く。  
だらしなく涎をたらし、裸の尻を高く掲げ、見せつけるように秘所を押し広げて快楽を貪る自分。  
義兄が帰ってきたらどうなる?  
舞夏の麻痺した思考は本来ならありえない妄想の義兄を思い描く。  
自分は慌てて布団で身を隠す。だが、血走った目をした義兄がその布団を奪って自分をベッドに組み伏せる。  
そして丁度今の姿勢にされ、無骨な指でまさぐられるのだ。  
「ぃや……やぁ……」  
中指が粘膜を押し割って奥へと侵入するが、舞夏の小さな手では一番奥までは届かない。  
もどかしさが一層動きを激しくさせた。  
 
自分の必死の抵抗はしかし鍛え抜かれた義兄の膂力の前に霧散する。  
あっという間に充分な湿り気を帯びたそこを確認した義兄は一旦離れるのだ。  
次に来る行為を察したしかし自分は恐怖に震えて動けない。  
唯一動く口で精一杯拒否をするしかないのだ。  
「駄目、駄目だぞぉ……ぁに……きっ!?ぉにいちゃんぁあっ!?」  
指を二本に増やす。先程よりも太いものに押し広げられた粘膜は  
今まで以上の熱を舞夏の脳内に送ってくる。  
義兄に犯された。信頼していた義兄に。  
モテなくて駄目人間で、でもそこが可愛くて大好きだった義兄に。  
こんな事―――――――と絶望する自分。  
しかし結ばれた事に幸せを感じている自分も脳内のどこかに存在した。  
被虐による苦しさの中にひとつ純然たる悦びが混ざる。  
そしてその悦びは思考を段々と侵食していき、やがて脳内全てを埋め尽くした。  
右手が卑猥な音を立てて秘所を蹂躙していく。  
左手も股間へと伸びていった。大きな波が来る瞬間に備えて陰核に触れる。  
「……きてっ!きてぇっ!?おに――――――――――――――」  
摘む。抉る。  
「んきゅぅぅうぅぅううっっっ!!!???」  
腰が何度も跳ねた。口から漏れる声を枕に顔を埋めることで出来るだけ小さくする。  
股間から大量の液が飛び散った。  
それに合わせて義兄が痙攣し、自分の中に欲望を流し込んでくる。  
「うぁ……あにきぃ…………」  
勿論それは妄想で、義兄は今この部屋にいないし当然舞夏を犯してもいない。  
未だ経験の無い舞夏にはそれらの感触は妄想でしかない。  
しばしの間、土御門舞夏は妄想の感覚を貪った。  
 
 
 
行為の余韻を充分に味わった後、舞夏はむっくりと体を起こした。  
涎まみれの枕、愛液で汚れた下着とシーツ。  
問題点は山積みだ。  
毎度の事とは言え、うんざりするのもしょうがない。  
本当ならこのまま寝てしまいたいくらいいい心地なのだ。  
だが、義兄にバレるわけにはいかないから後始末をしなければいけない。  
理不尽な怒りが湧いてくる。  
「これも全部アンタのせいだぞー。馬鹿兄貴ー」  
明日の朝食は義兄が苦手なものを使って作ってやろう、  
ささやかな復讐を思いついた彼女は先程の寝室を再現すべく行動に移った。  
 
 

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