立ったまま、ズボンの上から陰茎の形を確認するように軽く撫で擦る。
“大きい、それに硬い…!”
西洋人のものには無い、鋼のような硬さに驚く。服の上からでは我慢できなくなり、急かされるようにジッパーを下げ、下着を掻き分け、陰茎をさらす。
目にした上条の陰茎は、血管を浮き上がらせ、はちきれんばかりに勃起していた。まさに、怒張。
「ふふ…」
淫靡な笑みを漏らしながら、陰茎に指を絡める。それだけでびくっと陰茎が震えた。そのまま上下に手を動かし、擦る。
「うあっ…」
噛み潰したような呻きがを上条が漏らす。快感が脳に突き刺さってきた。
“うわ…射精しちまいそうだ…”
快感に耐える上条をアニェーゼは面白そうな表情で見上げ、擦るスピードを上げる。
“責められる側の気持ちが分かりますねと言うかなんと言うかー!”
そんな冗談で気を紛らわせないと、本当に漏らしてしまいそうなほど、アニェーゼは上手い。ただ茎を擦るだけでなく、鈴口や尿道口にも指を這わせ軽く爪を立て、刺激してくる。
「もっと声、出しても良いんですよ?」
しかし応える余裕が上条には無い。そんな上条に微笑み、アニェーゼは爪先立ちになり、口付けてくる。
「んんっ!?」
上条が先ほどしてきたように、舌を絡めあう。
ぷち、ぷち、ぷち…
空いている手で上条のシャツのボタンを器用に外し、さらにTシャツを捲り上げる。
露になった上条の胸板。鍛えてはいないのだろうが、適度に筋肉の付いたそこは、ひ弱さとは無縁だ。
「ぷは…」
唇から口を離し、かかとを地面につける。そして目の前のかすかに汗ばんだそこに口付け、舌を這わす。
「うわ!?」
鎖骨の形を確認するように丁寧に舐め上げる。そして、胸板に舌を下ろしていく。
「うぁ…」
ぞくぞくした感触。
アニェーゼは胸板に円を描くように舌を這わせる。その舌が軌道を変え、上条の乳首にたどり着く。
「男の人も、ここは感じるんですよ?」
そこをちろちろ舐められ、反対側は指で擦られる。これまで感じたことの無い、むずがゆいような感覚。それは怒張を擦る快感と相乗しあい、上条は耐えるしかできなくなる。
たっぷり苛め、アニェーゼは胸から口を離した。
“ほっとしたような、物足りないような…”
そんな思いが表情にも出たらしい。
「そんな顔しなくても大丈夫ですよ。これからが本番なんですから…」
そして腰を落とし、上条の怒張に視線を合わせる。
反り返った上条の陰茎。それが放つ濃厚な雄の匂いを、胸いっぱいに吸い込む。
“下が、蕩けちまいそうです…”
それだけでアニェーゼの秘所から新たな蜜があふれ出し、地面に滴り落ちる。
「いい匂いですよ、カミジョウ…」
ふっと息を軽く吹きかけ、亀頭に舌を這わせる。
「あうっ」
敏感なそこを舌先で触れられる感触に、上条は思わず声を上げてしまう。その反応に気を良くしたのか、アニェーゼは唇と舌が多彩な動きを見せる。
舌先でつつく。ちろちろと小刻みに舐める。そうかと思えば舌全体を亀頭に被せるように舐め上げる。傘の裏にまで舌を這わす。唇で吸い付き、亀頭の上下を挟み込む。
その妙技に、上条の射精感は一気に高まっていく。歯を食いしばって耐えるが、その間から声が漏れ出してくる。
「くっ、はっ、うっ、んっ…!」
「ん、んくっ、ん、ぷは…」
“亀頭が広がってきましたね…”
射精感の高まりを感じたアニェーゼは、一度唇を陰茎から離す。そして、陰茎の根元をぎゅっと握る。
「まだ、ですよ。もう少し我慢してくださいね…」
そうしておいて、今度は幹の側面を唇で挟み、舌で舐めたてる。
じゅっ、じゅっ、じゅっ…
卑猥な音を立て、幹の側面をアニェーゼの唇が何度も往復する。
「あ、あうっ、うっ、くあっ…」
“拷問に近いかも…”
射精を我慢させられた上で、さらに刺激を加えられる快感は暴力的だ。それでも多少なりとも余裕を保ってられるだけ大したものである。そのくらい、アニェーゼの口技は巧みだ。
幹の側面から、舌が裏筋に移る。舌先で裏筋を正確にトレースされた後、舌全体が裏筋を這っていく。
さらに、その下にあるボールをも、アニェーゼは口に含み、転がすように刺激する。
上条が漏らすのはもはや荒い吐息だけ。尿道からはだらだらと透明な液が滴ってくる。それでも、上条は地獄のような快感に耐えて見せている。
“ここまで粘ってくれるとは…嬉しいです”
開いた片手で自分の秘所をいじりながら、アニェーゼは思う。上条のタフさは、自分の持てる技術のすべてを尽くして愛するに足るからだ。
“だから、逝かせて上げますね…”
「ぷはっ…」
もてあそんでいたボールから口を離す。
そして口を大きく開き、陰茎全体を喉の奥へと飲み込んだ。
「うあぅっ…!」
アニェーゼの口内の熱さ。舌の感触。口を窄ませているため、陰茎全体に張り付いてくる頬の裏の粘膜の蠢き。尿道口を包みこむ、喉の奥の柔らかい肉の感触。
“やばい、漏らしそ…!”
上条はそれだけで達しそうになった。
アニェーゼはゆっくりと首全体を上下に動かし始める。上下の大きなストロークは、上条の陰茎全体を満遍なく刺激する。
その一回だけで上条は飛びそうな快感を味わい、背筋を震わせる。しかし、アニェーゼは動きを止めないどころか、そのスピードを上げていく。
じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっじゅぷっじゅぷっ…
「う、あ、あ、ああああ…!」
上条の声も止まらなくなる。辛うじて下腹部に力を入れて耐え続けるが、果たしてそれもいつまでもつか。
さらに、アニェーゼは自らの蜜に濡れた指を上条の不浄へと這わしていく。
「な、ちょ、アニェーゼ!?」
これにはさすがに上条も驚くが、快感に耐えるだけで精一杯で押しとどめられない。
アニェーゼの指は上条の不浄の形を確かめるようにくるくると這い回る。幼少の頃はさておき、物心ついて以降は他人に触れられたことのないそこを触れられ、上条は赤面する。
しかし、
“うう…気持ち良い?”
同時に快感。意識したせいで、加えられる刺激に余計敏感に反応してしまう。
不浄の表面を這い回る指が、そろそろと上条の不浄の中に侵入しようとしてきた。
“なんか上条さん、色々大切なものを失ってしまそうですよ!?”
貞操の危機ってこんなことを言うんだろうなー、と他人事のように誰かが脳内で呟く。全く冗談にならないが。
上条のそこは下腹部に力を入れているためきつく締められ、そう簡単に指の侵入を許さない。しかしアニェーゼは慌てず、不浄の穴を爪で軽くめくり上げ、その中の粘膜を刺激する。
“う、うう…”
不浄の周辺は、元来神経が密集した敏感な粘膜である。そこを丁寧に刺激されれば、初めてでも快感を感じさせるのは不可能ではない。
そして快感を感じれば筋肉は緩み、弛緩する。その例に漏れず、上条の不浄も徐々に力が抜けていく。
それを見逃さず、アニェーゼは上条の不浄に細い指を一本、差し入れた。
「おあ!?」
上条が変な悲鳴を漏らす。
“キツい、ですね…一本が限界ですか”
そう判断し、アニェーゼは指を動かす。陰茎の裏側を這い回り、ぴくぴくと動く部分を探し出した。
“見つけましたよ…”
“そこって、確か、前立腺!?”
そして、陰茎をしゃぶる動きに連動させ、そこを指で刺激する。効果はてきめんだ。
「ひあっ、うあっ、ううっ!」
陰茎を裏と表から刺激され、上条が女の子のような嬌声を漏らし、口の中の怒張もさらに硬度を増す。亀頭のふくらみも臨界に達した。それを察し、
“さあ、止めです…逝っちまいなさい!”
アニェーゼは喉の奥で上条の陰茎に舌と口の粘膜を巻きつけ、頬をへこまして一気に吸い上げる。同時に、前立腺に軽く爪を立て、強い刺激を贈った。
下腹部の力が抜けた上条は、その快感に耐えられない。
「あ、出る、アニェーゼ、出るっ!」
悲鳴のような声を上条が漏らすと同時、
「!?」
びゅうううううっ、という擬音が似合いそうな勢いの射精。その濃さも量も半端ではない。アニェーゼの喉を直撃したそれは半分ゼリー状で、思わずむせてしまう。
しかしアニェーゼは口を離せない。いつの間にか上条がアニェーゼの頭をがっちり押さえ込み、喉奥にまで陰茎を突き込んで来たからだ。
「んーんーんんー!?」
あっという間にアニェーゼの口の中いっぱいに上条の精液が溜まってしまう。涙目になってえずくが、それでも上条は離してくれない。
長い射精は、一分に及んだだろうか。すべての精を吐き出すとようやく上条は我に帰り、アニェーゼを解放した。
解放されたアニェーゼは、掌に精液を吐き出し、咳き込む。
「けほっ…けふっ」
涙目のアニェーゼに、上条が慌てて謝ってくる。
「ごめん、アニェーゼ、その、あんまり気持ちよかったもんだから、つい…」
「いえ、気にしないで下さい…」
なんとか咳き込むのが止まったアニェーゼは、掌の上条の精液に視線を落とした。
「凄く、その、濃いですね…」
上条のそれは、白濁したゼリーのようにプルプルしていた。
「いや、だって、インデックスが来てから自分ですることも出来なかったし…」
自室に女の子がいる状況では、確かにオナニーなど出来ないだろう。それに、上条のメンタリティでは、インデックスを襲うなどとは思いもよらなかったに違いない。
インデックスを気にかける上条に、アニェーゼの心がチクッと傷んだ。
「まあ、禁書もこういうことには疎そうですしね…」
そんな感情をごまかすように、アニェーゼは上条を慰める。人としては立派だが、しかし健康な男性としてその身に強いた自制は、もはや聖人のそれに近い。
「あのさ、それ、捨てていいから…」
自らの吐き出した精液を気恥ずかしそうに眺め、そう上条が言いかけると同時、アニェーゼは掌にわだかまる精液を舐めとり、一気に飲み干してしまう。
「ふふ、飲んじまいました」
悪戯っぽく言う声と、下から見上げてくるようなアニェーゼの表情に、上条は撃墜される。その勢いのまま、アニェーゼの背を壁に押し付け、脚を開かせる。
「上条のそこ、まだ元気ですね…」
一度射精したばかりだというのに、上条の怒張は一向に納まる気配を見せない。
「アニェーゼのここも、もうすっかり準備OKって感じだぜ?」
アニェーゼの秘所も何かを待つようにひくついている。
ふふ、とアニェーゼは笑みを漏らし、迎え入れるように自分から秘所を開いて、告げた。
「カミジョウ、どうかあなたを、私に感じさせてください…」
「ん。いくぞ」
向かい合って、儀式のようにキスをする。
そして上条は、立ったままのアニェーゼの秘所に自らの陰茎を当て。
一息で、刺し貫いた。