ブルーハワイというシロップは、昔から疑問だった。  
どこらへんが『ハワイ』なのか、分からない。  
ハワイの海の色と言われれば、まあそんな気もする。  
ハワイの空の色と言われても、やっぱりそんな気がしなくもない。  
しかし、なにか違う。なにか腑に落ちない。  
 
「ようは、チープなんだよな」  
ぐったりと独り言を呟いて、浜面仕上は頬杖をつき直した。  
丸テーブルの上には、ぽつんと、件のカキ氷が1つ。  
子供の頃、地元で食べたブルーハワイもパッとしない代物だったが、どこに行っても同じ  
ようなものらしい。  
ガラスの鉢に盛り付けられた粒氷の山。頂を蒼く染める、スカイブルーのシロップ。  
色ガラスの染付にでも使えそうな、柔らかくも深い色合い。とても食品に使っていい色と  
は思えない。  
しかしそんな物でも、汗ばむような暑気の下では、不思議と意識を引き付ける。  
 
7月29日。  
夏休みの序盤。お盆に向けて日々の平均気温グラフがピークを駆け上る時期。高気圧に撫  
でられた日本列島は、今日も快晴☆猛暑だった。  
ここ、千葉県は房総半島の一角でも、事情は同じ。  
午前11時現在、気温は摂氏34℃。  
雲1つない空の下、砂浜は真っ白に焼けて、白金のような輝きを放っている。光が強すぎ  
て、じっと海を見ていると、目に変な陰影が付いてくる位だ。潮騒の音は耳に涼しく、し  
かし熱気が強くて、潮風には汗の匂いが溶けているようだった。  
そんな熱砂の浜辺を埋め尽くす、人、人、人。  
老若男女が群れ集い、騒ぎ、飲み食い遊ぶ。あっちでビーチバレー、こっちでバーベキュ  
ー、そちらでスイカ割りと、大盛況だった。  
こんな天気なので、浜に面した海の家も、さすがによく賑わっている。日差しを避け、涼  
を求めて店に入る家族連れ、カップル、友達同士か男の集団、女の集団……。店の中に入  
りきらない客は、外のテラス席にまで、はみ出ている。  
――浜面はそんな客に混じって、パラソル付きのテーブルで1人、ブルーハワイを突ついていた。  
 
サクリと、スプーンを突き立てて氷の山を削る。  
最初の一匙を口の中に放り込むと、果汁0パーセントのジュースにも似た、不自然な程に  
爽やかな香料の香りが広がる。  
まずくはない。  
強いて言えば、ラムネに近いが――しかしこれなら、本物のラムネを飲んだほうがマシだ  
という気になってくる。  
これがハワイの味だというなら、一生ハワイになんか行かなくてもいい。  
(そして、なぜか量だけはいっぱいある、と)  
ニョキッと鉢から生えている氷を、また一掬い、シャクッと削る。  
二口目で、早くも冷気で舌の感覚が麻痺してくる。  
きっと三口目で頬が強張り、四口目で頭の中をジェット機が飛び回る事になるのだろう。  
味よりも涼、という自分の選択を、早くも後悔しかける。  
ムーンと唸り声をあげながら、3回目の掘削。  
苦い顔のまま、浜面はスプーンを持ち上げ――  
くいっと横から引っ張られて、手が止まる。  
振り向いた浜面の目に、白い光が弾けた。  
 
どこかからスポットライトが降ってきているのか。  
――そんな錯覚を覚えた。  
光源は、横から浜面を覗き込んでくる女だった。  
強い夏の日差しに、日焼け止めを塗った肌が、真珠のような光沢を帯びている。  
女性にしては長身の体躯。  
全体に『ふくよか』な感じだが、丸みとくびれが絶妙のバランスで同居したプロポーショ  
ンで、モデルというよりも、ギリシアの女神像でも眺めているような気になってくる。  
明るい茶色に染められた髪は、渦を巻くみたいにして白いうなじに張り付き、ポタポタと  
水滴を滴らせている。  
大きく、我の強そうな目元に、少し意地の悪い笑みを貼り付け、女は浜面の右手を捕まえていた。  
「なーんて顔して喰ってんのさ」  
言って、女――麦野沈利は、浜面の手を再度引く。  
そして自らも顔を寄せると、何気ない動きで、浜面のスプーンを口に含んだ。  
――凍りつく。  
友達と、『それ以上』との境界、ギリギリの行動。  
息を呑んだのは、しかし浜面だけのようだ。麦野は気にした様子も無く、眉を寄せて「微妙」と呟く。  
「なんか、昔の駄菓子屋で売ってそうな味」  
「ちょっと偏見だぞ、それ」  
言いながら、浜面は周囲を見る。  
チクチクと突き刺さる、感嘆と嫉妬の視線。  
海の家のベンチで談笑していた海パン学生たちが、波打ち際でボディボードを振り回して  
いた、日に焼けた男たちが、ある者はチラチラと、またある者はあからさまに食い入るように、浜面と麦野を見ている。  
 
麦野は白の水着姿だった。  
モノキニとかいう、ワンピースタイプだが背中を大きく開ける形の、あの水着だ。  
クリアホワイトの布地の面積はけっこう小さく、印象としてはビキニとそう変わらない。  
しかし健康的な白のカラーリングもあって、スポーツ系という印象もある。  
完全ビキニで来るとばかり思い込んでいた浜面は、だから、見た瞬間こそ意外に思った。  
しかし結局、すぐに思い直した。もともとスタイルのいい麦野には、スポーティーなデザ  
インもよく似合うのだ。特にハイレグのボトムから、色白の腿がムチッと露わになってい  
るサマといったら――。  
 
「コラ、どこ見てんのさ」  
「お、ああ、いや、なんでも」  
じろっと睨まれて、慌てて目を逸らす。  
ハッと、馬鹿にしたような笑みを浮かべて、麦野は浜面の手からスプーンを取り上げた。  
「海にまで来て、ナニ見てんだか。罰ね、喉渇いたから、それ没収」  
言って、麦野は豪快に氷山を崩した。  
大盛りの匙を、口に運ぶ。  
赤い唇がキュッと動いて氷水を含み、濡れた髪が張り付いた白い喉が、飲み込むたびにコ  
クンと上下する。  
……『あだっぽい』というのか、すごく『クる』ものがある。  
遠巻きに凝視する男達にとっても、それは同じだろう。しかし声をかけてくる、勇気ある  
男はいない。  
それもむべなるかな、午前中、さる恐れを知らぬ不良(バカ)の一団が突撃し、見事、千  
切って投げられたのだ。  
腕っ節を頼みとする男達は、女の手で転がされ、ほうほうのていで逃げていった。  
同情の余地もないバカどもだったが、男の尊厳を踏み付けられた事には、多少の憐憫を覚  
えなくもない。  
そして、浜面は改めて思うのだ。  
(……やっぱこの女、めっちゃ怖ぇー)  
そんな怖い女と、1つのスプーンでカキ氷を突き合っているという現実。  
考えると、なんだか目眩がしてきそうだ。  
 
「んー、やっぱキツイなあ、この量は」  
半分ほど山を片付けて、麦野は額を押さえながら、残る氷を睨む。  
「もういいや、残りはあんたが片付けて」  
「あのな、――っ」  
言い返そうとした浜面の眼前に、にゅっとスプーンが突き出される。  
笑う麦野の目は、海と同じくらい、キラキラ輝いている。  
言葉を返そうとして、しかし浜面は口を開けない。きっと開いたその瞬間に、匙をねじ込  
まれるから。  
刺すような夏の光。  
匙の上で、氷の粒が、空色の雫へと溶けていく。  
「ほら」  
「ん、んん――――んむぅ!」  
 
……強引に、口に突っ込まれた。  
 
――甘い。  
さっきまでの甘味料の味だけじゃなくて、なにかもっと、深く喉に溶けていくような。  
いや、気のせいだろと、冷静な部分が、突っ込みを入れてくる。  
「……くふっ、お、お前なぁ――」  
少しだけ怒ったような顔を作って、浜面は麦野を見た。それから、照れたように視線を外  
して――  
――周囲の視線が一段、圧力を増している事に気付いた。  
多分、こちらは気のせいじゃない。  
ボーダーのお兄さんがたの錐のような視線が、浜面の剥き出しの、生っ白い肌に、ドスド  
スと突き刺さる。  
冷や汗が吹き出してきた事を自覚しながら、浜面はガタンと、わざとらしい勢いで席を立  
つ。  
「さあて! 十分涼んだし、もういいか!」  
「ハァ?」  
「帰ろうぜ! 平穏なる明日の彼方へ!」  
自分でも気持ち悪くなるくらい、にこやかに笑って、浜面はあさっての方角を指差した。  
視線の温度を下げながら、麦野はピッと指先でスプーンを振る。  
ピチャッと冷たい雫が鼻先に弾け、浜面は「おうっ!」と苦悶の声をあげた。  
「アホ。まだ仕事の――」  
「ちょっとぉー! なに二人でサボってんのよー!」  
 
飛んできた甲高い声に、麦野が「あちゃ」という顔をする。  
浜面は頭を抱えた。  
ザワッと、周囲の空気が――男空気が動いたのを感じる。  
……聞きたくない。見たくない。話したくない!  
(ヤバイ! マジヤバイって!)  
だが、現実はいつも非情だ。  
「ちょっと浜面! アタシら放って自分達だけカキ氷ってひどくない!?」  
「超裏切り行為ですね」  
「……そんな卑怯なはまづらは、ちょっといやかも」  
ガーッと迫ってくる声の塊に、浜面は嫌々目線を上げる。  
男達の殺意の源が、人垣を割って近づいて来ていた。  
 
弾ける光の粒。  
ヘーゼルブロンドに輝く頭髪を、惜しげもなくさらした白人の少女。  
赤いワンピースの水着に包まれた華奢な体は、繊細なラインを描き、これで目が釣り上が  
ってなければ、きっと妖精のお姫様みたいな、可憐な印象だったに違いない。  
その隣に立つのは、フリル付きの水着を着た、小学生かと見まがうような――少女という  
より、『女の子』という表現が合いそうな娘だ。  
クリッとした意志の強そうな目に、太い眉。けれど笑えば、10人中9人は声を揃えて「可  
愛い」と言いそうな、愛嬌のある顔立ち。何年か前に大ヒットしたファンタジー映画に出  
てきた、小人族を思わせる。  
そして二人の後を付いて来る、最後の一人。  
前の二人が『妖精』と『小人』なら、この少女は『人形』という喩えが相応しい。  
トロンとした、夢見るような目付き。小さな鼻と小ぶりの唇。日本人形を思わせる容貌だ  
が、起伏の少ない表情の隙間に、チロチロとなにかの感情の影が顔を覗かせる。  
……そして何故か、スクール水着。  
――理由は教えてくれなかった。スタイルはそう悪くないのだが、それが却って妙な具合  
に映え、周囲から激しく浮きまくっている。  
 
目を吊り上げ、眉をしかめ、あるいは視線の内に非難を込めて、彼女達は浜面のもとに来る。  
「麦野! リーダーも一緒になって、なにやってんのよ!」  
「いいじゃん、喉渇いたし」  
ぷらぷらと手を振って、麦野は軽く答える。フキーッと怒ったフェレットのような声を上  
げて、金髪の少女――フレンダが、がなり立てた。  
「アタシ達だってカラカラよ! 休むんなら一声くらい掛けてくれたって」  
「ごめんごめん、ほんとは私もコイツ捜しにきたんだけどさ」  
毛ほども真心の感じられない言い訳を、浜面は横耳で聞き流していた。  
嘘か本当かはともかく、当初の役目を全く果たしていないのは確かだ。  
それよりも今は、この危機的な状況をなんとかしなければ。  
女の中に男が一人。しかも彼女達は美女揃いときたら。  
(俺ってどんなモテ王? どんなナンパ野郎? ヤベーよ! マジヤベーよ! 俺の世間  
体が! っていうかむしろ、俺の命が!)  
周囲の男視線に恐々とする浜面の耳に、暢気な会話を続ける少女達の声が入る。  
「てなわけで、お詫びにここは奢りだって。よかったね。ありがと浜面!」  
――。  
「…………はい?」  
「ん〜、まあそれなら許してやんない事もないけど」  
「男の甲斐性ですか。カビの生えた手ですが、奢るというなら断る理由はありません」  
「ありがとう、はまづら」  
口々にそう言って、なにか理解不能な言葉にフリーズした浜面を置いて、少女達は海の家  
に入っていく。  
同時に、飽きたのか、それとも嫌気が差したのか、申し合わせたようなタイミングで、嫉  
妬に視線を燃やしていた男達も、「チッ」――舌打ちを残し、一斉に散開して、三々五々  
と去ってゆく。  
――その場に残されたのは、浜面のみ。  
「……えーと」  
バカみたいに突っ立ている浜面を、夏の苛烈な太陽が、ジリジリと焼いていく。  
 
『アイテム』と呼ばれる組織がある。  
学園都市の暗部に存在する機密集団。内部の不穏分子を排除し、ときに上層部に喧嘩を売  
る事も辞さない武闘派チーム。彼女達4人と浜面は、その主要メンバーだった。  
――その彼女らが、なぜ学園都市の外の、しかも千葉の海水浴場などに来ているのかとい  
えば――。  
 
「結局さ、ほんとにこの辺なわけ?」  
ブスッと割り箸をオムレツに突き立てて、フレンダが言った。  
彼女がそのまま箸をぐいと広げると、トロンとした半熟の卵が湯気をふいて裂け、中から  
ソースの香りも香ばしい、ホクホクの焼きそばが現れる。海の家のオム焼きそばにしては、  
かなり美味そうだ。  
「いくらなんでも、こんな衆人環視のド真ん中で接触してたなんて、考えらんないよ」  
そう言ってから、オムそばを口にして、「あ、ンまい」とフレンダは呟いた。  
海の家の奥、座敷の席に陣取って、一同は昼食にしていた。  
「こんな場所だからこそ、秘密の接触場所に選ばれやすいというのは、フレンダもよく知  
っている常識だと思いますが」  
ちゅるちゅると冷やし中華を啜りながら、小柄な絹旗が冷静に切り返す。  
「確かに、やや騒がしすぎるとは思いますが、こういう場所では、ほとんどの人が他人の  
動向には注意を払いません。それが迷惑なものでない限りは」  
それに、と絹旗は続ける。  
「ここは『外』です。向こうみたいな監視の目があるわけでないし、普通の人達は『彼ら』  
が多少怪しい動きをしても、それが怪しいという事にさえ、超気付かないでしょう」  
ンーと唸って、フレンダは黙り込む。  
 
――そう、彼らは学園都市の人間が、秘密裏に外部の者と接触しているという情報を追って、ここまで来ていた。  
 
通常、機密の漏洩や物品・技術の密売などの事件は、専門部署である『税関局』の管轄と  
なる。これが単なる密輸事件ならば、そうなっていただろう。  
問題となったのは、外部との接触を行っていたのが、彼女達『アイテム』と同等の権限を  
持つ秘密集団、『メンバー』と呼ばれるチームだった事だ。  
ただし『メンバー』そのものは、あの10月9日の騒乱の折、壊滅しているという。活動  
を続けているのは、外部との接触を請け負っていた下部組織である。  
だが下部組織とはいうものの、彼らは元々、学園都市の裏社会で名を馳せた犯罪集団だっ  
たらしい。『メンバー』崩壊後も、築いたルートを自分達の力で保持していて、今もなお、  
外部との密輸に使っているという。  
一筋縄ではいかない相手という事で、『アイテム』に指名が掛かり、浜面は場違いなバカ  
ンスを過ごす羽目になったのだった。  
 
トントンと指先でテーブルを叩いていたフレンダは、まだ納得できないという顔で、絹旗を見た。  
「でもさ、もしアタシらが動いてる事に、向こうが気付いてたら」  
「さて、どうでしょうか。さすがにもう、この海水浴場にはうろついてないと思いますが」  
「私たちは、ここでは情報収集の力が落ちる。反対に相手は、こちらでの立ち回りを熟知  
していると考えた方がいい」  
茫洋とした目でコーヒーフロートをゴボゴボ吹いていた滝壺が、ボソリと呟く。  
「私たちはまだ向こうを見つけていない。けど最悪、向こうはもう私たちを補足している  
かもしれない」  
「ふむ、十分考えられる事ですね」  
 
――深刻にやり取りする少女達を横目に、浜面は鬱々と自分の料理を突いていた。  
(海の家って、どうしてこう高いんだろうなぁ、ハハハ……。つうかこのロコモコ、不味ぇ)  
浜面が頼んだのは、ハワイ風のハンバーグライス。しかし明らかに冷凍くさい代物で、  
値段どおりの物とは到底思えない。ブルーハワイといい、どうやらハワイとはロクな  
縁が無いらしい。  
心の溜息をついて、投げやりに割り箸をハンバーグに突き刺し、また一口運ぶ。  
強行発令された『男の甲斐性作戦』。その成果は不明のまま、討ち死にしたヒデヨ・  
ノグチ達の、しわの寄った顔のみが、グルグルと浜面の脳裏を回る。  
……否、これ以上は考えまい。仕方ないことだし。  
コップの水を一口飲んで、浜面は経済ダメージを頭から追い払った。  
 
(……しかし確かに、こっちじゃ勝手が違うからな。学園都市の中みたいにゃいかねえか)  
今回、下部組織の助けは無い。学園都市の外にまでは『アイテム』の権限とて及ばない。  
代わりに情報収集には『税関局』が協力してくれているが、彼らはあくまで下部組織では  
ないので、意思の疎通はスムーズではないし、あまり無茶な要求も出来ない。  
ちらっと横目で麦野を見ると、会話を聞いているのかいないのか、泰然とした様子で醤油  
ラーメンを啜っている。が、ちょうど食い終わるところだったのだろうか、最後の麺をス  
ープと一緒に飲み込むと、どんぶりから顔を上げた。そして紙ナプキンで口を拭いながら、  
「ま、それも織り込み済みってこと」  
その一言で、全員が麦野を見る。少女達の議論を、まとめて引き取ってしまう。  
「向こうがウチらに気付いていたとしても、それならそれで、ウチらは囮になれるからね。  
向こうが監視してくるんなら、『二重囲い』の要領で監視を釣り上げる事も出来るだろうし、  
地下に潜って息を殺すってんなら、稼いだ時間でじっくりと炙り出せばいい。そこらへんは  
絹旗頼みかな」  
自信に満ちたその口調に、浜面は内心で感心していた。  
やはり麦野には、仲間をまとめられる能力がある。リーダー性という点では、『アイテム』  
の中で一番だろう。独立記念日の事件を契機に角が取れてからは、リーダーシップに更に  
磨きがかかったようで、以前のように強く引っ張らなくとも、仲間達が自主的について来る  
ようになった。  
一同、うんうんと、ひとしきり頷いて、  
「んで、結局これからどうすんの?」  
フレンダの疑問に、麦野はのんびりと答えた。  
「引き続き調査を続行。怪しいヤツラ――探知機に反応があったり、能力者と思われる  
ような人間がいないか探る事」  
以上ね、というアバウトな指示に、浜面はずっこけかけた。  
「……マテ、まて待て、なんだなんだ、その指示は」  
「いや、なにって」  
「だって、ねえ」  
少女達は――またも、こんな時ばかり息を合わせて――いっせいに浜面を見る。  
「ターゲットの連中の顔とか、私ら知らないし」  
 
・  
・  
・  
(続く)  
 

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