「ふぅ、何だったんだ、さっきのは」
玄関から寮の入り口に向けて歩きながら考える。
昨日までは、ごく普通に食べて食べて食べて、ごく普通に噛み付かれて、ごく普通に寝ていった少女。
うん、どこもおかしくないなと、気のせいか目から鼻水を垂らしながら納得する上条。
やはり今日の朝からだよな?変な物でも拾って食ったか?
と本人からまた噛み砕かれそうな事を考えて考えて考えて―――ある感情を忘れようとする。
それもこれも銀髪の少女に咥えられたペニスが、まだジンジンと疼いているのだ。
上条は、まだまだ咥えられたいと涎を垂らすペニスの求めを、必死で普段の彼女を考え、無視しようとしなければならなかった。
けれど普段の彼女とのギャップに危うく興奮しかけ失敗。
常の日常でよく見ているインデックスの口や舌、あの口の中に咥えられていたのだ。
淫らに動く彼女の食舌は腰が蕩けそうなほどの快楽を奏でていた。
くそっと一つ舌打ちをする。
先ほどから別の事を考えようとしても、先ほどの光景やら卑猥な考えやら、常ではありえない事ばかり浮上する。
まるで意図的にそれらの事を集中的に考えるようにされているかのように。
―――「あはは、抑える事なんてないのに……交尾相手の雌なら沢山居るんだからぁ……ね?」
「なっ!」
今何か声が聞こえたような……気のせいか?
あの甘く脳内に染み込んでいきそうな……どこか本能を煽るような声は……。
【おい、カミやん!聞こえてるか!カミやん!!】
自分は声に陶酔していたかのように呆然としていたのか。
ハッと我に返り電話に耳を傾ける。
「わりぃ。で、さっきのインデックスと何か関係があるんだな?」
朝の時とは違い、真剣な声である。
流石に何か一大事が起きていると認識しているからだ。
【おいおい、マジで頼むぜ。今回はお前だけが頼りなんだからな】
「…オレが?何でまた?」
【説明すると長くなる。いや、状況を逸早く知ってもらったほうがいいか。簡潔に話そう。簡単に言えばだな―――】
そこで声が途切れた。しかしそれは正確ではない。
むしろ遮られたのだ、突如として背中に感じた、魅了されるような甘い芳香を漂わせた柔らかい衝撃によって。
「うわっ!……何だ!?」
その場所が階段のような不安定な場所ではなかったため惨事は免れたが、
思ったより勢いが合ったようで携帯が遥か向こうへ飛んでいってしまった。
がしゃん、と強い音までしたようで壊れている可能性もある。
「……良かった。まだ。無事だった」
姫神!?と出そうとした声は正面に回り、ふわっ……と首に両腕を絡めた姫神のぷにぷにした唇によって吸収された。
「ちゅるっ。くちゃっ…ぬちゅぬちゅ……ちゅううう…」
先ほどまで快楽を与えられ、余韻が抜けない身体にはこの口辱はきつかった。
瞬く間にペニスは淫欲を滾らせていき、ズボンの中で今にも突き破らん状態になってしまう。
「ひ…め、か……み…やめ……!!」
そこへぎゅうぎゅうと抑える様に姫神の太ももが割り入ってくる。
白く柔らかい、温もりと弾力が同居した感触に、ペニスから悦びの先走り液がどっと溢れ出てくる。
とても甘く香ばしい匂いが鼻に入っていく。
そのどこかいやらしい匂いは、目の前の待ちきれなかったと言わんばかりに口付けを繰り返してくる少女から立ち上っていた。
そこにぐいぐいとペニスを圧迫してくる柔らかな太股やじゅるじゅると口内を嘗め回してくるのだからたまらなかった―――
「……ここは、路、上だ…ぞ……!!」
「れるっ。べちゅっ……出したい?あふぅっ。……いいよ。一旦ここで出そうか」
―――姫神は聞いちゃいない。
ここが道端で誰が通ってもおかしくはないのだという事を。
そんな所でこんな事をしていたら誰かに咎められるのだという事を。
既に忘却して、いや、考えてすらいない。
「……くそっ…たれ」
少女を突き飛ばそうにも与えられる快楽で力が入らない。
その芳香に、その甘える顔に、その少女の身体に、
己の身体が魅了されている―――。
「じゅるっ…ぬちゃっ。…ふふ。さ。どぴゅどぴゅってしようか」
それをまるで関係ないとばかりに、常ならしない熱の篭った甘い微笑を携える姫神。
口の周りに残った少年の唾液すら勿体無いとばかりにぴちゃぴちゃっ……と舐め取っていく。
そしてまたねっとりと唇を重ね合う。
「ちくしょう、なん、で、身体が……!」
歯を食いしばっても少女の身体は容赦なく限界を超えさせようとする。
視界は全てを許す聖女のように微笑む姫神で埋め尽くされている。
徐々に視界が白く染まっていく。
ぐにぐにとペニスが揉み込まれ、最後に一際強くむにゅっと押し付けられ、
少女の口が、少女の舌が、少女の小さくない胸までが潰れるほど強く押し付けられ―――
「…………!!!」
射精の瞬間も、姫神の唇が抑えてくれため漏れなかった。
「ふぁ。んぅぅぅぅぅ……!!!」
少年の絶頂に少女まで達したかのように潤んだ瞳から涙を一筋溢れさせ、身体を震わせ、太股から汁を溢れさせながら、より舌を絡める。
そんな少女の乱れ姿を見せられながら、太股で押さえつけられて、射精が止まるわけも無く。
どくどくどくどく、と下着からズボンまで染み込ませるほど精液を垂れ流し続ける。
先ほど出せなかった分も出しているように余りの量のため、姫神の太股にまでねっとりと白い粘液が付着している。
―――いつの間にか姫神の身体を抱きしめ、自分から舌を絡めていたのに気づいた。
ちゅぽん、と唇を離し、どちらのものか分からない唾液が淫靡な橋を繋ぐ。
互いに息を荒げ合いながら甘い甘い余韻に浸る。
「っはぁはぁ……はふぅ。っ凄かった。……もう一回出してくれない?」
「かはっ、ぜぇぜぇ……姫神、お前まだ!?」
そう、少女の潤んだ瞳から淫靡な輝きは消えていない。
その瞳は精液がねっとりと染み込んだズボンへ向けられている。
舌なめずりをして、今にもそれを舐め取りたがっているようだ
「はぁはぁ……よく分からんが、土御門の言っている事はこれか…?」
ならば仕方ない。本音で言えばまだやりたいと叫ぶペニスを無視して、
改めて事態の深刻さを再認識した上条は今までの倦怠感が嘘のように立ち上がり、
ぎりぎり残った力を振り絞り得意のダッシュで逃走した。
「……あ。待って!!!」
「いい思いを見れたと思ったのにぃぃぃぃ!!やっぱり訳在りかい!不幸だぁぁぁ!!!」
ズボンのいやーな感じに微妙に涙っぽいものを流しつつ。