夢魔の影響で動く精液保存機と化した美琴に上条さんが誘惑されている頃、  
とある異空間の中、「先ほどまでの電話の相手」は両肘を突いて寝そべりながら本当に愉しそうに愉しそうに笑っていた  
 
「フフ……アハハハッ!  
これで……あの子は大人しく地下に向かってくれたわね。  
これからナビゲート出来ないのが少し惜しいけれど、今の仕込みでもう十分でしょうし」  
完璧主義者である彼女は決して油断しない。  
今でこそ想うだけで背筋が振るえ、尻尾が立つほど興奮する愛しい少年の右手を鑑み、直接は手出ししていないが手抜かりはしない。  
無数の罠を張り巡らせてそこへ意図的に陥れさせるのが彼女のやり方。  
たった一つの欲望を癒す、それだけの為なら何でもするのが悪魔という化け物。  
例えそれがどんなに細かいことでも。それが声を騙るということでも。  
 
「アハ、やだ、声聞いただけでも濡れちゃった……早く雌の身体に溜まった精液を食べたいなァ……」  
電話越しに聞いたあの子の声を思い出す。  
とても勇敢そうで……とても逞しそうで……とても美味しそうな声だった。  
思い出しただけでも自然と猫のように瞳孔が割れた異形の瞳をうるんと潤ませ、指を咥えだす。  
暫く舐め続け、れろれろ……べろんと最後に一舐めをしてその時を夢想する。  
やはり少女達が羨ましいなと想ってしまう。が右手のことがあるためこのように指を咥えてじっくり見ているしかない。  
その様はどこか恋する少女のようで、しかし淫らな娼婦のようでもありその妖しい魅力を一層増す。  
彼女の目の前、水のように「そのズボン気持ち悪いでしょ?だから早く脱ぎなさいよ。ああ、動かなくていいわ、お詫びなんだし、あたしが脱がせてあげるから……」と誘惑の言葉を囁き続ける雌と  
「頼むから御坂サン!それだけはぁ……!」と必死で死守しているあの子が映っている。雌の方は布から滲む精液の匂いと未だ隆起しているペニスに興奮気味だ。  
あの子もあの子で何時になくエッチで素直な雌に顔を真っ赤にしているし。これはまたエッチ出来るかしらと笑う。  
(にしてもこの雌って他の場所でも見たような……いえ、気のせいよね)  
 
 
一刻も早く美味しく食べる為にも、もっとがんばらなければ。と上条さんが聞いたら悲鳴を上げそうなことを考える淫魔さんでした。  
 

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