人の心が手に取るように判ったら、それはどんなにか素敵で面白いことだろう―――今に  
して思えば、よくもまあ無邪気にそんなことが考えられたものだと思う。そう、現実にそれが  
可能になった今では。  
 『カイハツ』で発現したわたしの能力は、単純な強さだけでも同様の能力を得た他者のそ  
れを大きく上回り、また、今後の『カイハツ』によっては、人の心を読む、あるいは人に伝える  
のみならず、その対象の記憶領域にまで踏み込んで記憶を消したり、あるいは表層的に忘  
れた記憶を呼び起こすこと、もっと言えば、完璧な記憶の改竄……それも、多数の人間に  
対して同時にそれを行えるのだという。  
 そうしてその能力が、単純な訓練を含む様々な手段によって徐々に強靱さを増していくに  
つれ、わたしはむしろ喜びよりも怒りを、感動よりも恐怖を覚えていった。  
 
 
――――わたしは、ひとの心を貪る化け物なのだ――――  
 
 
 一度芽生えた自分自身に対する恐怖は、能力の行使に対する大きな悪影響となり、私に  
対する『カイハツ』と実験は予定から大きくその進度を遅らせることとなった。  
 しかし、ほかにこの学園都市でわたしと同じ、あるいは同種と見なせる能力を得ていても、  
わたしと同じだけのことが出来るまでの強度を得た者はいないらしく(要するに、代わりのい  
ないモルモットなのだ)、わたしは半ば強制的に精神科医と学校と寮とをそれぞれ往復する  
という、そんな日々が始まっていた。  
 精神科医―――この、このわたしに精神科医、だって? 笑わせる。わたしは人の心が読  
めるのだ。わたしという化け物を目の前にして、表面だけは同情的に振る舞いながら、その  
実怯えるしか能のない『精神科医』などが一体何の役に立つというのか。  
 
 わたしは、能力が芽生えた頃に教えられた制御方法も満足に操ることが出来ないように  
なりつつあった。制御できない能力は、聞きたくもない声、他人の心を無秩序に私の脳へと  
流し込み、その獣めいた声たちはわたしを確実に狂気へと導いているのだ。  
 トランキライザー、憐れで役立たずの錠剤どもを投げ捨てて、遅かれ早かれ……どうせ辿  
り着く先が同じなら、時間をかける必要など有りはしない。こんな脳などさっさと狂ってしまえ  
ばいい、とわたしは街へ足を向けた。  
 
 流れ込む声、声、声、声。  
 拒否しようにもわたしはそれを制御するすべを失いつつある。  
 おぞましいまでの頭痛と吐き気が襲い、わたしは道路へと膝を落とした。そのとき―――  
 
「おい、どうしたんだ? 身体の調子でもおかしいのか?」  
 生の声。注意して聞き分けることすらしなくなりだしていた、生の声がわたしの鼓膜を揺す  
り、  
「救急車でも、呼んだ方が……」  
 その声の主がわたしの肩に手を置いたその瞬間、  
 
 
 
 
 
 世界から、音が消えた。  
 
                     −*−  
 
「にいさま!」  
 声とともに、少年の右腕に柔らかな感触が押しつけられる。一瞬だけ驚いた表情になった  
少年だったが、自分の腕に半ばぶらさがる様な格好で両腕を絡みつける少女の姿を認め  
ると、溜息を吐きながらもやさしげな笑みを少女に向けた。  
「おう。それはさ、びっくりするから止めろって言ったろ?」  
「やです。だって、こうしたいんだもの」  
 言われて、少年が赤くなる。そそくさと言う表現がぴったりな歩き方でスピードを速めた。  
「周囲の目を気にしなさい?」  
「やです」  
「自分がどこの学校の制服着てるか知ってますかおぜうさま?」  
「常盤台ですけど?」  
「目立つって言う自覚はございませんこと?」  
「にいさまとわたしが一緒にいるところが誰かに見てもらえるなら大歓迎です」  
「あああああああああっ!」  
 半ば涙目になりつつ、少年はいつもの喫茶店に逃げ込んだ。  
 
「なあ、ちょっと近すぎないか?」  
 気持ち、居ごこち悪そうに少年が言う。周囲の目線とかそういったものが気になるのか、  
同時にきょろきょろと目線を踊らせてもいる。  
 その言葉を聞いて、少年にきつく腕を絡ませていた少女が憤慨したように頬を膨らませた。  
「ひどい! にいさまは、わたしがこうしているのが迷惑だなんて!」  
 言いながら、少女はぐいと少年に近づく―――元より隙間も無いほどぴったりと身体を寄  
せていたから、さらに密着の度合が強くなった、ということなのだが―――。  
「あ、いや、その、そう言うことではな、その……」  
 反論するよりも、寄せられた身体の柔らかな感触がさらに気恥ずかしい。またやってしまっ  
た、と少年は空いた手で頭を抱える。  
 しょっちゅうこんなことがあるから、実はこの少女が着やせするタイプだというのを、何故か  
よく知っているのにもちょっと呆れてしまう。  
 
 そうして、そんな少女のふくらみの感触から気を逸らすべく、さらに慌てて少年は口を滑ら  
せた。  
「そういや、常盤台の女王様ってーのがいるんだって? 噂に聞く、超電磁砲ってやつがそ  
う? なんかこの、言葉尻からして恐ろしげだしな、はは」  
 その少年の言葉に一瞬きょとんとした少女は、すぐに顔を赤らめて俯いてしまった。  
 小さな声で恥ずかしげに呟く。  
「そ、それ、……わ、わたし……、です」  
「へ?」  
 いやマズった、と少年が冷や汗を垂らす間にも少女は言葉を続けて、  
「わたしの能力が何か、学校ではみんな知ってますから。何かされるんじゃないかってオド  
オドしてたり、あからさまに敵視してくる子がいたりして……、それだったら……、思い切って、  
わたしに逆らわなかったらなんにもされない、って思わせるようにしたんです……。そうした  
ら、いつのまにか、わたしが……その、常盤台の、女王様って」  
 俯いていた少女が、すこし震えながら少年を見上げる。  
「にいさま、こういうのはやっぱりお嫌いですよね―――」  
 しかし、少女の予想に反して、帰ってきたのは柔らかな微笑みと言葉だった。  
「苦労してんだな、でも、それで上手くいくんならそうしたらいいさ。そうか、女王様だなんて  
思ってるからみんな知らないんだな、こんなお前の可愛いとこ」  
 聞いて、少女の表情がぱっと明るくなる。抱きつく腕の力がさらに強くなった。  
 
「……にいさまっ!」  
 抱きつくのみならず、こんどは肩に頬摺りをされて少年はさらに慌てる。  
「ちょ、お、おま、」  
「にいさまにいさまにいさまっ!」  
 じゃれつく少女に、少年はますます慌てるしかない。  
「な、だ、そっ、それに、そのにいさま、って言うのもさ?」  
 我に返った少女がきょとんと少年を見つめる。  
「にいさまのことをにいさま、と呼ぶのがどうしてダメなんですか?」  
 言い返されて、少年はう、と言葉を詰まらせた。にいさま、ってなんでにいさまなんだ、と初  
めて聞いたのはもうかなり前だが。  
 いつか初めて会ったとき、いろいろ―――それはもう、いろいろと少年としては思い出す  
べきではないと思うこともあって、  
『あなたのこと、にいさまって呼んでも良いですか?』  
 と瞳を潤ませながら懇願する少女に、ウンとしか言えなかったのだ。そう言った以上はい  
まさら否とは言えないし、やんわりと止めてもらう方向に……と思ったりもするのだが。理由  
を聞けばすっきりするか? とも思ったのだが、それはそれで何故か恐ろしい。結局は、白  
旗を揚げることになるだけなのだ。もちろん、今回も。  
「……いや、ダメじゃない、ダメじゃないですよもちろん?」  
「良かった!」  
 少女が満面の笑みを浮かべる。しかしそれも一瞬、少女は密着させた身体も、少年を見  
上げる視線もそのままで、少し拗ねたような表情を作って言った。  
 
 
「にいさまと居るときだけ、わたしは普通の女の子でいられるんですよ? だから、そんなに  
いさまと一緒に居たいって思うのは、ダメなんですか?」  
 
 少年が答える。  
「ダメじゃない。もちろん、ダメじゃない。俺の右手に触ってるくらいのことで、お前があのとき  
みたいに苦しまなくて済むなら、な―――」  
 
        ・  
        ・  
        ・  
        ・  
        ・  
 突然苦しそうに膝を落とした少女を見つけて、少年は慌てて駆けだした。  
 この街では―――『カイハツ』の悪影響、と言うか副作用からか―――まるで普通に見え  
ていた学生あるいは生徒……本当に、何の異常も無さそうに見えているのに、それがいき  
なり倒れたりする事例などは、けっして珍しくない。  
 このときも、少女に駆けよる『もの好き』は彼ひとりだけだった。  
 そうして、こういった行為は応々にして余計なおせっかい、と取られて、この少年自身、ま  
た無駄骨を折った、と溜息を吐くことがほとんどなのだが。  
「……うそ。どうして……?」  
 信じられない、とその黒目がちな大きな目を見開き、振りむいた少女が少年の目を見つめ  
る。  
「……あ、あのさ、だ、大丈夫か?」  
 やはり只のお節介だったか、と、少年はロを開きながらもその手を―――少女の肩に置い  
た手を引いた。そうして手を離したその瞬間、  
「いやああああああっ!!!!!!」  
 少女が悲鳴を上げてうずくまる。  
「お、おいっ!」  
 思わず手が出て、少年が再び少女の肩に手を置くと、ガクガクと痙攣ぎみに震える少女  
の動きが止まる。  
 そうして少女はもう一度振り返ると、肩に乗せられた少年の手をぎゅっ、と握った。  
「あ……、ああ……」  
 少し潤んだその目でしっかりと少年のそれを見据えながら、握った手をそのままに少女が  
ふら、と立ち上がる。ふらつく少女を支えようとして、右手をしっかりと握られているので少年  
は左手を差し出して少女に手を添えた。  
 少年がもう一度大丈夫か、と声をかけようとして、それよりも早く少女が少年に抱きつく。  
「わ、わたし、わたし、わたし………っ!!!!」  
 突然のことに少年は声も出ない。声も出せないのに、この少女が意外と着やせするタイプ  
なのだな、と思い至る自分に大いに自己嫌悪を感じつつも。  
 
「不思議ですけど、わたし、あなたにこうしてもらっていると……、あ、もう、三度くらい言いま  
したね、ふふ」  
 とある喫茶店。  
 自分に固く抱きついた少女が全く離れようとしてくれないので、少年は少女を抱きかかえ  
て―――少年としては、周囲の目から逃げるようにしながら―――、目に付いたこの店に  
駆け込んだ。興奮状態だった少女も少し落ち着いてきたのだろうか? それでも、その手で  
自分の右手を握ったまま離してくれないのだが。  
「でも、どうして?」  
 少女が少年の目をのぞき込む。少しやつれて顔色も良いとは言えないこの少女だが、こ  
の無垢な微笑みを見れば、10人が10人とも美少女だと答えるだろう。  
 そんな少女に見つめられ、少年は赤面しながら逃げるように目を逸らす。  
「俺の右手は……聞かされたことが本当なら、異能の力なら何でも―――それが神様の奇  
跡であっても―――打ち消せる、とかなんとか」  
 少女はその目を逸らさないまま、少年の声に耳を傾ける。  
「でもさ、俺はどんだけ計測したって『無能力者』の判定しか出やしないんだぜ? 笑わせる  
よな」  
 自嘲気味に笑う少年に割り込むように、少女が口を開いた。  
「うそ、じゃないです。異能の力を打ち消すって言うこと。判定のことはわたしには判りませ  
ん。でも、一つだけ、言い直させてもらえるなら、」  
 少女がぐい、と身体を寄せる。少女の言葉以外のところからの圧力を感じて、少年は視線  
を少女の瞳に戻す。  
 
「神様の奇跡、って言うものが本当にあるなら、それがいま、わたしの目の前に有るものな  
んです!」  
 
 再び少女に抱きつかれ、そして今度は店の壁に押しつけられるようにそうされて―――逃  
げ出すことさえ許されないこの状況に、少年は、ほんの少しだけ泣きたくなった。  
        ・  
        ・  
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        ・  
        ・  
 
「しかし、顔色良くなったな。眠れるか?」  
 少年が少女に尋ねた。初めて会った日、少女は能力を暴走させかけて幾日も眠れずノイ  
ローゼ状態で、その端正な顔も青ざめ窶れさせていた。いまは見違えるほど顔色も良い。  
柔らかそうな頬はうっすらと紅が差し、唇も艶やかだ。何より、瞳の輝きが違う。  
 
 本当は、判定では全くの無能力、ある、と聞かされては居てもなんの役にも立たない自分  
の能力に嫌気がさしていたのは自分なのだ。  
 よくぞドロップアウトせずにいままで……と思わないこともない。それが、この少女に出会っ  
て、自分の能力が本当に人の役に立ったような気がするのだ。  
 この少女は―――嘘か誠か、いや、常盤台の生徒はみな強能力以上の能力者なのだか  
ら、むしろ本当の可能性のほうが高い―――この学園都市には7人しかいないはずのレベ  
ル5、なのだという。そんな高位能力者の少女が、いつまでも自分のそばで満足していられ  
るはずなど無く。  
でも、いまこうして少女が自分といて嬉しい、と言ってくれるのなら、  
(偽善使い、それで良いじゃないか)  
 釣り合うはずのない少女が、こんなところでうろうろしている。でも、そこにいる間くらいは、  
居たことを幸せに思っていて欲しいのだ。だから、釣り合うはずがない、と判っていて少年  
は微笑む。  
 
「よく眠れますよ? いつも、にいさまが夢に出てきてくれないかな、って思いながらベッドに  
入るんです」  
 少年の微笑みに、少女は満面の笑みで答えた。  
「能力も、コントロールしよう、なんて思うからダメだったんだ、っていまならよく判ります。だっ  
て、にいさまのことを想ってさえいたら、なんにも肩肘張らなくったっていいんですから」  
「は、はは……」  
 少し引き攣ったように笑う少年に、少女は再び咎めるような表情になった。  
「にいさま? わたしの言うこと、うそだと思ってるんですか? それとも、嫌なんですか?  
わたしはこんなににいさまのことが―――」  
「いや、違う違う違いますお嬢さま! いやあ、光栄だなあ」  
 
「むー……」  
 頬を膨らませて少女が少年を見上げる。  
「にいさま、にいさまが下校中だと、ずっとだれか女の方と一緒にいるんですもの。にいさま  
が素敵なひとだって理解するひとがたくさんいるのは良いことですけど、にいさまにはわたし  
が居るっていうのを、忘れてもらっちゃこまるんですッ!」  
 畳み掛けられて言葉を返せない少年に、少女は今度は寂しそうに俯きながら呟き始めた。  
「超能力、って認定されて、それもある意味特殊なちからで、兎に角データがたくさん取りた  
いらしいんです。それでわたし、しばらくうちの学校の研究施設に移ることになって。すこし  
家に帰れる他は夏休みもずっとそっち、大覇星祭も出られないんです。一端覧祭の少し前  
には帰ってこられるらしいんですけど……」  
 え、と少年が少女の言葉を反芻する間にも、少女は言葉を続ける。  
「きょうはそのことを話さなくちゃ、って思ってたんですけど、」  
 少女の目がみるみるうちに潤んでいく。  
「にいさまに会えないなんて、わたし、わたし、わた―――」  
 少年が開いた左手で少女を抱き寄せた。  
「なんだ。そんなことならさ、一端覧祭から後、ずっと一緒にいたらいいじゃないか。頑張れ  
よ」  
「え……」  
 少年が笑みを浮かべる。  
「今生の別れ、って言うんじゃないんだし。ちょっと期間としては長いけどさ、―――はうっむっ」  
 
 
 大粒の涙をこぼした少女が、少年のそれに重ねた唇を離した。  
 突然の、予想も出来ない出来事に少年は目を丸くする。  
 
 
「……約束ですよ? にいさま」  
 涙をこぼしながら、少女が微笑む。  
「どうしてにいさまって呼ぶのか、きいたこと有ったでしょう? にいさまは、わたしにとって運  
命のひとなんです。だからずっと離れない。そう思って。……古文の教科書くらい昔は、許  
嫁の男のひとのことをあにさまとかにいさまとか呼んでいたって、どこかで聞いたから。にい  
さまが、それを判らなくても、わたしはずっとそのつもりだったんです。だから、帰ってきたら、  
ずっと、ずっと一緒ですよ?」  
 
 少年から離れて、少女が席を立つ。  
「行ってきます、にいさま。浮気しちゃ、ダメですよ?」  
 そう言って駆けていく少女の背中を、少年は見送ることしかできなかった。  
 
                     −*−  
 
 ほんとうは、こんなことをしているのもバカバカしいのだ。  
 わたしが知りたいのはあの人の心の中だけ。どうやっても判らないあのひとの。  
 ビクビクと怯えてわたしに尻尾を振るのは自由だ。だが、わたしはあのひと以外に興味は  
ない。実験中でもないのに、どうしてわざわざ他人の頭の中などを覗き込まなければならな  
いのか。  
 帰ってきた学校では、やはりわたしは腫れ物のように見られ、怯えられ、恐れられている。  
 研究員たちもそうだ。突然わたしが能力の制御を取り戻したことをひどく不思議がったが、  
それが何故かは永久に判るまい。  
 
 わたしには、あのひとさえ居てくれればいいのだと言うことなど。  
 
 戻ってきた学校の中は―――いや、学園都市そのものが―――とてもきな臭いものになっ  
ていた。学園都市を敵に回して、世界各地で戦争の火種が燻っていると言うのだ。  
 高位能力者たちはみなその戦争にかり出される、などという話しも飛び交う。しかし、戦争  
などという馬鹿げた行為に割く時間など、わたしにはないのだ。ようやく、そう、ようやくあの  
ひとの居る日常に帰ってきたというのに。  
 ずっと一緒にいてくれると、そう言ってくれたあのひとの居る日常に。  
 そうしてあの人を思うわたしの頭の中に、突然。  
 
 いくつかの映像。声。音。そこに必ず映る、一人の姿。そして―――  
(記憶喪失、って、やっぱりあの子に相談……いや、でも何されるか……ああ、もう、どうした  
ら?)  
 
 読み取ろうとしたのではない。飛び込んできたのだ。チャンネルが―――そう、あのひとの  
ことで、チャンネルが開いていたのか? 兎に角わたしは、その飛び込んできた意識の主に  
向かって駆け出していた。  
 無意識に読み取ってしまった故に、聞くことなど何もなかったにも関わらず。  
 
「御坂さん。 あなたがなぜにいさまと……いえ、そんなことよりも、にいさま、上条当麻さん  
が記憶喪失とはどういうこと? わたしのにいさまが記憶喪失?」  
 
 うそだ、うそだ、うそだ―――目の前の少女、御坂美琴……学園都市第三位の超能力者  
を問い詰めるように呟きながら、わたしは膝の震えを止められないでいた―――  
 

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