飴を貰ったif story  
 
少女から飴を貰い、背中にあった旗を気にしながら主人公…上条当麻は帰宅の道を歩きだした。  
インデックスは昨日から、小萌せんせーの所に飯を食いに行ってる。  
理由は簡単、なんせ焼き肉食い放題だからな。  
「今日は久々一人でゆっくりか。」  
と体の筋を伸ばしながら歩く。  
ふと、路地裏に目がいく。女の子が一人ダンボールの前でかがみ込んで何かを見ている。  
制服と頭の上にあるゴーグルは知り合いの少女を一人思い浮かばせる。  
「……御坂…妹か?」  
ゆっくりと歩いていくと、御坂妹と思われる人は上条に気づいたのか、そちらに目を向け立ち上がる。  
「こんばんわ、こんなところで何をしているんですか? とミサカはあなたに尋ねます。」  
「やっぱり御坂妹か、俺はただの通りすがりだ。御坂妹は何やってんだ?」  
「私はこの子猫を眺めていただけです、と説明します。」  
それを言って何か気づいたように上条を見て。  
「あなたは猫を飼っているはず、もう一匹いかがですか? とミサカはさりげなく猫を飼って下さいと頼んでみます。」  
「は? なぜ私上条当麻さんが猫を飼わなければならないんですか?」  
「あなたは救いを求めてない人は助けて救いを求めている子猫を助けないほど非情な方なんですね、とミサカは失望を露わにします。」  
「あー、わあった。そのかわり、おまえが連れてこいよ。」  
「ミサカには微弱な電磁波が…」  
言ってる途中で御坂妹の頭に上条は右手を置く。  
気がつくと、上条の手には髪ではない何か別の…。  
(何か当たってる?)  
ふと見ると、ゴーグルではなく旗。赤い、真紅の旗が右手の一部に触れて吸収されていった。  
「あれ? ミサカの電磁波が消えてます、とミサカは驚きを隠せません。」  
といいながら御坂妹は子猫を抱え上げ立ち上がる。  
上条はと言うと、手を頭から肩に移動させ御坂妹をそばに寄せていくかっと一言言って歩き出す。  
 
「ふぅ、着いたぞ。」  
玄関を開け、居間で靴を脱ぎ、御坂妹が猫を降ろすまで肩を抱いたまま。  
「何時まで肩を抱いているんですか? とミサカは問い掛けます。」  
「ふむ、じゃぁ。何時まで抱いててもいいですか、とトウマは問い返します。」  
「…あなたの好きなだけして下さい、とミサカは照れ隠しにそっぽを向きながら言います。補足でその言い方は似合わない、とミサカは思います。」  
「はいはい、じゃぁ、まぁ座って行けよ。」  
と上条は手を一度放しコタツの電源を入れて胡座をかいて座ると足の間をポンポンと叩く。  
「ミサカにそこに座れと言うんですか、と疑問を言います。」  
「うん。」  
「では失礼して、とミサカは断りを入れて座ります。」  
座った御坂妹を後ろから抱えるように抱きしめる。  
「女の子って柔らかいんだな。」  
ボンっと感情があまり表に出ない御坂妹の顔が赤くなる。  
「何赤くなってるんですか?」  
と上条は肩に顎を起きながら、近くにいた猫を左手で抱えると御坂妹の膝の上に持ってくる。  
なぁ〜っと可愛い声をあげながら御坂妹にすり寄る。  
「よし、ちょっと待ってろ。」  
と席を立ち、台所から皿と牛乳を持ってくる。  
ふと気づくと子猫は何事もないかのように、御坂妹に抱かれている。  
「この猫は不思議です、とミサカは驚きます。」  
「ちいさいからじゃないか?」  
と言いながら皿に牛乳を注ぎ込み、こんなもんか、と注ぎ終わると床に置く。  
子猫は御坂妹に皿の近くに降ろされると、恐る恐るといった感じで舌を出し…少し当たってすぐしまう。  
少しして、美味しかったのかゆっくりと舐め始める。  
「そうだ、御坂妹。飯食べていくか。」  
「いえ、病院へ帰ればご飯がありますので、とミサカは台所へ立ちます。」  
「行動と言葉が一致してませんよ。」  
「……あなたは静かに待ってて下さい、とミサカは座って待つように言います。」  
はいっとだけ言うと、コタツに入ってヌクヌク御坂妹を眺めながらと待つ。  
子猫も満足したのか、上条…ではなく御坂妹の方へと歩み寄り、料理中の御坂妹の足にすり寄ってく。  
「猫さんあぶないですよ…、とミサカはあなたに面倒を見て欲しいと視線を向けます。」  
料理を作ってるのを見ていた上条と目が合い、わかったといった感じでコタツからでると、台所まで行き子猫を抱える。  
なぁ〜っと子猫は御坂妹に向かって鳴くが、上条は気にせずコタツまで連れて行き、腰を下ろす。  
 
できた料理は素晴らしかった。  
猫用の料理もあり、子猫はゆっくり食べている。  
「美味い(なぁ〜)。料理上手いな。」  
と一口目で言って、後は黙々と食べる上条(と子猫)。  
御坂妹はその対面に座ってただ上条の食べる姿を見ていた。  
 
「ぷはぁ…、食った食った。」  
とコタツに入ったまま寝転ぶ上条。  
その満足そうな顔を見て御坂妹は食器を台所まで持って行き、洗い出す。  
「あぁ、食器まで洗ってもらってごめん、と上条さんは感謝を露わにしてみます。」  
ゴロン、と寝返りをうって台所の方を見て笑って言う。  
「食べてすぐ寝ると牛になる、とミサカは座りように遠回しに言ってみます。」  
御坂妹は少し照れたように言いながら洗い終わった食器を拭いて棚になおしていく。  
一通り家事を終えてコタツに行くと、上条は胡座をかいて座っており、また足の間を片手で二度軽く叩く。  
御坂妹はそれを見て少しため息を吐きながら底に腰を下ろす。  
「あなたはこれが好きなんですか?とミサカは聞いてみます。」  
「ん? あぁ、御坂妹をこうやって抱くのは好きだな。」  
と両手を前に回して体重を掛けないようにもたれ掛かる。  
「そういえば、そろそろ帰らないと、とミサカは残念そうに言ってみます。」  
「どうしても…か?」  
上条はそう言いながら抱いてる手を離そうとしない。  
「…では電話してみます、とミサカは携帯電話で先生に連絡を取ってみます。」  
と携帯電話で連絡を取りる事数分。  
「外泊の許可はでました、とミサカは少し嬉しそうに報告します。」  
「そりゃよかった。」  
と上条はそのまま横になって御坂妹と一緒に寝に入った。  
 
次の日の朝。  
コタツから御坂妹の一言でベッドに移動して。  
朝帰ってきたインデックスと送ってきた姫神に御坂妹とほぼ全裸で一緒に寝ているのがバレたのはまた別のお話。  
 

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