「っん…?」
上条が目を覚ますと、その前には寝る前にあった御坂の顔は無く、胸元に見覚えがある髪が見える。
その髪を二度三度なで、上条は思い出す。
そう、今日が何の日か…。
上条は胸元で寝ている御坂を起こさないように体を離すと、近くにある昨日買った袋の中からサンタクロースの衣装を取り出す。
ゴソゴソと着替え、また別の袋からプレゼント用にラッピングされた小さな箱を取り出す。
「よし、後はこれを置くだけ、起きてもサンタで通せば…。」
となにやらぶつぶつ言い始めたところで。
「なにやってるのかな? と・う・ま。」
「…いつから起きてたんですか?」
背後から聞こえてくる最愛の人―御坂美琴の声。
上条はゆっくりと後ろを振り向きながら言う。
後ろには、シーツを体にかぶりながら、ベッドの上に御坂が座ってこちらを見ている。
「サンタクロースなんかより、私はとうまから欲しいな。」
「…そうですか…。」
と、上条は少しがっかりしながら、サンタの衣装を脱ぎ、ベッドに向かう。
「美琴が何がいいかわかんないからシンプルな指輪にしたんだが…。」
と上条はプレゼントを御坂に手渡す。
御坂はそれを受け取ると、器用に包装紙を外し、その中の箱を開ける。
「…なんで二つあるの?」
「あ、片方俺の。」
小さいほうを取って左手の人差し指、中指、小指、薬指と合う所を探してはめていく
「…薬指か…。」
御坂はきれいに薬指にはまった指輪を見つめながら言う。
「おぉ、上条さんの勘もなかなかのもんで。」
と残ったもう一つの指輪を上条は自分の左手の薬指につける。
「ペアリングだな。」
左手を御坂に見せながらいう。
「そうだね。」
そう言って御坂は微笑むと、上条に抱きつきキスをした。
この後、御坂のために上条が買ったサンタの衣装で何をしたかは皆さんのご想像にお任せしよう。