「とうま、とうま!朝なんだよご飯の時間なんだよ!」
起っきろー!と言う大きな声と共に上条当麻の一日は始まった。声の主はとある理由で同居しているインデックスである。
「んあ?」
「ねぼけてる場合じゃないかも!」
はいはい、と欠伸をしながら上条は起きあがった。
「ふぁぁあ、おはようインデックス。飯なら冷蔵庫の中に入ってるぞ?」
未だ醒めやらぬ頭を掻きながら上条は言った。
「そうなの!?先に言ってほしかったかも!」
インデックスは言った瞬間にはもう冷蔵庫の扉に手をかけていた。そんな少女を何やら微笑ましく眺めていた上条だったが、時計を目にした途端顔色を変えた。
「ってオイ!もうどう頑張っても遅刻する時間じゃねえか!何でもっと早く起こしてくれなかったんだー!!」
「だってとうまいつも一人で起きてるから。腹ぺこ我慢出来なくなって見にきたらまだ寝てるんだもん」
「お前にとっての俺はご飯以下ですか!?」
そんな上条を見て慌てて弁解する。
「そ、そんなことはないんだよ!ただお腹が減っては戦が出来ぬと言う先人のありがた〜い言葉に従ってみただけなんだよ!」
結局ご飯じゃないか、なんて言葉を吐く時間すらも惜しい。
「ああもう!着替えるから向こう行ってくれインデックス」
「わかった。じゃあご飯食べてるね!」
腹ぺこシスターはとてとてと言うよりビュンと言った具合にいなくなる。
「…あの分じゃ俺の飯は残らないんだろうなぁ。いやいや、今はそれよりも!早く着替えないと!」
パジャマ代わりのスウェットを脱いで素早く詰め襟に袖を通す。その慣れた一連の動作で、上条がいかにいつも遅刻ギリギリかがわかる。
「おーい、インデックス…って早っ!あなたはどれだけ食べるの早いんですか!そしてこの哀れな子羊に施しを与えようと言う気にはならないのですかそうですか!」
「ごちそうさまなんだよとうま。それより時間、時間」
「くそ、最初からそういう作戦かっ!はめられました、上条さんはこの悪魔のようなシスターに!」
頭を抱えながら靴を履くという珍技を見せながら上条は己の不幸を叫んだ。
「いってらっしゃいとうま」