「ん?あれは……」  
学校の帰り道、今日の夕飯と現在の全財産を天秤にかけつつ駅前の商店街を歩いていると  
見覚えのある少女が視界に入った。  
「よぉ、御坂!」  
ビリビリ中学生こと、御坂美琴。学園内でも7人しかいないレベル5の超能力者の一人。  
しかし……、いくら超一流お嬢様学校な常盤台のエースでも知り合いなんだから  
挨拶ぐらいいいだろう。というか、いつものパターンだと気づかなかったら  
むちゃくちゃ怒りそうだしなぁ。と、軽い気持ちで肩をたたいた。  
 
「………!!」  
 
御坂はこちらに気づいて振り向き、目があった瞬間に完全に固まった。  
瞬間、漫画の壊れたコンピュータの漏電のように頭上にバチバチと電撃が走る。  
 
「おわ!」  
 
えっ、まずい? ビリビリ? 電撃? 声かけただけなのに?  
と思いながらも右手で顔をかばう様に逃げの姿勢を取ったのだが。  
 
――学園屈指の能力者 御坂美琴は脱兎のごとく逃げ出していた。  
 
「ちょっ、おい!」  
 
「かーみーやーん、見たで〜。  
 かみやんを見て顔を赤らめながらちょっと涙目で走り去る常盤台の" 女 子 中 学 生 " !!」  
「何があったのか素直に吐けば今なら許されるかもしれませんにゃー。」  
「さぁ、吐くんや!かみやん!  
 常盤台の娘とどんな嬉し恥ずかしスペシャルイベントをーーーー!?」  
「お前らいつの間に……!と言うか何もしてねぇ!  
 ちょっと待て御坂、何でこんな人通りの多いところで意味ありげにお逃げになるのですか?!  
 商店街の皆さんの指すような視線が痛いぃぃぃ!!  
ああああ、不幸だーーー!」  
 

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