「――つまり、ここで悔い改めるならば、主はあなた方を受け入れ、祝福しますので」
玲瓏とした声が古ぼけた教会堂に響き渡った。声の主は修道服の美人。そして彼女の前には若い男ばかりが十数名、まるで教えを受ける生徒のように席に座っている。
彼らは新興カルト教団の犯罪者予備軍であり、つまりは唾棄すべき異教徒だった。
(ですが、そんなことは関係ないかと。むしろこういう者をこそ、私は救わねばなりませんので)
それに彼らは今まで様々な魔術結社が失敗してきたとある失われた魔術の術式を断片的にだが再現しており、ただ潰してそれを失うのはあまりに勿体ない。
修道服の美女――リドヴィア=ロレンツェッティはそう考え、彼らをローマ正教へと導いてやるためにやってきたのだ。
と、彼女の思考を遮るように、一人の青年がおどけた表情で手を上げた。
「はーい、先生」
「先生ではありませんので。なんですか?」
青年は修道服を押し上げるリドヴィアの胸をじろじろと見ている。
「ぶっちゃけもうトップもいないし、オレはローマ正教に改宗してもいいんですけど」
席を立ち、リドヴィアの傍に寄ると彼女の手をつかみ、
「その代わり、先生の真摯な説得に感動してしまったうちのムスコを、神の愛でなだめてやってくれませんか」
ジーパン越しに充血した股間に触れさせた。
ゾクリとリドヴィアの体が震える。
(ああ、主のお与えになる試練の、なんと苦しいことでしょうか。この異教徒どもを救うために、私はこの身をも捧げねばなりませんので)
背筋を走る被虐心に、体の芯から蜜があふれる。
「……いいでしょう。神の愛は誰にも等しくそそがれますので」
リドヴィアは導かれた手でジーパンのファスナーを下ろし、勃起したものを取り出す。そして青年にひざまずき、両手を使ってこすりあげた。
青年が快感に声を漏らす。同時にツンと鼻を刺激する雄の性臭が広がった。匂いをかいだ途端子宮が疼き、心臓がどくどくと早鐘を打つ。
我慢できず、先端にそっと舌を這わせる。一度してしまえばあとはもうずるずると堕ちていくだけ。肉棒の先を口に含み、付着した汚れをも舐め取っていく。口腔に広がる苦味。興奮から汗が滲み、必然的に手のひらは青年をより楽しませる状態になっていく。
自分の蜜壷をかき回したい衝動に駆られながら、リドヴィアは懸命に屹立に奉仕した。 勃起の先から透明な液体が出始めると、青年はさらに注文を出してくる。
「先生、オレ、胸も使って欲しいなあ」
ちゅぷりと口から肉棒を出して、上目遣いに答える。
「……胸、ですか」
「胸です」
やけにきっぱりと言われて、むうとリドヴィアはうなる。
「そうは言われても、修道服の構造上、胸だけを出すことはできないかと」
「やや、任せてください」
言うや否や、青年はどこに持っていたのかカッターを取り出し、修道服の胸部を切り開く。ついでに現れた下着も、同様に取り払ってしまった。
そしてたゆんと揺れるリドヴィアの白い胸に肉棒を挟む。リドヴィアの汗で甘く蒸れた胸にこすり付けるように、青年は腰を動かし始めた。
「ん……っ」
ぴくんとリドヴィアの眉が動く。胸の間にある熱い肉の脈動を感じて、乳首が固く尖っていく。ずっと一方的にお預けを食らっていた身だ。少しの刺激でも電撃のように神経を駆け巡る。
我慢できない。リドヴィアは自分で自分の乳首をつまむと、つねりながら肉棒へこすりつける。
生まれた快感は、先の比ではなく。
どろり、と蜜が子宮から滲み出てくる。へその下にある子宮が興奮で下がってきているのをリドヴィアは感じた。
胸に挟んだものを、舌を伸ばしててろてろと舐める。
「おー。もしかして先生、発情してます?」
「んんっ……わ、私も、女ですので……」
「だってさ、みんな」
その言葉に、ようやくリドヴィアは他の人間の存在を思い出した。気づけば彼女は何本もの肉棒に囲まれている。むせ返りそうな雄の匂いに、けれどリドヴィアは蕩けた微笑みを浮かべた。
自分の乳首をいじっていた両手を伸ばして、それぞれに別の勃起を握る。するとそれを引き継ぐように後ろから誰かが乳首をつまんだ。
「あっ、あっ、んんっ」
両手を使って二本をこすりあげ、胸と舌で青年のものに奉仕する。
誰かが彼女の金髪を使って自分のものをしごき、またある誰かは修道服の中に手を入れてしとどに濡れた蜜壷をいじっている。
「それじゃあ先生、そろそろいきますよ……っ」
そう告げて、青年はリドヴィアの口内で射精した。ひどく濃く、まるでゼリーのような精液を彼女は舌に絡めて十分に味わった。肉棒に残る精液を最後まで吸い出し、嚥下すると、物足りないとばかりに唇を舐める。
その淫蕩な表情に耐え切れなくなったのか、左手の勃起も白濁を放った。その勢いは激しくリドヴィアの頬をびしゃりと叩く。
「ああ……このままでは、私、精液漬けになって、しまいますので……」
うっとりとつぶやき、射精した肉棒を舌で清める。
もう理性は思考の片隅にもなく、ただ肉欲だけが体を支配していた。
精液の味がしなくなると次なる標的を求め、手当たり次第口に含む。
彼女の全身が白濁に汚れ、吐き出す息が精液臭くなる頃を過ぎても、まだ若い彼らは満足していなかった。ふふ、と彼女は微笑む。
「どうぞ。みなさんの最後の一滴まで――私が受け止めて差し上げますので」
「――なーんてこともしてたんじゃないのってごめんそんな上ずった泣き声出さないでお姉さんが悪かったわただの冗談だから!」
『泣いてなんか、いませんので。ぐすっ。これは、目にごみが入ったからかと』
「はいはい。リドヴィアってばほんと性的倫理観ガッチガチなんだから」
『ッそろそろ作戦を始めますので! 準備はできていますかと!』
「お姉さんの方はできてるわよん。もう学園都市の中に入っちゃってるし」
『……それではよろしくお願いします。くれぐれも失敗のなきように』
「まっかせなさい」
そして、とある霊装をめぐる物語が、幕を開ける。