「あのね。あいさママがね。お弁当渡すときいつもパパがね。ちゅーしてるよ。」  
真っ赤になってフリーズする姫神。  
 
「そ、それなら、いつも玄関にお父さんをお迎えに行ったら、私とお母さんのおでこにちゅー  
 してくれるもん。」  
飲んでる豆乳を噴出して後ろ向きにこける吹寄。  
 
「おかーさんね、かわいいてんしさんのね、かっこうして、とーまおとうさんと  
 おふろにはいってね・・・」  
その場にいる全ての人間の記憶を消すため刀を抜こうとする神咲を  
とめるため簡易版の聖人崩しを使う五和。  
 
 
そして・・・いまだ、娘の現れないインデックスとビリビリに痛めつけられまくる上条。  
。  
 
 
 
他の少女たちの娘と上条のアツアツぶりですっかり精神薄弱に追い込まれ  
部屋に戻る御坂。  
なぜ、このような重大なイベントにまでスルーされるのか?  
 
ふらふらと部屋のドアを開ける。  
「お、おかえりなさいませ。おねえさま・・・」  
「ど、どうもおじゃましてます・・・」  
部屋には白井と初春がいた。  
「おじゃましてますわ。」  
「おじゃましてるです〜。」  
少し気の強そうなツインテールの少女とぽよ〜んとした雰囲気の  
花畑飾りをした少女とともに・・・  
 
ショックのあまり泣きながら部屋を出て走り出す御坂。  
そのまま双子のような小萌親子(?)と会うのはまた別の話。  
 
 
 
娘と妻候補たちに囲まれ疲弊の窮みに達する上条ちん  
それを「パパ。大丈夫?」と口々に慰めに来る娘達。  
しかも子供ながらツンツン頭をなでてくれるのは姫神と神崎の娘。  
目がくりくりして可愛い五和の娘はおしぼりを持ってきてくれた。  
 
健気な娘達の眼差しに囲まれ、こうなると不思議なもので上条に  
限りない父性愛がこの子たちに芽生えてくる。  
 
それを見てやはり母親予定の少女達もほんのりとしてくる。  
 
・・・そこに一人おもしろくない人物がいた。  
物語の正統ヒロインことインデックスである。  
 
ぶつっ 何かが切れた音がした。  
「とうまっ!!!、こっち来てっ」  
インデックスはいきなり上条の腕をつかんで連れて行こうとする。  
「う、うわっ!、どうした?いきなりなんですか インデックスさん?」  
 
娘畑から無理やり引きずり出された上条の疑問に  
にっこり修羅の微笑みで静かに答える正統ヒロイン。  
 
「うん。今からとうまと私のこどもを作りにいくの。」  
 
 
 
暴走するヒロインは最強のサブヒロインコンビ神崎と五和に押さえつけられ  
今は姫神と五和の作った料理でおとなしくなっている。  
娘達も一緒に食事中だ。  
上条はふと姫神の娘のほっぺたにご飯粒がついてるのが見えたので取ってやる。  
少しおどろいてからにっこり笑いつぶやく少女。  
「やっぱり。パパはパパだ。いつもとおんなじことをしてくれる・・・」  
 
他の娘達は羨ましそうだ。  
・・・何を思ったかインデックスはご飯粒を顔中に貼り付け始めた。  
 
「でもね、パパは誰にでも優しいんだよね・・・」  
誰かがぼそっとこぼす。  
「友達のミキちゃんにも・・・そのママにも。 この前二人でチョコもって来てたし」  
「・・・うちもね 学校の先生がね 私の所にはいつもお父さんのいる日曜日に家庭訪問に来るの」  
「スイミングの先生が。パパにクッキー焼いて持ってきてた。」  
 
「未来の。私に同情する。」  
「・・・上条当麻、お前という男は・・・(カチ 日本刀の鯉口の外れる音)」  
「死ね外道」  
「・・・・・・(カチャカチャ フリウリスピア組みたて中)」  
「とうまって、例え娘ができてどの世界のどの時代にいても、とうまでとうまなんだねっ!」  
 
集中する殺気のこもった複数の視線。  
上条は思った。  
ああ、平行世界の未来の自分の不幸の片鱗を垣間見た気がすると。  
 
 
 
「にしても、次から次にカミやんも大変だにゃ〜」  
と全く大変じゃなさそうに土御門がつぶやく  
「今回はヘビー中のヘビーですよ、別次元のしかも別時間からそれぞれ娘が来たんですから  
さすがの上条さんもまいっちんぐって感じです・・・トホホ。」  
 
「でもよかったにゃー 別次元、平行世界の子供で。  
 もしこの次元の未来からあれだけの娘が来たって話になったら  
 今ごろカミやんはネーちんの刀の錆だにゃ」  
 
寒気のする事をさらりと言われた。  
 
「今の所はカミやんがフラグを立てた相手、それもその相手がそれなりの好意基準を満たすと  
 その相手とカミやんのお子さまがひょっこり出てくる仕組みみたいだにゃー」  
 
「好意基準?」  
 
「ズバリ!『カミやんと明るい家庭を持ちたい』とおもうことだにゃー」  
上条の飲んでいたコーヒーがどこぞのプロレスラーの毒霧よろしく吹き出た。  
 
「何をいまさらおどろくにゃー まあこれでニブちんのカミやンも少しはわかったにゃ  
 自分がどれだけも・て・て・る・か・が・」  
 
セリフの最後はヘッドロックだった  
 
「さて、ついたにゃ。ここが新築の学研都市の職員僚(予定)だにゃ。しばらくここで親子みんなでくらしてくれにゃ」  
カギの束を上条に渡して去っていく土御門。  
 
そして、去り際に一言  
「ああ、もし舞夏の子供が出てきたらその時は遠慮なくカミやんを消しに行くからよろしくにゃ」  
 
 
さて、インデックス、神裂、五和、姫神、吹寄と娘達を借りの住居に  
招き入れた上条ちんは明日からの予定を立てていた。  
まだいるであろう都市内の子供たちの捜索とイギリスから来る母親候補とその娘たちの  
お出迎え・・・神裂いわく  
「安心してください子供を入れて12名ほどだそうです。私は軽くその2〜3倍を予想していたのですが・・・」  
ここでもちろん姫神や吹寄の『なぜシスターの集団相手に・・・』という冷たい視線が飛んでくるのは当たり前である。  
「ふぅ。この都市内の数を合わせると。一体どこまで?」  
姫神が余計な心配をしてくれる。  
 
ここで一番年下の神裂の娘が一言引き金を発した。  
「きょうはね・・・おとうさんといっしょにねてもいい?」  
吹寄の娘と姫神の娘はキッと睨見合いをしてうなずくと  
「「わたしもっ!!」」と  
みごとなハーモニーでさけんで上条の両手をそれぞれつかむ。  
五和の子はすでに上条の後ろに回りこんでシャツを掴んでいた。  
 
 
そのときは、何気ない幼女の一言がグダグダの上条争奪戦開幕のファンファーレになるとは  
そこにいるだれもが思わなかった。  
 
 
 
ここはイギリスから日本向けの旅客機の中  
 
ランベス寮のシスター達とその娘達が皆同じ父親に会いに行く為。  
学園都市へと旅路を急いでいた。  
 
「ああっもうっなんてママは可愛いのかしらっ!!!!  
  チョコラータつけて食べちゃいたい。」  
「く、苦しいです〜!」  
 
アンジェレネは20歳前後に美人でグラマーな女性の  
豊かな胸の間にはさまれてもがいていた。  
これが未来のアンジェレネの娘とは遺伝子の反逆児である。  
しかし、どうみても母娘が逆である。  
 
ルチアはルチアで、いつもなら騒ぎ立てるそれを見て、  
「アンジェレネ、外でなんてはしたないっ!」  
とか怒るくせに今日はだまったまま呆けていた。  
原因は昨日から全く自分と同じ容姿の娘に甘えられまくられ  
心底疲れきってそれどころではなかったからである。  
『早くこの娘の世話を上条に・・・』これがルチアの目的でもある。  
 
その後ろでは一生懸命赤ちゃんの世話をするアニェーゼとオリアナの姿があった。  
「ミルクっていったいどれくらいのませるやがるんですか?」  
「こんなにぬらしちゃって・・・ママそっくりのはしたない子ねん。いいわん すぐに取り替えてあげる。」  
 
シェリーは3歳くらいの子供と絵本を読んで楽しそうに笑っている。  
普段、子供とかそういうものに興味ない様に見えるシェリーだが、  
自分のことを「ママ」と呼び素直になついてくる娘の前に超デレ状態だ。  
 
「あらあら、みんな楽しそうですわね。ああ、あの方は私達やあなた達を別世界で  
 たくさん愛してくれているのですね。」  
それぞれの母(?)娘を見て幸せそうに語るオルソラ。  
そしてオルソラに天使の微笑みを返す金髪ロングの髪をした美少女。  
胸は母親譲りで年のころ13、4くらいなのに超豊満だ。  
「そうですねお母様。そういえば、私のいた場所でも、み・な・さ・ん・母娘ともども幸せそうでした。」  
 
 
凍りつく機内。  
 
 
 
同衾を迫る娘達に囲まれたじろぐ上条ちん。  
年齢的には子供とはいえ女の子であるし・・・  
未来の娘とはいえ、実際の娘とはまた違うし・・・  
なによりも久しぶりで寝るベッドはそんなに広くは無い。  
それに、こっちを睨む暴食シスターの忍耐の限界値がまたぶったぎれそうだ。  
 
以上の理由で、彼女たちを傷付けずそれでいて納得させる断る理由を  
少ない脳細胞から模索中だった。  
「あのね、上条さんはね、まだ君たちのパパじゃないんだ。  
 パパになったら毎日寝て上げれるけど、今はねだめなんだよ」  
「え〜っどうして〜?」  
神裂の娘が唇を尖らして反論する。五和の娘はすでに涙を浮かべ始めた。  
「うん、それはね家族になっていない男の子と女の子はいっしょに寝ちゃいけないんだよ」  
神裂や吹寄も後ろでうなづいている。  
「そういうわけで、今日はみんなはママやお母さんと一緒にね?」  
話がまとまりかけたところで吹寄の娘から爆弾が投下された。  
「ねえ、パパ?」  
「うん、何かな?」機嫌を損ねないよう明るく答える上条ちん。  
「まだ、パパはママ達と結婚してないんだよね?」  
「えっ!そ、そうだけど・・・」  
 
「じゃあ、わたしが今のパパと結婚してもいいんだよねっ?」  
「ずるい。私もそれ考えてた。」  
「やだ!!、おとうさんはぜーーーたい、わたしのだよっ」  
「・・・(おしぼりを無言で上条の首に巻きつける五和の娘」  
 
「ちょ、みんな、まて、すこし・・・おち」  
子供をなだめるのに手一杯の上条、呆気に取られる母親候補たちに  
助力を頼もうとするが、娘までにフラグがと思い皆茫然自失だ。  
 
そこで今まで奇跡的に静寂を保っていた、白い悪魔が吼えた  
「あんたたち・・・メインヒロインをなめすぎなんだよ・・・ 今日はとうまはわたしと寝るのっ!!」  
 
それでふと我に返る他のヒロイン。こうして1日目の夜が過ぎていく。  
 
 
 
−そのころ科学サイドの正統派ヒロインは夜の街を傷心のまま夜の街を彷徨っていた。  
ちなみに腹いせにぶちのめした、声をかけてきた不良どものスコアは軽く二桁を超えている。  
今は思いつめた表情でつぶやきながら歩く彼女を見ると誰も声すらかけてこない。  
 
「ブツブツ・・・私とアイツの子供が出てこないって事は・・・私がアイツとそういうふうになる可能性は全くないってことで・・・」  
瞬間、美琴の脳裏にさっきの部屋の光景が浮かんでくる。  
黒子や初春にまで(多分)アイツの子供がでてきたのにとか考えると今にも倒れそうになる。  
「にしても、あのどスケベっ!!黒子や初春にまでしれっと手ぇ出しやがってー!!!」  
 
アイツの子供たちをみてると、その母親になる少女や女性達と上条がどんな恋愛を繰り広げたかを妄想してしまい  
胸がどうしようもなく苦しくなっていまい、それが嫌で部屋に帰ったのに・・・。  
 
今、美琴の唯一の救いは、あいつと一番一緒にいるシスターの子供がまだ出てきてない事くらいだ。  
「でも、もしあのシスターにまで・・・」  
 
そこまで考えて首を横に振ったところで、自分がいつのまにか公園にいることに気がついた。  
気分転換に飲み物でもと思い、いつもサンドバッグにしている自動販売機の前に行くと、  
そこに、4、5歳くらいの少女がいるのがみえた。  
 
こんな時間に?と思うと同時になにか少女に対して共感のようなものが彼女に沸き起こった。  
(あれ、?これってもしかして?)  
美琴は期待で胸を膨らませながら早足で自販機に向かった。  
 
女の子はおつりの返却キーをがちゃがちゃ触っている  
どうやらお金を飲み込まれてしまって困っているみたいだった。  
女の子の後ろに立ち、深呼吸して息を整え笑顔で問いかける。  
「ど、どーしたのかな? なにか困っているのかな?」  
美琴の方を振り返った女の子の顔を見て、美琴に驚きが走る。  
そっくりなのだ!幼い頃の自分に!(ビンゴ!!)と思いつつ質問を続ける。  
「こんな時間に小さい子が一人でいたら危ないよ。お母さんとお父さんは?」  
「・・・」少女は無言で不思議なものを見るように少し警戒して美琴を眺め続けている。  
「じゃ、じゃあ、お嬢ちゃんのお名前は?」  
「・・・」  
「えーと、、あ、それじゃあお父さん、パパのお名前はもしかして「トウマ」っていうんじゃない?」  
「えっ、おねぇちゃん、パパのなまえをなんでしってるの?」  
少女がなぜ知っているのといわんばかりに驚く。  
「なぜって、それは私が・・・」  
ここまで言いかけて、美琴はためらった母親の名前も一応確認しておこう。  
「うん、ママの名前も知っているわよ。「みこと」じゃないかな?」  
「うんそうだよ。おねえちゃんすごいね。!」  
『や、やたーーーーーーーー!!!!ついに私にも・・・』  
美琴はうれしさのあまり思わずガッツポーズをとっていた。  
「・・・でもママのおなまえはもうひとつあるんだよ。」  
「・・・へ!?」  
不思議な少女の答えに思わず気の抜けた返事を帰してしまう。  
「だってわたしにはママがふたりいるもん!」  
 
そこに現れる暗視ゴーグルをつけた少女。  
「探しましたよ。こんな所にいたのですか?あまり心配かけさせたらだめですよ。  
 とミサカは母親の気持ちをじっくり味わいながら台詞をいってみたりします。」  
 
「はいーーー!?」  
美琴は一番自分に近いライバルの事を、完全に失念していた自分に今気づいた。  
 
「シット!お姉さまちょうどよかったですわ。今この子と会いに行こうと  
 思っていた所でしたからとミサカは心にも無い事を言ってみたりします。」  
「ちょっと、どういうことよ、全部説明しなさい。ママが二人っていったいなんなのよ?」  
周辺をレベル5の高圧電流で囲みながら脅しをかけてくる美琴にミサカ10032号は渋々説明を始めた。  
かいつまんで話すと  
この少女は昨日からミサカが保護しており、その時この街には私と同じ顔をした怖い  
おねえちゃんがいるから会っても話すなと教え込んでいた。  
 
なお、女の子に聞くとママは「10032号」と「ミコト」の二人らしい。  
「だからなんでよ、どっちかの子供にきまってるでしょ?」  
「そんなの、普通考えればわかるではずですとミサカは冷静に回答します。」  
「ほーう・・・聞いてあげるからいって見なさい。」  
 
「ミサカが彼と愛を育み、その愛の結晶を宿しますが私の体は出産に耐えられません  
 しかし、それでも命と引き換えに子供を生み残し、生き写しのお姉さまに愛する夫といとしい子供を  
 お願いして・・・という昼メロ風展開ではないかとミサカは想像シテミタリ・・・」  
「ふーん遺言はそれだけ? なんで私があんたのお古を引き受けなきゃなんないのよっ!?」  
高圧電流でめくれあがる床板  
そこに慣れたふうに割ってはいる女の子。  
 
「もうママたちけんかしちゃだめっ!」  
 
われに帰る御坂と御坂妹。  
「とりあえず、どっちが生むのか分かんないけど」  
「まずは子供を父親に合わせるのが最重要です。  
 とミサカは冷や汗をかきながらも平然な振りをして答えます。」  
 

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