タイムスリップって存在するんだ。
そう気付いたのは、街頭テレビで
亡くなったはずの芸能人が当たり前に出てたから。
コンビニでスポーツ新聞を買って、西暦を確認すれば、自分が生まれる前。
それどころか、両親が学生だっただろう年代。
戻りすぎよ。
出来ることなら両親を頼りたいけど、いい大人が学生を頼るなんて頂けない。
父さんと母さんの事だから、困ってると知れば、
誰だろうと親身になってくれるだろうが、だからこそだ。
ここが学園都市である以上、
既に私は不法侵入者としてマークされているはず。
今、両親と接触すれば関係者だと疑われてしまう。
幸い所持金は贅沢しなければ、1ヶ月は余裕で過ごせる額がある。
2人に関わらない事を最優先に、
タイムスリップしてしまった原因を探るとしよう。
学園都市に降り立った娘の1人。
彼女が両親から受け継いだ、何でも1人で抱え込む癖を存分に発揮した性で、
彼女の母親がとても苦しむ事になるとは、彼女は気付かなかった。
「あんたは何人の女を孕せたら気がすむのよ!
(なんで、私の子供だけ現れないのよ)」