(女性と勝負している)  
今の女の視界の隅には、幾つもの安全ピンが転がっている。  
無論、ピンというものは何かを繋ぎ止めておく役割がある訳で、今はその役目を果たしていない。  
即ち、今この少女が着ている服──最早ただの布切れは──  
「……ま、まだあと全部で8つも残ってるんだよ! 絶対に諦めないもん!」  
──その隙間から、白い素肌を見え隠れさせていた。  
 
勝負はこの女と野球拳という勝負からはじまった。女の方は下着だけだが  
インデックスの方は8つのピンだけだった。  
 
「前が開くまで・・・・」  
「う、うるさいかもっ! ジロジロ見ないでさっさと続き!」  
怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にさせながら、インデックスが発言を遮る。  
だが、そうしたところでこの現状が変わる訳もなかった。  
9回連続敗北。   
 
「………」  
静寂の中、インデックスは勝敗のある二つの手を見つめていた。  
やがて、少女の口から少しずつ言葉が紡がれる。  
「……まけは……負けだもんね……ひっ、ひとつ外す……」  
 
俯きながら安全ピンへと手を伸ばす。  
 
鍵が外された。  
 
そして、その布の扉は、重力に従いゆっくりと開かれていく。  
 
しかしまだピンは残っており半開きとなっている。しかし扉のすきまからから、少女の白い素肌と、  
小さなふくらみが見える。  
残るピンはあと1つ  
 
 

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