「こ、これはヒジョーに困った事態かもとミサカはミサカは頭を垂れてみる……」
言葉の通りに俯きながら歩く少女はそう呟いた。
本来なら少女の横には元学園最強の保護者がいるはずなのだが、今は一人である。
「うぅ、これは明らかな監督不行き届きだよーとミサカはミサカはお空に向かって叫んでみたり」
と、少女は相手の落ち度を指摘した。
──わおぉっ、見知らぬ地での買い物だぜイエーイとミサカはミサカは感情を大げさに表現してみたり
───こンくれェの規模のショッピングモールなンざ大したモン売ってねーがな
──おわぁっ!? とミサカはミサカは『擬似五次元万華鏡』といういかにもファンタスティックな代物に心を奪われてみたりっ!
──まァ言うほどデケェとこでもなィンだが人が多いから迷子に…… ってァアア!? イきなり蒸発してンじゃねェよ!!
……相手の落ち度らしい。
「そうだ!ここはミサカネットワークで応援を呼べば──
──と、言いかけたところで今この町に人手が少ないことを自覚してミサカはミサカはちょっぴり悲しいかも」
学園都市のマップ情報くらいなら引き出せるはずなのだが、少女の頭には『一人で帰る』という選択肢がなかったようだ。
「このまま誰にも発見されず骨と皮だけになってヒラヒラと飛んでいっちゃうんだ……とミサカはミサカは絶望に陥ってみる」
顔を青ざめながらトボトボ歩いていると、人通りの少ない通りの真ん中に人影を発見した。
「(で、でかい……白いあんちくしょうの3割増しくらいあるぜとミサカはミサカは人間の神秘に驚いてみたり)」
少女の目の前の男は、どうみても身長が2メートル以上あり、
赤い髪で神父服という周りからジロジロ見られるのを目的としたような格好である。
やがて、呆然としている少女の視線に気づいたのか、男はゆっくりとこちらに視線を移した。