「えっと…御坂さん?」  
「何よ」  
「これは何のお肉でしょうか」  
「子羊のローストよ」  
「ラムってやつか。初めて食ったぞ」  
「そ、そうなの? …だったら、もっとちゃんとしたやつ作るわね。  
 その辺の高級料理の一つ二つなら私も…」  
「おまえ何作っ…むぐ」  
「? ちょ、喉に詰まったの!? み、水っ!!」  
「――っ!」  
「ほ、ほら、飲んで。背中さすった方がいい?」  
「む、むぐぐ」  
「ど、どう? 大丈夫?」  
「っあー……か、上条さんは何とか、生きています」  
「当たり前よ。こんなので死なれたら一度も倒せなかった  
 私の立場はどうなるのよ」  
「おまえ、まだ拘ってるのか。俺は勝ち負けなんてどうでもいいから  
 おまえの勝ちでもなんでも好きにすればいいだろ」  
「――じゃあ、好きにしていいのよね」  
「おう」  
「あんたの負けでいいのね」  
「…おう」  
「じゃあ、罰ゲーム受けてもらうわよ」  
「……はあっ!?」  
「だから、この水を飲んでもらうわよ」  
「何勝手に罰ゲームなんて盛り込んで……って、水ってな――っ!?」  
「ん…」  
「――――」  
「……ふう」  
「―――『ふう』じゃねぇぇええ!! お、おまえ、いま、な、なにを」  
「…言わせる気? 言わせたいの? 何でしたのか、なんて女に聞くの?」  
「……だったら、俺から言わせてもらうけどな」  
「? 何して……え、あ、いや、でも…その」  
「……」  
「あ……」  
「―――すみません。すげぇ恥ずかしい」  
「わ、私だって恥ずかしかったんだから! だ、だから――もう一回、して」  
 

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