ガタンゴトン…ガタンゴトン…ガタンゴトン…  
 
「…吹寄サン」  
「…なに?」  
「…ゴメンナサイ」  
「…うるさい黙れ」  
「…ゴメンナサイ」  
「…黙れ」  
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜30分前〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  
 
上条当麻と吹寄制理は駅のホームに立っていた。デパートに行くにはバスよりも電車の方が早いという判断に基づいてだ。  
「2人でデパートに行く」といっても甘い雰囲気はまるでなく、  
男の方は露骨に嫌そうな顔をし、女の方は不機嫌さを隠そうとしてはいない。  
一端覧祭の準備に必要な機材の買い出しに行くための人員を、公平にじゃんけん(出来レース)で決めた結果、  
上条当麻(いつもの人)がまず決まり、吹寄制理(飼い主)が保護者として選出されたというだけの話だ。  
ちなみに吹寄が選出された理由は、  
彼の親友2人をつけようものなら待っているのは悪夢という結果であることをクラスメートは知っていたし、  
女の子をつけようものなら毒牙(カミやん病)の犠牲者になってしまうという結果をクラスメートは知っていたからという、  
ただの消去法でしかなかったりする。  
 
「うだーっ…ペンキに材木に文房具?こんなの注文して配達してもらえばいいのに…」  
「ほう?貴様が限られたクラスの予算を守るために自腹を切れるのなら、話は早いわね」  
「……喜ンデ荷物係ヲ勤(努)メサセテイダタキマス」  
「わかればよろしい」  
吹寄は相当イライラしているようだ。  
一端覧祭の実行委員に所属している彼女にしてみれば、片付けなければならない仕事をほっぽりだす理由が上条のお守りとあれば、  
虫の居所が悪くなるのも仕方ないといえば仕方ないのかもしれないが、  
まあ要は2人っきりという状況に照れているだけだったりもする。  
かなり大きめのため息が、2つ聞こえた。  
 
「っつーかさ吹寄」  
「なによ」  
「お前も良くやるよなー、大覇星祭のときもやってただろ、実行委員。大変じゃねえか?」  
「貴様のお守りと比べれば軽いものよ」  
「ッ!なんとか会話を盛り上げようとする上条さんの努力は!?」  
「無駄」  
「むごい…」  
『えー各駅停車〜○○行き〜お降りのお客様が済むまでードアの前は広く開けてーお待ちくださ〜い』  
「ほら、さっさと乗るわよ」  
「はい…」  
『○○行き〜ドア閉まりまーす』  
「………別に大変じゃないわ、みんなの笑顔を見れるのは嬉しいし」  
「えっ?」  
 
プシュー  
 
ガタンゴトン…ガタンゴトン…  
 
せいぜい乗車率40%の車内は混んでいるわけではないのだが、すでに座席は埋まっているために、2人は右側出入り口前に並んで立った。  
「…貴様はどうなのよ?」  
「俺?なにが?」  
「さっきの話よ…貴様は実行委員になろうとかは思わないの?」  
「ああ……、んー俺は実行委員とかには向いてないと思うし、面倒くさいとも思っているからなあ」  
「そう…」  
「あ、でも成功してほしいとはちゃんと思ってるし、そのためなら俺なんかでも手伝えることは手伝えるつもりだぞ」  
「そう…」  
「それに、お祭りなんか騒いでなんぼだしな。うちのクラスなんか特にな」  
「フフッ、そうね…」  
「………、」  
久しぶりに笑顔になった彼女を見て、上条は不覚にもドキッとした。  
『美人なのに色っぽくない』など、あまりよろしくない評価がなされているものの、笑った顔はやっぱりかわいい。  
整った顔立ちをしている吹寄は、やはり美人なのだろう。少し広めのおでこは、いい方へ作用しているようだ。  
キリッとした姿勢に、スラッとした脚。プリッとしたお尻。そして大きな――――  
 
「ちょっと…なにを急にボーッとしているのよ」  
「え゛っ!?いいいいやべべべ別に上条さんはなんらやましい事を考えてはいませんよ!?」  
「まったく…貴様の集中力の欠如っぷりは問題ね…仕方ない、貴様にはこの『集中力増大ウルトラスーパーミラクルグミ』を」  
「けっこうです」  
『△△〜△△〜降り口は〜左側です…』  
どうやら乗り換え駅だったらしく、かなりの数の人が乗り込んできた。  
乗車率は一気に80%まで上昇し、2人は周囲に押されながら接近する。  
向かい合うその距離10センチ。俗に言う「目と鼻の先」とはこのことだろう。  
「………………」  
「………………」  
10センチの間に、気まずい空気が流れる。  
相手の息遣いも聞き取れる距離だ。いかに鉄の理性を持つ上条当麻も、さすがに恥ずかしい。というか照れる。  
上条はグオッ!と目を閉じて無の世界に行こうとするのに必死で、  
正面の人がどう考えても満員電車の熱気に当てられた以上に顔を赤く染めていることに気がつかなかった。  
(何も考えるな!無我の境地に行くんだ上条当麻!)  
そう思うと逆にいろいろ考え煩悩の境地から出られないのが人の性。  
上条は先ほどまで考えていたことを思い出してしまった。  
 
おでこが素敵な整った顔立ち。かわいい笑顔。スラッとした脚にプリッとしたお尻。そして大きな大きな――――  
上条は、うっすら目を開けてしまった。そして目線を少し下げてしまった。  
おでこまで真っ赤にした整った顔立ちよりも下―――16歳にしてはいささか育ち過ぎな、大きな胸。  
制服の下から窮屈そうにしている、大きな大きな胸。  
電車が揺れるたびに、周りの乗客に押されるたびにふるふると揺れる、大きな大きな大きな胸。  
「………………ゴクリ」  
と、健全な青少年上条当麻16歳は思わず生唾を飲んだ。  
すると、ムクリと健全な青少年上条当麻16歳の息子は血をたぎらせ始めてしまった。  
(マズいマズいマズいマズい!!!)  
上条当麻は再びギュパッァァと目を閉じて、無我の境地に行こうと試みた。  
が、人間の刷り込み力とは偉大なもので、特に年頃の男子のエロ方面のそれは、凄まじいものがある。  
彼は彼自身の幻想を殺せはしない。彼女の胸が震える様子が、こびりついて離れない。  
(消えろ!消えろ!消えろ消えろ消えろ!!ほわぁぁぁぁぁ!!)  
が、鋼の理性を持つ上条当麻は、なんとその幻想に打ち勝ったのだ。収束していく息子に、上条はホッと息を吐いた。  
 
『次は□□〜□□〜降り口は〜左側です…』  
しかし現実は容赦をせず、さらに多くの乗客を導いてくる。  
ついに乗車率は120%を突破し、2人の距離はマイナス3センチを記録する。  
ここで言う3センチとは、吹寄制理の胸が、3センチほど上条当麻の胸板に潰されることを言う。  
「…吹寄サン」  
「…なに?」  
「…ゴメンナサイ」  
「…うるさい黙れ」  
「…ゴメンナサイ」  
「…黙れ」  
再び上条当麻の息子に緊張と血が走る。彼も息子に負けじと集中する。しかし分は圧倒的に不利。  
今までは幻想だったものが、今回はリアリティを持って彼に襲いかかる。  
制服越しでもわかる大きさと柔らかさが、彼の胸板をゆっくりと責め立てて、吹寄の顔は「ハァ……ハァ……」と真っ赤になりながら、熱い吐息を吐き出している。  
(グォォォォォォ!!この程度で負けてたまるかよぉぉぉぉぉ!!!)  
上条当麻も自分の超合金Zの理性を総動員するものの、ムクリ、ムクリと息子は育っていく。  
(この距離はマジでやばい!!絶対に当たる!!やばいやばい!!ほわぁぁぁぁぁ!!!)  
とうとう彼の精神力は神上の領域にまで達した。  
しかし現実は決して容赦をしない。  
電車はガタン!!と大きく揺れた。  
吹寄も大きく揺れ、吹寄の胸も大きく押しつぶされ、吹寄の乳首もブラジャー越しに大きくこすれた。  
そして彼女は、  
「はぁん……………!」  
甘く、とろけるような声で喘いだ。  
 
その声を聞いた瞬間、上条当麻の理性は崩壊した。  
 
上条は恐るべき素早さでズボンのファスナーを下げ、息子を外に開放した。  
「……吹寄」  
「ハァ……え…………?」  
「ごめん」  
「えっ……?」  
そして言うやいなや、彼女を抱き寄せた。  
あまりにもとっさのことで、吹寄は何の抵抗もできなかった。  
「か、上条!?貴様何を…ふわっ!?」  
「ごめん吹寄…もうガマンできない…ごめん」  
そう耳元で囁きながら、  
左腕で吹寄の背中を通しグっと抱き寄せ、彼女の胸を自分の胸板に押しつけ、柔らかさを堪能している。  
「んん…んんん……んぅ…」  
一方彼の右手は、彼女のスラッとした太ももや、プリッとした尻を撫で回し、揉みしだいている。  
「んぁ…あぁ……ッ!?」  
そして外気に晒された彼の息子は、吹寄の股下に挟み込ませた。  
ふわふわとした生地の彼女の下着は、すでにぐっしょりと濡れていた。  
吹寄の割れ目に沿うように息子をこすりつける上条。  
ぎゅうぎゅう詰めの車両の中で、あくまで小さく、小刻みにこすりつける。  
 
「んんぅ……くぅ……はぁん………」  
満足に喘ぎ声も出せない満員電車、押しつぶされる胸、撫で回される太もも、揉みしだかれるお尻、こすりつけられる秘部。  
だが彼女が最も耐えられないのは、耳元で囁かれる声だ。  
別に恥ずかしい単語を呟かれているわけでも、愛を語られているわけでもない。  
ただ、  
「吹寄…吹寄…」  
と、自分の名前を囁かれているだけだ。  
しかし、今の彼女にはそれが耐えられなかった。  
熱い吐息が耳にかかり、優しい声が耳を通り抜ける。  
彼女には耐えられなかった。  
「吹寄…吹寄…」  
「ふぁぁ…ふぅんんん………」  
吹寄の秘部から溢れ出る愛液は、自身の下着をぐちょぐちょに濡らし、上条の息子をびしょびしょに濡らし、床に滴り落ちている。  
もう駄目だ。もうガマンできない。  
吹寄がそう思った矢先のことだった。  
「吹寄……俺…もう限界………」  
「んぇぇ………?」  
そう言うと上条は無理やり下着をずらし、彼女の割れ目を露わにさせた。  
そして、彼の息子をそこに差し込んだ。  
 
「んぅぅぅぅぅぅ…!」  
位置と角度の関係から、亀頭部分しか入らなかった。だが、2人にはそれで十分だった。  
小刻みに腰を振る上条。小刻みに体を震わす吹寄。  
時折訪れる電車の揺れが、またなんとも言えない快感を生んでいた。  
「吹寄…吹寄…吹寄……」  
「ふぁぁぁぁ……んむ、むぅぅぅぅ…」  
喘ぎ声を漏らさぬ為に、吹寄は上条の肩に口を押しつけた。  
上条は彼女をさらに強く抱き寄せ、胸を押しつけた。そして右手でお尻を揉みながら、中指の先端を下着の上から肛門に突き刺した。  
「ふむぅぅぅぅぅぅ!!」  
その瞬間、彼女の股から彼の肉棒へ、愛液が滴った。  
もうすぐ限界を迎える2人は、もはや電車内であることも忘れ、とろけあった。  
 
クチュ、クチュ、クチュウ…  
「吹寄…吹寄…吹寄……」  
「ふぅっ、んむっ、むぅぅ!!」  
「吹寄ぇ…………!」  
「んんぅぅぅぅぅ!」  
「吹…寄ぇ………ハムッ」  
「ん゛ん゛!?んんぅうむ゛ぅぅぅぅ゛!うぅぅぅ!!!」  
上条が、吹寄の真っ赤になった耳をくわえたとき、彼女は果てた。  
大きくはなかった。しかし、一度だけではなかった。  
小さな絶頂が、幾重にも折り重なり、連続で訪れた。  
絶頂が訪れるたびに彼女の膣は締め付けられ、上条の亀頭を何度となく締め付けた。  
「んむぅ!!ん゛ぅぅぅ!!む゛っ!んむぅぅぅ!!」  
「うっ…うぁぁぁ……」  
「むぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」  
「うぁぁぁぁぁぁっ……!!」  
ドピュ、ドピュドピュッ  
「うぁっ、はっ、はっ、はっ……吹寄ぇ」  
「んあ…はぁ…はぁ…はぁ……上…条…」  
『次は○○〜○○〜降り口は〜右側です…』  
 
ズドン、ドスン、バゴォォォン!  
 
「はぁっ、はぁっ、ホンット、さいってーよ貴様は!!」  
到着するなり、リバーブロー→ガゼルパンチ→デンプシーロールが炸裂した。  
上条当麻は、おそらく10カウントでは復帰できないだろう。  
「貴様という男はっ!!なんて奴なのっ!!この色情魔!!恥を知れ!!」  
「…………ズビバゼンデジダ吹寄サンガアマリニモカワイグデガマンデキマセンデシタ本当ニズビバゼンデジダ」  
「〜〜〜〜〜ッ!!!」  
クルッと、吹寄は上条に背を向けた。  
(……………暑い)  
今、吹寄の体は熱を帯びている。  
事後の余韻のためが2割、怒り狂っているからが3割。残りの5割は―――  
「………………、」  
吹寄は自分の胸に手を当て、そして思い切り握りつぶした。  
「ふぁあ…………」  
二種類の液体でびしょ濡れになっている彼女の下着から、また新たに液体が溢れてきた。  
 
それは、女が興奮したときに溢れる液だ。  
 
「〜〜〜〜〜〜ッ来なさい上条当麻!!!」  
「ブェ?」  
「早く!!」  
「は、はいぃ!!?」  
吹寄はわけのわからない様子の上条の手を引き、駅構内を全力で走り抜けた。  
 
――――この後に2人が、駅のトイレとデパートの下着売り場と帰りの電車内で行ったことについては、また別の機会に。  
 
[終]  
 
 
 
 
 
 
パンパンパンパン…  
「吹寄ぇ…」  
「上条…もっと強く……」  
 
 

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