「上条君。……あっ、ああっ、上条、君。一番。奥まで。上条君が入ってる」  
 姫神秋沙は愛する男の名を呼ぶ。ベッドに腰掛けた上条当麻の膝の上に向かい合わせで座るようにして  
姫神秋沙は男根を受け入れている。巫女装束を脱いだ白い肌を汗で光らせ、長い黒髪をその肌に貼り付けながら  
秋沙は当麻の熱さと固さを味わっている。  
 
 初めてこういう関係になってから数週間。  
 いろいろな体位を試してみた結果、秋沙が一番苦痛なく当麻と繋がれるのはこの体位だったわけで。  
 
「姫神」  
 当麻がそう言いながら秋沙の唇を奪う。  
 片手で乳房の柔らかさを確かめながら、もう片手で真白い秋沙の背筋を撫で上げる。  
「ああっ。あ。上条。君」  
 その愛撫に反応してしまった秋沙は、思わず腰を動かしてしまう。膣一杯に食い締めた当麻の男根が  
秋沙の膣奥を刺激する。  
 逆に秋沙は当麻の唇にキスしながら、緩やかに腰を動かしていく。  
 固くて、熱い肉槍が、ゆっくりと膣襞をこそぎながら抜けていく。  
 その刺激の切なさに秋沙は頬をわずかに赤く染め上げる。  
 膣を満たしていた男根の充足感が失われる寂しさはしかし、再び腰を下ろした時のペニスの衝撃で霧消する。  
「上条。君。好き。大好き」  
 涙であふれそうな瞳で当麻を真っ直ぐに見つめながら、秋沙はその想いを口にする。  
 好き、というたびに身体の奥底に生まれる熱い塊が全身を酔わせていく。  
「好き。だいすき。だいすきっ」  
 少女の腰の動きに伴い、次第に秋沙の口調は幼いものになってしまう。  
 頬も耳たぶまで赤く染まり、怜悧な印象を与える顔もとろんと愛欲に蕩けてしまっている。  
 
 そんな秋沙の表情を見てしまった当麻の何かに火がついた。  
 下半身が溶けてしまいそうな甘い感覚の中から、重い何かがずんずんと浮かび上がってくる。  
「姫神…秋沙。秋沙。出ちまいそうだ」  
「私。だいじょうぶ。全部。出して」  
 そう言いながら秋沙は長い脚で当麻の腰を抱きしめるように組み付き、秘部を貫かれながら  
より深く愛しい男と触れ合おうとする。  
 当麻の胸板に秋沙の胸の膨らみが押し当てられる。  
 秋沙の細い腕が当麻の背中を愛しげに抱きしめる。  
 形のよい真っ白な指が肩甲骨を這い、汗に塗れた当麻の肌と触れ合う。  
 
 当麻も繋がったままの腰を突き上げるようにして秋沙の内側を蹂躙していく。  
 動きのペースが次第に上がり、短いストロークが早く強くなる。  
 
「――あ。あ。ああ。ああああっ」  
 秋沙は天を仰いだ。  
 全身を貫くような真っ白い衝撃に、秋沙は白い喉を反らしながら耐え抜く。  
 
 同時に当麻も限界に達した。  
 秋沙の熱い襞が収縮し、当麻のペニスをぎゅうっ、というように締め上げる。  
 当麻の腰の内部が溶けそうなほどの快感。  
 今まで出したことの無いような大量の熱い滾りがペニスを駆け上っていく。  
 当麻はペニスの先端を秋沙の膣奥、子宮口に接した状態のまま射精した。  
 最初の噴射で秋沙の理性は消失した。  
 
 熱い、生命の根源の液体が秋沙の子宮口をこじ開け、その内側を充満させていく。  
 びゅくっ、びゅくっ、と脈動する射精は、秋沙の小さな子宮を満たし、膣とペニスの隙間を埋め、  
愛液と共に体外に漏れでていく。  
 
「秋沙…す、すげえ、出てる。止まんねえ…」  
 そう言って秋沙の身体を固く抱きしめながら当麻は射精を続ける。  
 脱力するような射精の快感に溺れながら、救いを求めるように秋沙を抱きしめる。  
 
 精根尽きたのか、射精を終えた当麻は秋沙を抱きしめながら、ベッドの上に倒れこんだ。  
秋沙を身体の上に抱きしめたまま、満足げな荒いため息をつく。  
 
 いつになく、というよりもこんなに大量に出したのは生まれて初めてじゃないか?  
てなくらいの凄絶な射精だったせいで、当麻はぼーっとしてしまい  
「上条君の。赤ちゃん。嬉しい」  
 うっとりとそう呟く秋沙の言葉の意味がすぐには判らなかった。  
 
「ひ、姫神?」  
 慌てて秋沙の顔を見て話そうとする当麻だったが、両手両足で抱きついている秋沙は  
そう簡単には離れてはくれない。そもそも幸福な吐息を上げている女の子に手荒な真似のできる  
上条当麻ではないのであった。  
 
「あ、あかちゃん、って?」  
 抱きつかれたままで当麻は訊ねる。  
「上条君と。私の。あかんぼう」  
 秋沙は幸福の波間に漂うかのようにそう呟く。  
 
「さ、さっき、『大丈夫』って言ってませんでした?」  
「言った。今日は。あかんぼうが。出来やすい日だから大丈夫」  
 青ざめる当麻。  
 秋沙は続けて囁くように言う。  
「男の子だといい。きっと。上条君に。よく似た子になる」  
 
 青ざめた当麻だったが、秋沙のその声に含まれる響きに顔の強張りが解けていく。  
「大丈夫。きっと。元気な男の子」  
 そう言う秋沙の声は、いつものどことなく不安げだったり、居場所がなさげな  
消えてしまいそうな色は無く。  
 ただ、純粋に嬉しそうな、ただ幸福そうな響きに満ちていた。  
 
 だから、当麻は瞬間思った「不幸だ」という心の声を掻き消して、身体の上の  
大好きな女の子に向かって優しく言った。  
 
「俺は女の子だといいな。姫神によく似た、可愛い子に育つぞ。絶対」  
 そう言って当麻は秋沙の唇をそっとふさいだ。  
 
 

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